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第360話 ホノカVSユウ

 



「それじゃあ、ユウの入団テストを一応始めるけど。オレ達のパーティには本来入団テストなんてないんだけど、約二名ユウの実力を疑ってる奴がいるから、そいつらを納得させてくれ。」


「分かったわ。先輩のお姉さん達に一泡吹かせてやれば良いのね?」


「一泡って何よ。あなた、冒険者をしたことも無いんでしょ?それなのにその強気はどこから出てくるのか知らないけど。あまりわたし達冒険者をなめない事ね。」


 ユウのわたしとトシコをなめた態度に思わず強く言ったけど、もしかしてわたし達挑発されてる?


「おうおう、良い感じに場が暖まって来たじゃないか。刀は竹刀だけど、魔法はありだぜ。それでもユウは大丈夫か?」


「よく分らないけど、死にはしないんでしょ?だったら大丈夫かな。毎日素振りもかかさなかったから。」


「そう言うわけで、魔法有の竹刀での勝負だ。両者良いな?」


「はい!」


「・・・・・・・」


 ユウは大きく返事した。対してわたしは無言で大きくうなずいた。


「それじゃあ始め!」


「ファイアーボール!」


「オークの加護!」


 一号アメリの開始の合図と同時にわたしは前もって唱えていた魔法をぶっ放してやったわ。この至近距離なら絶対に外さないわ。


「そして突き!」


 魔法を被弾して怯んだところに必殺の突きよ。今回は邪魔する二号アメリもいないから気持ちよくユウを突けるわ。しかしわたしの竹刀は空を切ってしまった。直前でかわされたのだった。


「!」


 わたしは必死で防御態勢をとろうとしたけど遅かった。振り向きざまに見事に面を取られてしまった。


「お見事!一本!」


 わたしは膝から崩れ落ちてしまった。竹刀で斬られたショックじゃない、負けたショックでだ。


「なんで?」


「そうね。突きは威力も大きいけど、かわされたら隙だらけだからよ。」


 突きをかわされたら隙だらけになるのはわたしも分かる。だからこその魔法だったのに。


「ファイアーボールが当たったでしょ?」


「ああ、魔法ね。わたしのスキルでなんとか防げたわ。」


「目くらましにもならなかったって事?」


「まあそう言う事。」


「まいりました。」


 完敗だ。わたしはユウに深々と頭を下げた。


「オークの加護ってのがスキルか?」


 一号アメリがユウに聞いた。


「うん。最初はスライムの加護で全然役に立たなかったんだけど、ゴブリン、ボアときて最近はオークにまでレベルアップしてたから魔法の防御には自信があったんだ。」


 得意満面でユウは答えていた。だから魔法を使える者を指名したのか、悔しいけどユウの実力を認めざるを得ないわ。


「それじゃあ、今度こそわたしの出番ね。」


 わたしをぶちのめしたところでユウの実力は分かったはずだから入団テストは終わったはずだが、このトシコはまだやる気満々だった。


「え!もうわたしの実力は分かったはずじゃ?」


 対してユウの方は先程と違いなぜか弱気になってるように見えた。


「まあ、あんたの実力はわたしも認めたよ。入団おめでとう。ユウの実力を認めたからこそやりたいんだ。」


「え!しかし・・・・・」


 ユウは弱々しく一号アメリの方をすがるように見た。まるで助けを求めるかのように。


「おもしろい。次はユウ対トシコだ。」


 しかしこのアメリに助けを求めても無駄だ。空気なんか読みもしない。何よりもエンターティメントを重視するからだ。それにしても何で急にここまで弱気になったんだろう。




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