第47話 脱出
脳筋野郎のサオリのせいで大ピンチ。いくらA級冒険者のオレ達でも多勢に無勢。これは詰んだわ。
大きな一匹の魔物に見えたのは無数に集まったビッグバットのかたまりだった。無数のビッグバットがオレ達を襲ってきた。何匹いるのかもう数え切れなかった。視界に入るのはビッグバットしかない。やばい。やばすぎる。詰んだか。
「みんな!サオリにつかまって!サオリ!ワープよ!」
オレは必死でみんなに指示を出すと、サオリにつかまった。
「みんな、つかまったわね。行くよ、ワープ!」
サオリはみんなが自分につかまったのを確認すると、ワープでオレ達4人をダンジョンの外まで運んだ。ダンジョンの外まで出るとオレ達はへたり込んだ。
しばらく沈黙が続いたが、やがてリオが言った。
「わたし、最後にビッグバット2匹を落としたからスコア4でトップね。」
「あんた、よくそんな事が言えるわね。サオリがいなかったらわたし達死んでたかもよ。」
セナがリオを睨んで言った。
「まあ。脳筋野郎は魔物を撃ち落とす事にしか頭が回らないからね。責めてもしかたないかもしれないけど、あれは明らかにボスでしょ。ボス戦ならアメリの指示を待たんといけないでしょ。ボーナスポイントマイナス30ね。」
サオリはやれやれと言った感じで言った。リオは二人に責められてしょぼんとしていた。リオも悪いかもしれないけど、射撃大会をやろうと言ったオレも悪いな。ここはリオをかばっておくか。
「たしかにリオの先走りは悪いけど、オレが射撃大会なんか言わなければリオも暴走しなかったと思うの。それにトップを取ったのは紛れもない真実だからプラマイゼロで良いんじゃない。」
「アメリ。」
リオが抱き付いてきた。
「ま、まあ。アメリがそういうならいいよ。」
サオリはオレの意見に素直に従ったが。
「まったく、アメリは甘いんだから。」
セナはちょっと不服そうだった。
「まあ、リオを糾弾してもしかたないじゃん。それよりも大金ゲットしたんだから、さっさと冒険者ギルドに報告をすまして、ぱーっと騒ごうぜ。」
オレはリオの頭をなぜながら言った。
「「「おう!」」」
余裕ができたところでオレは辺りの確認をした。ダンジョンの入り口には冒険者ギルド長のカイエンが魔法で設置したと思しき扉がついていた。時刻は夕方5時を回っていた。オレ達はサオリのワープで冒険者ギルドの近くの人目につかない空き地に飛んだ。
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わたしは底辺という深海にに這いつくばる飢えた深海魚です。あなた様のブックマークと評価と言う餌をもらえばいつかこの深海から這い上がれる気がします。どうか哀れな深海魚に餌ポイントをください。神様(読者様)。お願いします。