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第276話 絶体絶命、美少女戦隊降伏?

 



「ギャー!熱いー!」


「あっち!熱い!」


 被弾したオレとリオは熱さにもだえ苦しんだ。もだえ苦しみながらもなんとか地面の上に這い上がれた。


「ちょっと!熱いってだけ?魔法が当たったらちゃんと落ちなさいよ!二人とも!リアクション悪いわよ!」


「ふざけるな!こっちは命がかかってんだ!そんな都合の良い事ができるか!」


 オレは思わず激怒して言い返してしまった。


 ファイアーボールが当たれば確実にオレ達が手を離して落ちると思っていたからだろう、弓矢などの他の飛び道具を出されなかったのは幸いだった。とにかく無傷で穴の上に這い上がれた。そんな事よりもイサキ達だ。無事なのか。


「ちょっとー!殺す気?穴の底には槍がびっしりとあるじゃないの!」


 心配しなくても両手にアーリンとマームを抱きかかえたイサキが穴から飛び出た。大丈夫だったみたいだ。


「な!空を飛べるの?」


 イサキはこのダンジョンでも飛び回っていたがリリスはどうやら見てなかったみたいだ。


「ふん。私にはそんなせこい罠は効かないわよ!でもちょっとだけ危なかったわよ。マームなんて串刺しになっていたわよ。マームじゃなかったら死んでいたわよ。」


 イサキが威勢よく吠えたが、どうやらマームのほうは落っこちていたみたいだな。幽霊のマームじゃなかったら死んでいたって事か。落ちたのがアーリンのほうだったらと思うとぞっとする。これは完全にオレ達を殺しに来ているな。じゃあこっちも遠慮なく攻められるってもんだ。


「イサキ!二人を抱えてそのまま屋根の上に降ろして!マームとアーリンは上から魔法攻撃!狙うは敵の総大将リリスよ!」


「「「おう!」」」


 イサキが味方で良かった。天井があるからそんなに高くは飛べないと言っても、上空から攻撃できるのは大きい。地上での二次元的な戦いでオレ達だけが上空からも三次元的に攻撃ができるのだ。味方でガードされた敵の総大将のリリスに直接攻撃する事もできる。


「さてオレ達も追うぞ!」


「おう!」


 オレとリオは建物をよじ登り屋根伝いに大穴を迂回した。


「よし!このまま屋根の上を走って敵の最前列リリスの所に出て挟み撃ちにしよう!」


「おう!」


 雨の心配のないこの遺跡の屋根は平らでずっとつながっている。屋根の上も道みたいなものだ。


 屋根の上にもサンドパンサーが何匹も控えていたが下の本隊程大量にはいない。しかも建物が壁になってくれるので下から攻撃されることもなかった。オレとリオは襲い掛かるサンドパンサーを斬り伏せながらリリス軍団の最前列に追いついた。


 リリスは親衛隊と思わしき魔物を始め多くの魔物達に守られていたが、上空から高スピードで襲って来るイサキと屋根の上のアーリンとマームの3人の魔法で大混乱していた。これはチャンスだ。オレとリオの超サンダーで追い打ちをかけて一気に壊滅させるぞ。


「リオ!超サンダーだ!」


「オッケー!」


 リオに命令すると同時にオレも長い呪文を唱え始めた。


 *


 一方リリス側では次々と襲い掛かる魔法に大打撃を受け混乱の極みであった。幸いな事は兵のほとんどがリリスに絶対服従のファントムであり死ぬ事に平気だった事だ。そうでなかったらとっくにリリス軍は崩壊していたであろう。それくらいアーリン達の魔法は苛烈であった。


「くっ!まさか空を飛べる奴がいるなんて。落とし穴作戦で全滅のはずが。でもまだまだ奥の手があるわよ。」


 リリスは後ずさりしながらも魔法を防御していた。


「アメリ達二人も屋根の上に飛び移ってこちらに向かっております。」


 側近らしきファントムがリリスに告げた。


「屋根?あっ。走って来るのが見えるわね。そうよ。もっとこっちに来なさい。」


 側近に促されて前を注視したリリスがにたりと笑った。


 *


「喰らいやがれ!超サン・・・・」


 魔法の射程距離まで走りこんでオレとリオがまさに超サンダーを撃とうとした瞬間であった。突然目の前が暗くなった。この感覚はそうだ。サオリのワープだ。突然オレとリオはワープで飛ばされてしまった。どこへって?地下都市の上空、つまり天井だ。しかもさっきの大穴が真下に見える。つまりびっしりと並べられた槍の真上にだ。


「どう?今度はへばりつく縁は無くってよ。」


 どこからかリリスの声が聞こえた。おそらく見えない床の上にでも乗っているんだろう。オレ達は下に落ちる事がなかった。


「リオ!オレにつかまって!」


「ふん。何しようと無駄よ。じゃあさよなら。」


 リオがオレにへばりついた瞬間だった。突然床が抜けたようでオレとリオは落ち始めた。


「「きゃあー!」」


 思わずかわいい悲鳴をあげてオレ達二人は穴の中に落ちてしまった。


 *


「ふん。今度はちゃんと落ちたみたいね。さて厄介な二人がいなくなったところで次はあの空飛ぶ奴よ。イサキだったわね。弓隊、魔法部隊、イサキに向って撃てー!」


 いつの間にか弓を装備したファントムが何人もいた。加えて魔法部隊まで何人もいた。ほぼ無抵抗なリリス軍に油断しきっていたイサキは無防備にその上空に来てしまっていた。ファントムは少々の魔法を受けたぐらいでは死にはしない。その不死身をいかして魔法攻撃を耐えていたのだ。反撃できないのでなくてあえて反撃しなかったんだ。一瞬のチャンスにかけるために。


 無数の矢とファイアーボールが雨あられのようにイサキを襲った。空中で火だるまのはりねずみになったイサキは失速して落ちてしまった。地上に落ちたイサキは哀れにも滅多切りにされてしまった。


「さあ、これであんた達二人よ!残ったのは!降参しなさい!私も鬼じゃないんだから降伏したものまで殺しはしないわよ!」


 勝ちを確信したリリスは屋根の上に残ったアーリンとマームに降参勧告をしたが、あいにくと言うか幸いと言うかイーラム語の分からない二人は降参する気などさらさらなく魔法を撃ち続けていた。





 ************************



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