第70話 再会
登場人物紹介
アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2、悪徳商人
サオリ・・・異世界転移者、お調子者
リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1
セナ ・・・賢者、守銭奴
カイエン・・冒険者ギルド長、悪徳代官
エイハブ・・船長、骸骨野郎、セクハラおやじ
「ねえ、船長も気づいてるんでしょ?」
「ええ。ずっとついてきてましたね。」
「ついてきてるって、何が?もったいぶってなくて、教えてよ。」
リオがじれて聞いてきた。
「それはね。」
オレは鑑定をしながら海を見渡した。やっぱり、向こうにいた。
「船長。あっちに船を向けて。」
オレはエイハブに船の進行方向を指示した。
「あっ。わかった。」
オレの指し示した方向を見てリオが言った。
「そうよ。白神よ。ミヒの町からずっとオレ達の船の後をついてきてるわ。今はこのオナガ湾にいるけど。」
シャチの魔物である白神がその巨体を現した。そのそばには白神の子供もいた。
「シロついてきてたんだ。全然気づかなかったわ。」
「リオ。今シロって言ったよね。」
「うん。言った。白神の子だからシロ。かわいいでしょ。」
「名前つけたんだよね。それで何ともないの?」
「うん。船長みたいに使い魔にしたわけじゃなくて、わたしが勝手に呼んでるだけだからだと思うけど、全然大丈夫みたいよ。」
「そっか。勝手に呼ぶのはオッケーなんだね。じゃあ、オレもシロって呼ぼう。」
「それで、シロがどうしたの?」
「まだ、わかんないの。白神親子にクラーケンの行方を捜してもらうのよ。そして、見つけたら、オレ達のいる海面まで追いつめてもらうのよ。」
「さすがアメリ。そんな事を考えていたんだ。あったま良いー。」
「ま、まあね。」
オレは褒められてちょっと照れた。でも、脳筋に頭良いと言われてもなあ。そんな事よりもクラーケンだ。オレはエイハブに通訳してもらって、白神親子にクラーケンの行方を捜すように依頼した。
白神とシロはキュイーと鳴くと海に消えて行った。
白神親子が戻るまでオレ達は船の上で待機することにした。小一時間も過ぎたころだろうか、シロだけが戻ってきた。
「アメリさん。見つけたって言ってますね。それで、なんか早く来いと。」
「わかった。船長。シロの後を追って。」
「ラジャ!アメリさん。錨を揚げて。他のみなさんは帆を揚げて。」
「「「「ラジャ!」」」」
オレ達の船はシロの後を追って走り出した。
しばらく行くと、シロは海の上で待っていた。
「ここにいるみたいね。船長、船を止めて。サオリ、錨を下ろして。他のみんなは戦闘準備よ。」
「「「「おう!」」」」
その時、オレは海底から浮上してくる物を鑑定で察知した。
「海の底から来るよ!みんな、気をつけて!」
オレが言うやいなや、海面が爆発した。
海面を突き破ってジャンプした。
「え⁈」
「何今の?」
サオリとリオが同時に声をあげた。
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