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第43話 新ダンジョン発見

 登場人物紹介


アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2


サオリ・・・異世界転移者、お調子者


リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1


セナ ・・・賢者の卵、守銭奴


メアリー・・四人の師匠、ドエス

 翌日早朝、オレ達はマッドオクトパスの巣があると言う海岸に来ていた。そこは岩場の磯で波が荒く水深もけっこうありそうだった。オレは鑑定を発動した。海の底にはマッドオクトパスが5匹いた。


「どう?アメリ。マッドオクトパスはいる?」


 岩の上から海を覗きながらリオが聞いてきた。


「うん。底に5匹いるね。リオが覗いている所の下にもいるよ。」


「えー!」


 リオが反射的に身をひっこめた。


「さて、どうしたもんかね。水生生物と水の中で戦っても勝ち目が薄いし、だいたいリオもセナも泳げんし、なんとか陸上にあげさせんと勝負にならないわね。」


 オレは海を見ながら言った。


「ここはもともとビッグクラブの漁場だったんでしょ。ビッグクラブの漁をしていた漁師が住み着いたマッドオクトパスを退治してくれって言う依頼でしょ。マッドオクトパスはビッグクラブを餌としてるんでしょ。じゃあ、ビッグクラブを使っておびき出せばいいんじゃない。」


 サオリが得意げに言った。


「それいいね。で、どうやってビッグクラブを捕まえるの?」


「それを考えるのがアメリあんたの仕事でしょ。」


「はい。はい。わかったわよ。」


 オレ達は漁師の家を訪ねてカニかごを借りてきた。カニかごはかってテレビで見たことのある物と違って巨大だった。漁師に言われた通りに魚を入れて海に沈めた。ビッグクラブが捕れるまで、オレとサオリは釣り、リオとセナはオレのアイテムボックスから出したテントで昼寝をして思い思いにすごした。


 一時間も過ぎたころに、ためしにカニかごを引きあげてみた。中には大きなカニがいた。


「アメリ。これがビッグクラブね。一年前に食ったカニに比べて随分大きいね。」


 リオがカニかごを開けてビッグクラブを取り出そうとした。


「だめ。不用意に触らないで。」


 オレはリオに注意したが遅かった。リオはビッグクラブの巨大なはさみで手を挟まれた。


「痛い!」


 リオが悲鳴をあげた。A級冒険者のリオが悲鳴をあげるとは相当な力である。普通の人だったら大けがは免れないだろう。


「アメリ。これってもしかして?」


 サオリが聞いてきた。


「うん。間違いなく魔物ね。ビッグクラブLV3ね。」


「この辺の漁師って魔物を捕ってんだ。」


「何冷静に分析してんの。超痛いんだけど。」


 リオが悲鳴をあげながら言った。


「うるさいわね。あんたなら全然大丈夫でしょ。あと、大事な生餌だから殺さないでよ。」


「殺さないでって、どうすりゃいいのよ?」


「自分の体にサンダーを流しなさいよ。ビッグクラブが死なないように超手加減してね。」


「うん。わかった。」


 リオは威力を絞ったサンダーを自分の体に流した。リオの手を挟んでいたビッグクラブは気絶してはさみを開いた。気絶したビッグクラブにロープをつなぐとオレ達は岩陰に身を潜めた。


 しばらくすると、海からマッドオクトパスが上がってきた。


「来た。アメリどうする?」


 リオが聞いてきた。


「まだよ。陸に完全に上がってから攻撃するよ。それで一年前は4人がかりのサンダーで倒したけど、今のオレ達なら一人分のサンダー一発で倒せると思う。カニに挟まれて頭にきてるリオにやってもらうわ。あと、ビッグクラブに当たらないようにサンダービームで仕留めて。」


「わかった。」


 リオはうなずくと長剣をライフルのように構えて呪文を唱え始めた。


「サンダー!」


 リオの長剣から稲妻がビームのように走り、マッドオクトパスに当たった。マッドオクトパスは絶命した。オレはアイテムボックスにマッドオクトパスを収納した。リオがサンダーを撃ちオレがアイテムボックスに収納するパターンで5匹全部を倒した。


「もうこれでこの辺の海中にはマッドオクトパスはいないわ。」


 オレは海中を鑑定して言った。


「さっ。帰ろか。ていうか、サオリとセナは何遊んでんのよ?人が一生懸命仕事してるときに。」


 サオリとセナはビッグクラブを何匹も捕まえていた。


「いやあ。出番がなくて暇を持て余していたら、ビッグクラブが何匹も穴から出てくるじゃない。セナと二人で捕まえてたのよ。」


 サオリが答えた。


「どこの穴?」


 オレが聞くと。


「あそこの穴よ。」


 サオリが向こうを指さした。そこには人がはってやっと入れるくらいの小さな洞穴があった。オレは中を鑑定してみた。中にはビッグクラブが何匹もいて、さらにずっと奥まで続いているようだった。


「アメリ。これって?」


 リオが聞いてきた。


「うん。ダンジョンかも?」


 オレが答えると。


「ダンジョンだとしてもこの入り口じゃ中に入れないね。」


 リオが中を覗いて言った。


「狭いのは入り口だけで中は広いみたいよ。オレのエネルギー破なら簡単に入り口の岩を砕いて入り口を広げれるけれど、とりあえず今はこのままにしておこう。冒険者ギルドに報告が先よ。」


 オレ達は冒険者ギルドにマッドオクトパスの巣を一掃した報告と、ダンジョンらしきものの発見を報告した。ダンジョンは危険な場所であると同時に宝の山でもあった。ミヒの町初のダンジョン発見かと冒険者ギルドは色めき立った。


 当然のように第一発見者のオレらに調査の依頼がきた。明日はダンジョンの調査か、明日も忙しいな。その前に今日獲ったビッグクラブで宴会じゃ。ビッグクラブは日本で食べたズワイガニやタラバガニの3倍近くの大きさで身もぎっしりと詰まっていた。4人で食べても一匹食べきれなかった。




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