第73話 打ち上げパーティ
登場人物紹介
アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2、悪徳商人
サオリ・・・異世界転移者、お調子者
リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1
セナ ・・・賢者、守銭奴
カイエン・・冒険者ギルド長、悪徳代官
エイハブ・・船長、骸骨野郎、セクハラおやじ
オレ達は冒険者ギルドで聞いた、美味い魚料理を出すレストランに来ていた。レストランはちょっとこじゃれた雰囲気のなかなかよさげなお店だった。オレ達女の子にとっては味も大事であるけど、お店の雰囲気も大事だからね。汚い店が味が良いとかよく言うけど、オレ達女の子にはそういうお店は絶対にないわ。そういうわけで、お店は合格ね。
オレ達5人は奥のテーブルへと通された。
「田舎町だから、レストランにはあまり期待していなかったけど、このお店は合格ね。」
お店の中を見渡してリオが言った。
「田舎町とか言うなんて、リオも随分とあか抜けたもんね。」
セナが茶化した。
「何よー。どうせわたしは田舎者ですよ。田舎者だけど、飲食店にはうるさいのよ。」
「まあまあ、オレ達みんな田舎者じゃないの田舎者でもきれいなレストランに行く権利はあるわ。リオさんのおっしゃる通りざんすよ。後は美味しいと良いよね。」
オレはリオをフォローした。
オレ達はコース料理とエールを注文した。注文した後で気づいたがエイハブは幽霊の魔物じゃないか、料理やお酒なんか食べれるのか?
「ねえ、船長。あんた、半分幽霊じゃないの。食べたり、飲んだりできるの?」
「幽霊状態のときは食べなくても平気なんですけど、この姿の時はエネルギーを大量に使いますんで、腹が減りますし、食べたり飲んだりもできますよ。」
「え!そうなの。じゃあ、幽霊バージョンでずっといればいいじゃない。」
「そんな殺生な、わしにも美味しい料理やお酒を味わせてくださいよ。」
「あー。ごめん。ごめん。冗談よ。冗談。船長も楽しも。
それで、料理が来るまで、いつものように反省会をしよ。
今日の良かった点は何ですか?」
オレはみんなに聞いた。
「はい。アメリの卑怯技でクラーケンを簡単に倒せたことです。」
リオが手を上げて答えた。
「ひ、卑怯技って何ですか。サオリとのコンビネーションでクラーケンにモリを打ち込んで、しかもそのモリに付けたロープにみんなでサンダガを流すと言う協力プレイも付けたオレの素晴らしきコンボ技を卑怯技の一言で片づけるとわ。」
「あー、今のはリオの失言ね。確かにアメリは卑怯技が得意だけど、今回のは素晴らしき工夫だったと思うよ。」
サオリが褒めてくれた。
「サオリー。大好きー。ボーナス査定50ポイント。」
「あー。ボーナスポイントを私的な理由で付けた。今のは無効よ。でも、アメリのボーナスポイント100は有効だから付けておくよ。」
セナが割って入って言った。
「ごめん。ごめん。わたしの失言だったよね。今日の一番のお手柄はクラーケンを海上に引き付けてくれた白神よね。」
「リオー。そこはアメリ様でしょ。」
オレはリオを睨んだ。
「ごめん。ごめん。今のは冗談。今日はアメリ様のおかげで強敵クラーケンに勝てました。それでは、アメリさんに感謝して乾杯しましょ。かんぱーい!」
「「「「かんぱーい!」」」」
え?なに勝手に仕切ってんのよ。司会はオレなのに、まあでもいいか。
オレ達はエールで乾杯した後、一気に飲み干した。魔法で冷やしたのか程よく冷えていて旨かった。日本では子供のオレ達もこっちの世界では立派な大人である。労働の後のエールは最高だとおやじくさい事を思ってしまう。
乾杯をした後にちょうど前菜のサラダが来た。野菜の他に海藻を刻んだもので美味かった。エールにもよくあった。オレ達は大いに飲み、大いに食い、大いに語った。
オレ達の宴会が盛り上がってると。
「探したぜ。アメリさん達。どうか助けてください。」
いきなり、オレ達の席に来たカムイが頭を下げて言った。
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転勤とかありまして、作品どころか自分がエタリそうになりました。
今は落ち着きまして何とか続きを書けました。
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