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第336話 ホノカピンチ2

 



 ホノカが行方不明になるちょっと前の話


 わたしはホノカ、美少女戦隊で一番の下っ端だけど、みんなに少しでも早く追いつこうと一生懸命頑張ってる期待のルーキーよ。わたしと相棒のチビ太はホーンラビットを何匹も葬って来たおかげでまたレベルアップする事ができたわ。正確にはアメリか2号に鑑定してもらわないと分からないんだけど、わたしには分かるのよ。だってあんなに手こずったホーンラビットが簡単になったんだもん。たとえ不意打ちされても2匹までなら楽勝よ。さすがに4匹に不意打ちされたら裏技の誘惑テンプテーションを使わないといけないけどね。誘惑テンプテーションと言えば、良い事を思いついたんだ。誘惑テンプテーションでホーンラビットを操ればわたしとチビ太が手を煩わせなくても戦えるんじゃない。具体的に言うと遭遇したホーンラビット同士で戦い合わせりゃ良いのよ。


 そうこうしている内に向こうにホーンラビットが通路に2匹たむろしてるのが見えてきたわ。


『チビ太、下がって。』


 わたしはチビ太を下がらした。なぜって?チビ太を先に行かせると、またしゃにむに突っ込んで行って誘惑テンプテーションをかけるどころじゃなくなってしまうからね。わたしの誘惑テンプテーションはデリケートなスキルなのよ。相手の魔物にわたしの目を見させなければならないからね。そういうわけでわたしはじりじりとゆっくりとホーンラビット2匹に近づいたのよ。あ、2匹がこちらを見たわね。もう大丈夫よ。これでわたしの誘惑テンプテーションにかかったわ。さあお互いに殺し合うのよ。わたしは2匹のホーンラビットに命じた。


 ホーンラビット同士の戦いは以外にもあっさりと片が付いた。残ったホーンラビットを倒そうとチビ太が走り出した。


『待って!』


 わたしはチビ太が攻撃するのを止めさせた。


 ホーンラビットの中にも強い弱いがあるみたいね。面白い。こうやって戦い合わせりゃ最強のホーンラビットが決まるんじゃないの。


 わたしは生き残ったホーンラビットを付いて来させる事にした。しばらく歩いたところで茂みの中からいきなり2匹のホーンラビットが飛び出した。


 不意打ちを喰らったものの2匹とも何とか誘惑する事に成功した。さあ殺し合うのよ。付いてきていたホーンラビットも参戦させ三つ巴の戦いをさせた。またもやあっさりと決着した。最初に生き残ったホーンラビットがまたもや他の2匹をあっさりと倒してしまったのだ。


『待て!』


 生き残りのホーンラビットに飛びかかろうとするチビ太をわたしは止めた。


 こいつは本物だわ。殺すには惜しい実力の持ち主よ。


 次の戦闘では誘惑テンプテーションを使わずにわたしとチビ太も普通に戦った。今度は4匹だったけどなんとか勝てた。この誘惑したホーンラビットのおかげだった。しかもこいつは心なしかなんか強くなってない?たぶんなんだけどレベルアップしたんじゃないかと思うんだ。こうなってしまってはもうこいつは殺せないよね。情もわいてきたし。わたしはこいつを仲魔にすることに決めたわ。でも仲魔の召喚獣にするには一度殺してから生き返らせる必要があるのよね。蘇生はわたしの得意スキルなんだけど、わたしはヒールの魔法が使えないから今はできないわ。しかも名前までつけたらまた気絶しちゃうしね。そういうわけで2号達と合流するまでは誘惑テンプテーションで操って行くしかないわね。


 わたしとチビ太もこれだけ戦闘を繰り返したおかげでレベルアップしたわ。2号に鑑定してもらわないと正確には分からないけど、あれだけ重かった剣も軽く感じているんだもん間違いないわ。


 わたしにチビ太、ツノッチ(仮名)のトリオはこの階層ではもう無敵よ。だって4匹のホーンラビットの不意打ちを受けても平気になったんだもん。もうこの階層は卒業よ。2号にもボス部屋に入るなとは言われてないし、このままボス部屋に挑戦しても良いよね?


 一方こちらは焦ってホノカ捜索をしている2号達。


「まさか。ボス部屋に入ったの。いくらなんでもそこまでするとは思ってないから入るなとは言ってないわ。」


「ああ、普通に考えたらダンジョン挑戦一日目でボスに挑もうとはしないだろう。ふ、つ、う、は。でも普通じゃないだろホノカは。死んでない事を祈ってボス部屋の出口に行くぞ!」


 1号の言う通りだわ。ホノカはただのダンジョン初心者じゃないんだ。サオリと同じ異世界転移者だから秘めたるポテンシャルが凄いのよね。その上早く強くなろうとなんか焦っている所もあるのよね。ボス部屋に入るなと言わなかった事が悔やまれるわ。


『だから悔やんだって後の祭りだって、それよりも一刻でも早く下の階に行くぞ。』


 なんかわたしの中のネガティブな部分はわたしが分担していてポジティブな部分は1号が分担してるみたいね。なんかそんなわたしが自分でも嫌になって来るわ。


『大丈夫。大丈夫だってホノカの異世界転移物語は始まったばかりなんだからホノカはこんなところで死なないって。』


『そうね。そうだよね。』


 わたしは1号に元気づけられて次の階層に降りる階段を急いだ。



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