第69話 油断
登場人物紹介
アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2、悪徳商人
サオリ・・・異世界転移者、お調子者
リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1
セナ ・・・賢者、守銭奴
カイエン・・冒険者ギルド長、悪徳代官
エイハブ・・船長、骸骨野郎、セクハラおやじ
何と言う事だ。クラーケンは死んではいなかった。死んだふりをしていたクラーケンは海の中に消えてしまった。いつもなら鑑定で生死を確かめるのに、久しぶりのエネルギー破を撃って、オレは舞い上がってしまっていた。大事な事を忘れてしまった。オレのミスだ。
オレ達はクラーケンが消えた海面をしばらく眺めていた。
「また、襲って来るかな?」
リオがぼそっと言った。
「瀕死の重傷を負っているからしばらくは大丈夫だと思うけど、まさか生きてるとはね。鑑定をしなかったオレのミスだわ。みんな、ごめん。」
オレはみんなに謝った。
「アメリ、謝る事ないわ。わたし達だって死んでると思ったもん。でも、ミスはミスね。よってボーナス査定マイナス10ポイント。」
セナが冷静に冷酷な事を言った。
「えー。そんな。厳しい。」
オレはがっくりとうなだれた。オレ達が海面を見ながら話していると。
「おい。お嬢ちゃん達、クラーケンは逃げたんかい?」
カムエが心配して聞いてきた。
「残念ながらそうみたいですね。でも、安心してください、乗りかかった船です。オレ達美少女戦隊が必ずとどめをさします。」
オレが答えると。
「アメリ、そんな事言って大丈夫なの?海の中に逃げたのをどうやって探すの?安請け合いはしないほうがいいんじゃないの?」
サオリが心配して聞いてきた。
「大丈夫。オレに考えがあるわ。カムエさん。クラーケンは初めて襲ってきたわけじゃないですね?」
「ああ、最近このへんにちょくちょく現れては船を襲ってるよ。」
「じゃあ、オナガの町には冒険者ギルドはありますか?」
「ああ、あるよ。」
「よし、わかった。宴会はクラーケンにとどめをさしてからでいいわ。お風呂だけ入れてくださいな。」
「ああ、いいけど。」
オレ達はカムエの船の先導でオナガの町の港に入った。オナガの町は海賊の町にふさわしく海と険しい山に囲まれたちょっとした要塞であった。
オレ達はカムエの詰め所で風呂に入れてもらいクラーケンの墨を落とすと、冒険者ギルドに向った。
冒険者ギルドはミヒの町同様にこじんまりとしたものであった。オレ達がA級冒険者とわかると、やっぱり大騒ぎになった。
そして思った通り、クラーケン討伐の依頼は出ていた。オレ達は依頼を受けると、しばらくオナガの町に滞在することにした。
宿を決めるとさっそく海に繰り出した。
「ところで、どうやってクラーケンを海の中から探し出すの?考えがあるって、アメリ、言ってたけど。」
サオリが心配して聞いてきた。
「それはね。船長。船長も気づいてるでしょ?」
オレはエイハブに問うた。
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