第53話 エイハブ船長
登場人物紹介
アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2、悪徳商人
サオリ・・・異世界転移者、お調子者
リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1
セナ ・・・賢者、守銭奴
カイエン・・冒険者ギルド長、悪徳代官
エイハブ・・船長、骸骨野郎、異世界転移者
「あんた。その顔は?」
「わしの生前の顔ですけど、何か?」
ファントムパイレーツが訝し気に聞き返した。オレはさらにしげしげとその顔を見つめた。そこには、渋い中年の顔があったが、異世界人とはあきらかに違った懐かしい顔があった。
「もしかして、あんたも日本人?」
オレは日本語で聞いた。
「え?日本語?え?え?どうしてわかったんですか?」
「この顔をよく見て。」
オレはサオリをファントムパイレーツに近づけた。
「あ、あんたもか?」
ファントムパイレーツが目を丸くして言った。
「わたしだけじゃないわ。このアメリもよ。」
オレを指さしてサオリが言った。
「な、何と言う事だ!百年会えなかった同胞に、死んでからこうしていっぺんに二人も会えるなんて。ますます、仲間にしてほしくなりました。お願いします。アメリさん。皆さん。」
土下座中のファントムパイレーツがさらに頭を地面にこすりつけた。
「うーん。あんたには興味がわいたけど、オレ達は女だけの美少女戦隊だからね。いくら魔物と言えど、男を仲間にするのはどうかな?」
「わたしは仲間にしてあげればいいと思うよ。第一、この人、ほとんど最強じゃない。仲間にして損はないわ。」
「わたしもリオに賛成。」
リオとセナが仲間にしろと言った。こいつらは日本人顔に弱いうえにイケメンに弱いからな。
「わたしも仲間にしてあげれば良いと思うわ。」
サオリもかい。みんなが仲間にしようと言ってるのに、俺一人が反対もないな。
「わかった。わかった。仲間にしよう。それで、使い魔と言うのはどうしたらもてるの?」
「簡単です。わしに名前を付けて仲間になれと念じればいいだけですよ。」
「わかった。あんたの名前はエイハブよ。エイハブよ。仲間になれ。」
オレはその瞬間気が遠くなって、倒れた。
「アメリー!」
リオの声が聞こえたような気がした。
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