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第342話 ボーナス

 



「ふーん。何をしたかは大体検討が付くけどさ。語りたいんだろ?自慢したいんだろ?特別に聞いてやるから語れ、語れ。」


「え!そんなに聞きたい?うーん。どうしようかな?」


 わたしはもったいぶってみせた。


「迷ってるなら別に語らなくて良いよ。」


「うそ。うそ。冗談です。是非語らせてください。1号先生。」


 わたしはあわてて今回の作戦について語りだした。


 *


 話はチビ太が魔法ストーンバレットを覚えた所まで遡るの。


『ドウ? ツノチャン。マホウグライデイイキニナラナイデ。コンナモノワタシダッテカンタンニデキルンダカラ。』


 チビ太は後から入ってきたツノッチにライバル意識丸出しで、今までできなかた魔法ストーンバレットができるようになったのがとてもうれしいらしくツノッチを挑発していた。


『フーン。』


 対してツノッチの方はマイペースと言うか我関せずと言うかチビ太の挑発にはまったく乗ってこなかった。わたしの方でも召喚獣同士でケンカされても困るのでツノッチの大人対応はありがたかった。必死に努力してつかみ取ったチビ太の魔法と違い、ツノッチの方はレベルアップのおまけみたいなものだからどうでも良かったのかもしれないけど。


『ホノカ。ワタシマタオボエタ。』


 そうツノッチが言ったのはチビ太がわたしの異次元ルームで休んでいる時であった。聞いてみるとウサギならではの魔法で、人間で言う所の生活魔法のようなものであった。それでとりたてて見せてもらう事も無かったんだけど、これが後で役に立つとはその時はまるで思いもよらなかったよ。


「じゃあ魅了テンプテーションなしであの2匹のマッドボアをやっつけてよ。」


 一号先生アメリの無茶ぶりを聞いた時にどうしたら良いだろうと周りを見渡したの。そうしたら通路と言うか地面が目に入ったの。通路って泥でできてるけどすごくきれいにならされてるよね。まるで舗装道路のように。これ見て良い作戦を思いついちゃった。


『止まって!ツノッチ!呪文を唱えて!』


 この時ツノッチに唱えるように言ったのはストーンバレットじゃなくて生活魔法の方なの。ああでもツノッチには詠唱いらないみたいね。ツノッチの生活魔法は何かって?それはウサギさんの住居に関する物よ。


 とにかくこの時点でツノッチはすでに仕込みを行ってくれていたのよ。


『逃げろ!』


 後は自分達で引っかからないように注意して逃げるだけよ。もう分かったと思うけど生活魔法と言うのは穴掘りよ。ウサギさん達は穴の中に家を作ってるからね。いつもきれいな道で走ったりして暮らしてるマッドボアなら足元の事にあまり注意してないと思ったのよ。もちろんそれだけじゃないわ。木の枝やら幹やら石を投げて注意を足元からそらすのも忘れてなかったよ。それにただの穴でも良かったのにご丁寧にもぱっと見じゃわからない落とし穴にしてくれたからね。ツノッチは。これは人間でも嵌るでしょ?


「それで後はタコ殴りかい?」


「そう。そう。」


 わたしは得意げに作戦を一号先生アメリに話した。


「偉い。偉いぞ。感動した。感動したから特別にボーナスを出そう。」


「や、やったー。これで少しでも借金が返せる。で、いくらもらえるの?」


 ボーナスがもらえると聞いて興奮したわたしは思わず万歳をした。


「なんか勘違いしてるみたいだけど、ボーナスをもらえるのはホノカじゃないよ。ツノッチだから。」


「ふーん。でもわたしとツノッチは一心同体だからツノッチがもらうのもわたしがもらうのも同じ事だからうれしいよ。」


「え!ホノカはそんなにニンジン好きなのか?」


 そう言って一号先生アメリがアイテムボックスから取り出したのはお金じゃなくてニンジンの束であった。




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