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第341話 1号先生の無茶ぶり

 



 魅了テンプテーションを使わないでマッドボア2匹を倒せと言う1号先生アメリの無茶ぶりには頭をかかえてしまった。頼りのチビ太は魔力切れで待機部屋でダウンしているしわたし側の現戦力はツノッチと魔法の使えないわたしの二人だけだった。1号に助太刀してもらえば楽勝だけど、ここは意地でも二人だけでやりたかった。


 数の上では2対2のイーブンなんだけど一人はポンコツのわたしだからね。圧倒的にこちらが不利だわ。攻撃力も守備力も完全に負けてるし普通に考えてお手上げ状態なんだけど。こちらにあってあちらにない物と言えばツノッチの魔法しかないわ。ツノッチの魔法を頼りにするしかないわね。


 わたしは念話でツノッチに作戦を伝えた。わたしの作戦を聞くとツノッチは大きくうなずいた。


 いつもはチビ太と一緒に我先に飛び出すツノッチだが、作戦を伝えて指示してあるのでさすがに慎重にじりじりと2匹のマッドボアに近づいた。わたしはその後をピッタリと付いて行った。


『止まって!ツノッチ!呪文を唱えて!』


 あとでツノッチは無詠唱で魔法を発動している事に気付いたがその時のわたしは知らなかったので呪文を唱えるように言った。マッドボアがこちらに向かって突進してくるぎりぎりの間合いであった。何度かの戦闘でわたしはマッドボアの攻撃の間合いを掴めていた。


 しばらく無言のにらみ合いが続いていたが先にしびれを切らしたのはマッドボア陣営の方であった。二匹同時にこちらに向かって突進してきた。覚悟はしていたけどやはり怖い。


『逃げろ!』


 わたしとツノッチはけんもほろろに逃げ出した。もちろんただで逃げ出しはしなかった。前もって拾っておいた木の枝やら棒やら石やらを投げつけながらであった。そんな投げやりでやけくそな攻撃が当たるはずもなく、いや当たってもあの分厚い毛皮じゃ無傷だろうし、わたし達はあっという間に追いつかれた。


 もうだめだと言う所で先頭のマッドボアが突然躓いた。後ろのマッドボアは前のマッドボアに躓いた。これは天の恵みかチャンスだ。わたしとツノッチは例によってタコ殴りと言うかめった刺しにした。こうなっては剣法もへったくれもなかった。斬って斬って斬りまくるだけであった。ツノッチの方は角で刺して刺して刺しまくった。分厚い毛皮で鉄壁の防御力を誇るさすがのマッドボアもこれだけ一方的にやられるとなすすべもなかった。


「今のは偶然か?計算か?」


 マッドボアを回収しながら1アメリが聞いてきた。


「もちろん計算よ。こんなに旨く行くとは思わなかったけどさ。」


 わたしはちょっとだけ得意顔で言った。


「ふーん。何をしたかは大体検討が付くけどさ。語りたいんだろ?自慢したいんだろ?特別に聞いてやるから語れ、語れ。」


 分かってるじゃないか。1アメリ。わたしのした工夫を誰かに自慢したかったんだ。わたしはさっき立てた作戦、名付けてマッドボアすっころばし大作戦について話す事にした。



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