表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
310/373

第310話 リオと女子会

 




 私はリオ。自他ともに認める美少女戦隊一の美少女よ。アメリに代わってこれからは私リオが実況を務めるわ。


 アメリったら朝早くから王都の市場で珍しい南国の果物を買って来たと思ったら、昼には南の島に行くと言い出したわ。あ、私がアメリって言うのはもちろん式神の方よ。本体の方は悪いけど私は隊長として認めていないからね。アメリ2号の2号で十分よ。


 話を戻して式神の方のアメリだけど、思い付きや気まぐれで遠くに行きたいと言うのはいつもの事だから慣れているけど、問題は黙っていたらサオリと二人っきりで出かけてしまう所よね。危険な旅で私達隊員が足手纏いになってしまうのは良く分るわ。でも私だってアーリンだって毎日の戦闘と修行でこれでも随分と腕を上げたつもりよ。もう足手纏いなんて言わせないわ。それに毎朝ダンジョンに潜って魔物を倒し、昼からは仲間と修行をする変わり映えの無い毎日に少々飽きてたところなの。田舎で生まれ育った私は海ですら知らなかったのよ。私だって冒険の旅に出て見聞を広めたいわ。あ、サオリのおかげで今では遠い外国までひとっ飛びで行けるけど、それってなんか遠い所に行った実感がないのよね。はるか遠くの東の大陸の国イーラムだって私に言わせれば隣村みたいなもんなんだよ。だってサオリのワープであっという間でしょ。やっぱりアメリとサオリが最初に二人で行った旅みたいに船で何日も何日も苦労して行かないとものすごく遠い所と実感できないでしょ。そう言うわけでアメリの気まぐれの旅には絶対に付いていくと決めてたの。だからアメリが南の島に行くと言った時は真っ先に手を上げたわ。と言っても他にはサオリとアーリンしかいなかったけどね。サオリはやれやれまたかと言った感じで仕方なしで付いて行くみたいだけど、アーリンは違ったわ。必死で付いて行こうとしてたわ。まあアーリンにとっても付いていくのは都合の良い事なんでしょうね。計算高いアーリンの考えてる事はバカの私には理解できない事が多いけどね。


 そう言うわけで私リオと式神になったアメリ(コメリちゃん)、サオリ、アメリの本体(2号)、アーリンの五人での出発となったわ。セナあたりが連れていけ連れていけとうるさかったんだけど、こういうのは早い者勝ちの所があるから仕方ないよね。その代わりお土産いっぱい買って来るから許してね。


 馬車で迎えに来たのはフレデリックと名乗る青年だったけどちょっとイケメンさんね。御者のフレデリックの隣に座りたかったけど、その席は索敵能力に優れたコメリちゃんが座るって前から決めてたから、仕方ないわ。コメリちゃんに譲るわ。その代わり馬車の中は私達4人で女子会よ。2号とは話が合わないと思って今まであまり仲良くしてなかったんだけど、なんせアメリから男前の部分をしぼりとった出がらしのお茶みたいな存在だからね。それが話してみると良い奴なんだ。元々同じ人間だから当たり前と言っては当たり前なんだけど、アメリと話しているみたいで話が弾むんだわ。女々しい弱っちいとか思っていて、なんでちょっと距離を置いてたんだろう。私のバカ。アメリの本体である2号と仲良くなれただけでもこの旅に参加した甲斐があったわ。


 若い女子の会話って言ったら話題はやっぱり男の事よね。サオリと2号はこの間の合コンでできた男とこっそり会ってるみたいだし、私とアーリンはその事を追及したわ。二人ともお茶を飲んだりするだけの清らかな交際らしいみたいだけど、それでもうらやましいわ。なんせ私もアーリンも全然男っ気がないからね。私はファンならいっぱいいるんだけど、男の人とまだ付き合った事ないから二人がうらやましすぎて根掘り葉掘り聞いてしまったわ。あまりにも私とアーリンがうらやましがるもんだから2号は憐れんで彼氏の友達を紹介してくれる約束をしてくれたわ。やっぱり2号は良い奴。


 でもサオリはともかく2号の恋は難しいんじゃないかな。余計なお世話だけど。だって女らしい性格の2号とは別に正反対の性格のあのアメリが心の中にいるからね。まあふられたら独り身同士で酒でも酌み交わしながら今度は私が慰めてやろう。でもその頃は私は2号の彼氏の友達と付き合っているから独り身じゃないかも。


 男の話がひと段落すると今度はファッションの話になったわ。私はあまり興味が無いんだけど、サオリとアーリンは美少女戦隊のおしゃれ番長二人だからね。それに意外な事に2号も新興勢力として最近名乗りを上げてきてるからね。アーリンは王都で流行ってる最新のファッション、サオリは前にいた世界の見た事も無い斬新なファッション、2号はかわいい系のファッションを好んでいるわ。そして3人は私を自分の派閥に入れようとしているのよ。私としては2号の好むような服は自分には似合わないし、サオリの好む服じゃ斬新すぎてちょっと恥ずかしいしで、できればアーリンの派閥に入りたいんだけど、なかなか踏み切れないのよね。だってアーリンの一押しの服だって窮屈なんだもん。ひらひらのスカートで魔物は蹴れないよね。実はみんながダサいと言うアメリと選んだ服が一番のお気に入りなんだ。3人には内緒だけど。アメリも私も見てくれよりも機能性重視だからね。だから二人とも男の子みたいな恰好をしているんだ。普段から。それがこの3人には我慢ができないみたい。私達はせっかくきれいな顔と姿を親と神様からもらったんだからよりきれいになるように努力をしないと親と神様に申し訳ないそうだ。ちなみにアメリの方はもうあきらめられてるそうだ。なんせベールで顔を隠してもむしろ喜んでいるくらいだから、何を言っても無駄だそうだ。その反動で2号がおしゃれに走っているみたいだけど。


 もちろんただ話し合ってるだけじゃないよ。2号もアメリだからアメリと同じスキルを持っていてお菓子やごちそうを次々と出してくれたからね。お菓子でジュースを飲んでいる内はまだよかったんだけど、ごちそうでお酒を飲み始めた頃から朝早かった事もあってみんな眠くなっちゃった。なんで馬車に乗ると眠くなるんだろ。おやすみなさい。



 ********************************


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ