第50話 マッドオクトパス
登場人物紹介
アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2、悪徳商人
サオリ・・・異世界転移者、お調子者
リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1
セナ ・・・賢者、守銭奴
カイエン・・冒険者ギルド長、悪徳代官
四階層目も変わらず池のそばの道を歩く形だった。しばらく歩くとマッドオクトパスとその周りを飛ぶ二匹のウオーズバットが二匹現れた。
「「「サンダービーム!」」」
マッドオクトパスはリオのサンダービームで、二匹のウオーズバットはサオリとセナのサンダービームでそれぞれたおされた。
「この階層のマッドオクトパスがダンジョンの外に出て暴れてるんだね。」
オレはマッドオクトパスの巨体をアイテムボックスにしまいながら言った。
「うん。そうだね。ビッグクラブもそうだしね。」
サオリが相槌を打った。
このダンジョンは池の底で海と繋がっているらしく、魔物は自由に出入りしているみたいだった。と言う事は、マッドオクトパスの巣を壊滅させるクエストは不可能であろう。退治しても次から次とダンジョンから湧いてくるんじゃきりがない。
「マッドオクトパス退治の依頼、また来るんじゃない?」
オレは言った。
「来るよね。ここら一体を立ち入り禁止区域にするしかないんじゃないかな。」
サオリが答えた。
「でも、ビッグクラブの漁場でもあるから、立ち入り禁止は無理でしょ。」
「と言う事は。」
「そう。オレ達冒険者は飯のタネに困らないって事。ぐへへへへ。」
「お主も悪よのー。」
「お代官様ほどじゃありませんよ。」
「また、それ。」
セナがあきれて言った。
そんなかんなで、気を良くしていたリオの活躍もあって、次々とマッドオクトパスとウオーズバットを順調に撃破して階層の突き当りの、ボスが待ち構えるポイントに来た。
ボスはキングオクトパスLV80だった。
「みんな、レベル80もあるよ。強敵よ。サンダガビームの連発でいくよ。あと、足で絡みつかれたら厄介だから距離を取って。」
オレはみんなに指示を飛ばすとサンダガの呪文を唱え始めた。
「サンダガビーム!」
一番最初にサンダガビームを撃ったのはリオだった。リオのサンダガビームを契機にオレ達のサンダガビーム連射が始まった。何度かサンダガビームを撃った後、動かなくなったキングオクトパスを鑑定した。キングオクトパスは息絶えていた。
「みんな。もういいわ!」
オレはみんなを止めると、キングオクトパスをアイテムボックスに収納した。キングオクトパスは小さな家ほどもある巨大なタコの魔物で、アイテムボックスに入るか心配だったが問題なく入った。キングオクトパスを収納すると宝箱が現れた。鑑定したが間違いなく宝箱であった。宝箱の中身は金銀宝石などの装飾品であった。オレもふくめリオもサオリもセナも大興奮であった。
「すごーい。きれい。どう?似合う?」
リオが金でできたキラキラ光る宝石をちらばめた冠をかぶって言った。
「うん。似合うよ。きれい。」
セナが大きな宝石が付いたネックレスを首にかけて言った。
「あははは!重―い。これ重―い。」
金のブレスレットを両腕に着けてサオリが言った。
オレ達が金銀財宝に浮かれていると、突然。
「よくぞ、ここまで来た。」
謎の声がダンジョンに響き渡った。
オレ達は宝飾品を投げ捨てると、剣を持って構えた。
「お前たちに、われの最後の宝を授けるに相応しい資格があるか試してやる。さあ、向かって来るが良い。」
謎の声が再び響き、壁に穴が開いた。
「アメリ!」
リオが声をかけてきた。
「リオとサオリはサンダガビームの呪文を唱えて、セナはもしもに備えてヒールの範囲魔法の呪文よ。行くよ。」
「「「おう!」」」
オレ達はそれぞれ前倒しで呪文を唱えながら、次の階層に進んだ。
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ブックマークと評価をくださいまし。お代官様ー。




