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第348話 アメリVSサオリ

 



 わたし、初めて見たわ。人間が大砲の弾のように吹き飛んで行く所。なんと一号アメリの張り手をまともに顔面に受けたサオリは観客を吹き飛ばしながら看板の端まで吹っ飛んで行ったわ。危うく海に落ちる所だったんだから。


 観客に手を振っていたサオリは試合前に仕掛けた一号アメリの張り手をまともに顔面で受けたのよね。いくらサオリでも不意を突かれてはたまった物じゃなかったってわけ。かわいそうに一号アメリのバカ力で看板の端まで吹っ飛ばされたって事。サオリだからまだ良かったけど、これがわたしだったら絶対に死んでるわよ。


 観客達もドン引きよ。みんな、一言も発せず。しーんと静まり返っていたわ。サオリに吹き飛ばされた者達はうーんとうなっていたけど。


 あ、そうそう。わたし、審判だった。勝負の判定をしなくっちゃ。


「勝者アメリ!」


 わたしは一号アメリの手を持って一号アメリの勝利宣言をしたわ。


「ふざけるな!」


「金返せ!」


「卑怯者!」


「船から降りろ!」


「死ね!」


「審判もグルか!」


 すると観客達が一斉に喚き始めたわ。ジパン語だから何を言ってるのか分からないけど、一号アメリと審判のわたしに対するののしりだと言うのはニュアンスで分かったわ。


 あ、なんかわたしと一号アメリは観客のみなさんに取り囲まれたんだけど。これからつるし上げられるのかしら。こうなったら仕方ない。わたしのユニークスキル誘惑テンプテーションを使うしかないわと思っていたら、


「みんな!静かに!」


 イサキの大声が甲板になり響いたわ。さすがはジパンの英雄イサキね。口々に罵声を浴びせかける観客達を一言で黙らせたわ。


「今のはアメリの反則負けね!勝者サオリ!」


 イサキの判定を聞いたサオリに賭けた観客達がどっと歓声をあげた。しかし当然一号アメリに賭けた方の観客達は納得しなかった。そうよね。反則技と言え見事にケーオーしたんだものね。ジパン語は分からないけど雰囲気で金返せって言ってるのが分かったわ。


「やかましい!今の勝負、勝者はサオリだけど、賭けは無効!お金は返すから納得して!」


 お金が損しないと聞いてやっとみんな静かになったわ。


「ほれ!サオリに勝利宣言!」


 イサキに促されてサオリに近づくと目を回してのびていてリオがハイヒールで介抱していたわ。


「勝者サオリ!」


 わたしはのびているサオリの手を上げて勝利宣言した。




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