第250話 正統派美少女チーム
*アーリンサイト
「よし!美少女戦隊集合!」
男女はみんなを集めた。
「作戦会議かい?じゃあ俺達は先に行くからな。」
そう言ってアリ達砂漠の狼は階段を下りて行った。
「どうしたの?アメリ。」
砂漠の狼を目で追いながら黒髪が聞いた。
「ねえ。みんな。雑魚とのバトルはもう飽きてない?」
「それ、私も聞こうと思ってたのよ。」
脳筋が賛同した。
「私も幽霊はこりごりです。」
私は飽きたというよりも嫌なんだけど。
「えー。わたしもイサキもまだ戦ってないよ。」
「サオリ。なに言ってんの。だから溜まってるでしょ。ボスを倒してストレス発散でしょ?アメリ。」
黒髪と傲慢娘の黒髪チームはショッピングしかしていなかったらしい。傲慢娘は暴れたくてうずうずしているみたいだ。
「さすがイサキ。察しが良い。ボス部屋に直接乗り込もう。それで5人までしか入れないなら二人ずつで挑もう。」
と、男女が提案すると、
「それは良い考えね。じゃあボス部屋に着いた組からボスに挑戦ね。行くよ!アーリン!」
そう言って脳筋がボスの男女の意見も聞かずに私を引っ張って階段を下りて行った。
「え!ちょっとリオさん。アメリさんはまだ何か言いたそうだったけど。良いの?」
「良いのよ。どうせ相棒がイサキちゃん2号じゃ不安だからチーム替えしようかなんかでしょ。アメリの言いたい事は。それより急ぐよ。私達正統派王国美少女チームが一番乗りでボスを攻略するよ。」
「は、はい!」
あ、なんか良さげな武器屋が階段の下に。私も傲慢娘の持ってるみたいなかっこいい刀が欲しいんだけど。
「そこの武器屋・・・・」
「後にしな!」
案の定脳筋に即却下された。
急いだおかげで私達、正統派王国美少女チームが一番乗りでボス部屋に着いた。ボス部屋に入るといきなりシャッターが下りた。ここはショッピングなしでいきなり戦闘ってわけね。ボス部屋は事務所みたいね。机がいくつも並んでいて事務員みたいのが何人か仕事していたわ。
「omaera hutaridekurutoha nametennnoka?」
奥に座ったボスらしき男が何か吠えてるけど、イーラム語が分からないちゅうの。
「うるせえ!私達はイーラム語が分からないんだよ!ごちゃごちゃ言ってないで剣を抜いでかかって来いよ!」
脳筋姉さんが吠えた。
「naniwoitterukawakaranaikedodouyarasinitairasiina」
ボスがそう言うと机に向かって仕事をしていた男達が一斉に立ち上がった。その数はボスを含めて7人か。7対2か、ちょっとだけピンチだけど、バトルは数じゃないからね。
「先手必勝で行くよ!アーリン!サンダーソードはできるわね?」
「わ、わかりました!」
脳筋姉さんは7対2でチャンバラをする気だ。私はあわてて呪文を唱えた。
「「サンダーソード!」」
私達は剣を抜くと同時に剣に電気をまとわせた。
脳筋が縮地でボスの元に飛び込んだ。これが戦闘の合図になった。男達があわてて剣を抜こうとしたが今更遅い。まだ剣を抜けてない男を3人私は次々に斬り伏せた。4人目はさすがに剣を抜いていたがそんな遅い剣では私を斬れないよ。これも簡単に斬り伏せた。奥に目をやると脳筋がボスの大男と二人の男の計3人と対峙していた。さすがの脳筋姉さんでもボスは一刀両断にはできなかったみたいね。
「リオさん!助太刀します!」
「おう!じゃあ雑魚をお願い!こいつは私の獲物よ!」
「はい!」
私は答えるなり向って左の雑魚を斬り伏せた。これであと二人だ。
あ、ボスの口が光っている。魔法が来るな。
「kaennhousha !」
魔法を読んでいた私は楽々さがれたが脳筋はまともに喰らってしまった。
動きの止まった脳筋にチャンスとばかりボスと雑魚が一斉に斬りかかった。
「リオさん!」
私は思わず声をかけたが心配はいらなかった。脳筋は縮地で距離を取った。しかも斬りかかったはずの雑魚が倒れていた。距離を取るのみならず反撃したんだ。今の反撃は私でも目で追えなかった。さすがは脳筋姉さんだ。剣術の腕は男女と並び一級品だ。
「ふん!そんなチャチな炎がこのリオ様に通用すると思ってるの!でもめっちゃ熱かったぞ!」
脳筋でも熱い物は熱いんだ。
「今の攻撃で頭に来たわ!本物の炎攻撃と言う物を見せてやるよ!ファイアーボール!」
特大のファイアーボールがボスを襲った。ギャーと悲鳴をあげるボス!辛いのはわかるけど防御を忘れたらだめだよ。ボスさん。
「そして突きー!」
ほらとどめの突きが来た。ボスも光の球になって消えた。
「大丈夫ですか?リオさん。」
私はドロップ品の刀と魔石を拾いながら聞いた。
「大丈夫。大丈夫。アーリンのファイアーボールの方がよっぽど熱いよ。とにかく私にはへっぽこ魔法は効かないって事よ。」
「そうですよね。私も精進して魔法でリオさんを倒せるようにならないと(笑)」
「アーリン。あんた私にファイアーボールを当てる気満々じゃないの。」
「そうですよ。私の当面のライバルはリオ姉さんですからね。いつか黒焦げにしてあげますよ(笑)」
「ふん。ライバルにしていただいてうれしいけど、私のライバルはアメリだからね。悪いけどペテン師女は眼中にないのよ(笑)」
「なんですって!ペテン師女は眼中にないですって!もう頭に来た!今燃やしてやる!」
「ふん!やってみな!返り討ちにしてやる!」
私と脳筋がにらみ合っていると裏口の戸が開いた。
「どうやら勝負はお預けみたいですね。サオリさんとイサキさんが待ってるから出ますか?」
「うん。出ようか。」
私と脳筋が裏口から出ると他の4人が待っていた。
「どうだった?アーリン。」
「うん。ボス一人に雑魚が6人でした。ボスはちょっと手強いみたいですけど結局リオさんが一人で倒しましたよ。あ、そうそうボスは炎を吹きますから気をつけてください。」
「ありがとう。アーリン。」
私がボス部屋の様子を伝えると黒髪は傲慢娘にイーラム語で伝えていた。
そうこうしている内にシャッターが上がり始めた。ボス達はもう復活したのか早いな。
「頑張って!サオリさん!イサキさん!」
私は二人に声援を送った。
二人は緊張しているのか私の声援に無言で手をあげて答えると静かに部屋に入って行った。
二人が入ると例によってシャッターが下り始めた。
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