表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
337/373

第337話 このバカ

 


 わたし達があわてて階段を降りて下の階に着くと、ちょうどボス部屋の扉が開いてホノカが外に出てくるところだった。


「ホノカ、大丈夫?」


 わたしが声をかけると同時にホノカに駆け寄る者がいた。


「このバカ!」


 クロエだった。クロエはいきなりホノカの頬をはたいた。


「ちょっと!いきなり何するのよ!」


 ホノカが抗議するのを遮ってクロエの説教が始まった。興奮して早口でまくし立てるクロエのイーラム語を日本語に通訳するのは大変だった。


「たしかに出過ぎた事したわたしが悪いかもしれないけど、殴る事ないでしょ!」


 ホノカとチビ太が反撃に出ようとした。


「ちょっと待ちな!ホノカ!言いたいことは分かるけど、ここは素直に謝っとき。オレ達がどんだけ心配したと思ってるんだよ。ここにいる2号なんて責任を取って、オレの許しも得ずに命を断とうと考えたほどだぞ。」


「え!」


 1号が余計な事まで言うもんでさすがのホノカも絶句して考え込んでいた。


「ごめんなさい!勝手なことして皆さんに多大なるご迷惑をかけました。すみませんでした!」


 なんといきなり土下座して謝罪をし始めた。


「これって土下座だよね?」


「そう。ホノカの国の最大限の謝罪方法よ。」


 イーラム人のクロエにホノカが深く謝罪している事を伝えた。


「もう良いよ。顔を上げて。ボス部屋に入るなと言わなかったこちらにも非があるからそんなに謝らなくても良いよ。ただしこれからはこんな時は魔道具で必ず連絡してね。」


 わたしは2号の手を取って立たせた。


「ありがとう2号。」


 ホノカが礼を言った。


「お礼は良いからどうやってボスを倒したのか話して。」


「そうよ。わたしもそれが気になる。」


 クロエも気になったのかわたしと一緒に聞いてきた。


「そう。そんなに聞きたいなら話すけど。」


 ホノカがどや顔で語り始めようとした。ちょっとむかつくんですけど。


「いや。話したくないなら聞かないけど。」


「ごめん。すみません。聞いてください。」


 わたしがちょっと意地悪な事を言ったらホノカはあわてて話し始めた。自慢したかったんだろ。素直じゃないんだから。



 **********************





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ