第286話 帰宅
「くあー!久しぶりの我が家は最高だぜ!」
「ええ。やっぱり我が家は落ち着きますね。アメリさん。」
今オレ達4人は一週間ぶりに我が家に帰りついた所だった。愛馬の一郎とフランソワーズを馬小屋に入れてから母屋の扉を開けた所だった。
「サオリ達はまだ帰ってないみたいだな。頭も体も埃だらけで気持ち悪いや。よし!風呂沸かそう。オレとクロエは風呂掃除。エイミーは一郎とフランソワーズのお世話。」
「「「おう!」」」
役割を分担するとみんなはそれぞれの部屋へと散って行った。ジュンは今日からオレと同室だ。
「あのう。私は何か手伝いしなくて良いんですか?」
「うん。今日はまだお客さんだから何もしなくて良いよ。自分の荷物でもほどいていたら良いよ。あと、こっちのベッドはジュンのベッドだからこっち側は自由に使って良いよ。」
ジュンの荷物と言っても着替えの服が入った大きなカバンが一つだけであった。かく言うオレの部屋も女の子らしい物が何にもない殺風景な部屋なんだけど。必要な物はアイテムボックスにしまってあるしね。
*
「今日はみんなにお知らせがある。知っている人もいると思うけど新しい仲間が加わった。ジュンだ。ジュン挨拶して。」
「ジュンです。みなさんよろしくお願いします。」
サオリ達も帰って来たところで、久しぶりに全員集合したと言うわけで食堂でミーティングを開いている所だ。一通りみんなの自己紹介が終わった。
「じゃあ質疑応答タイムと行こうか。ジュンに質問ある人。」
「はい!」
元気よくサオリが手を上げた。
「はい。サオリさん。」
オレはサオリを差した。
「ジュンはもしかして日本人ですか?」
サオリがそう思うのも無理ない。ジュンの顔はどっからどう見ても懐かしき東洋人、いや日本人の顔だった。
「いえ、違いますが日本は私のマスターの故郷です。マスターが故郷を懐かしんで私をこんな風に作ったんでしょう。」
ジュンの答えにみんなはざわついた。
「今作ったって言ったよね?」
「あー。リオさん。発言は手を上げてお願いします。」
「あー。もう固っ苦しい事ばかり言うんだから。アメリは。」
「まあミーテイングは大事だからね。じゃあ改めてリオさん。」
ちょっとぶうたれているリオを差した。
「改めて聞くけどジュンはマスターに作られたの?エッチな意味じゃなくて。」
「エッチな意味でが良くわかりませんけど、私はマスターに作られました。私達魔人は人の子と違って人の胎からは生まれません。想像主によって生み出されるのです。」
「「「「「「「「魔人!」」」」」」」」
またみんながざわついた。魔物には慣れているオレ達だったが魔人は初めてだったからだ。
「はい!はい!」
「はい。リオさん。」
「混乱しているみんなを代表して聞きますが魔人って何ですか?私達人類の敵じゃないんですか?」
「さっきも言いましたように魔素の淀みから魔物が生まれるように魔素から生まれたのが私達魔人です。ダンジョンでは冒険者を脅かしたりするから敵と言えば敵ですね。でも安心してください。今はアメリさんの従魔ですから。」
ジュンの答えでみんなの注目はオレに移った。
「うん。また従魔が一人増えちゃった。」
オレは頭をかいた。
「はい。」
みんながざわつく中エイミーが手を上げた。
「はい。エイミー。」
オレはエイミーを差した。
「ジュンさんはいくつ何ですか?」
オレもそれが聞きたかった。見た目はタメかちょっと年上かってところだけど。
「うーん。去年の今頃作られたらしいから一歳って所ですかね。」
「「「「「「「「一歳!」」」」」」」」
また場がざわついた。
「一歳なら一番年下って事ね。」
今まで一番年下で辛い思いをしていたのか先輩風を吹かせたいのかエイミーがにやりと笑った。
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