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第244話 アーシャ&サリーVS新脳筋コンビ

 



 私はアーリン。美少女戦隊一の魔法の使い手にして良識派の美少女よ。


 私達美少女戦隊と砂漠の狼の魔物退治対決は、私達美少女戦隊の圧勝だったみたいね。まあ当然ね。私達はFランクと言えど、本当の実力はスーパーAランクのパーティなんだもんね。Bランクの砂漠の狼なんか目じゃないわよ。一昨日きやがれってんだ。負けたら勝った方の子分になる約束だったのに、砂漠の狼のクソッタレどもがごね始めたわ。そんな勝手な事が許されると思ってんの。みんなぷんぷんよ。脳筋リオ傲慢娘イサキが暴れるのも無理はないわ。男女アメリが2対2の決闘で決着を付けようと提案したけど、最初からそうしておけば面倒がなかったのにね。冒険者って結局こぶしで語り合う脳筋野郎ばかりだからね。


 我が方は脳筋リオ傲慢娘イサキの新脳筋コンビね。対する砂漠の狼側はアーシャとサリーの女性コンビね。この二人の若い女子は何かと私達を挑発してきて新脳筋コンビともめていたもんね。美少女戦隊と砂漠の狼の勝負のけりを、もめていた4人で付けさすのは私も賛成だわ。


 さて勝負の方法だけど、武器なし魔法有のいつものパターンね。これで新脳筋コンビがいちゃもん女二人を圧倒して楽勝ねと思っていたら、アリがいちゃもん女二人の杖の使用を男女アメリに認めさせたわ。なんでも杖が無いと魔法を使えないとか言ったらしいけど、あの杖はただの棒じゃないのよ。剣や槍よりも恐ろしい凶器よ。炎や石つぶてを飛ばす凶悪な武器なのよ。これは丸腰対武器有りのハンデマッチじゃないの。分かっていたら止めさせたけど、イーラム語の分からない私の知らない内に決まってしまっていたわ。アリめ。大人しそうに見えてしたたかな奴。


 どうやら男女アメリが審判を務めるみたいね。脳筋リオ傲慢娘イサキ、アーシャとサリーの4人を集めて注意事項を言っているわ。脳筋リオ傲慢娘イサキ男女アメリの話を聞きつつも口を動かしているわね。これは開始早々に魔法を撃つ気満々ね。傲慢娘イサキの方は何をするつもりかわからないけど、脳筋リオはおおかたファイアー突きでもかまして一気に勝負を決めるつもりみたいね。でも、それは危険だわ。アーシャもサリーも無詠唱で魔法を撃てるのよ。というか、あの二つの杖は振るだけで火炎放射と連続石弾を撃てるのよ。開始早々に突っ込んだらアーシャとサリーの魔法の餌食よ。


「リオさん!ファイアー突きはダメ!二人の杖に気をつけて!」


「ちょっとアーリン!」


 思わず脳筋リオに声援じゃなくてアドバイスをしてしまったわ。下っ端のくせに。審判の男女アメリに思いっきり注意されたけど、それくらいは良いよね。だって二人は丸腰で圧倒的に不利なんだもん。


「それじゃあ始め!」


「火炎放射!」


「連続石弾!」


 私の危惧した通りアーシャとサリーの二人は速攻で魔法を撃って来たわ。私のアドバイスを受け入れた脳筋リオは縮地で距離を取って火炎放射と連続石弾を避けたみたいね。一方王国語の分からない傲慢娘イサキの方はまともに二人の魔法を受けたみたいね。地面に倒れると燃え始めたわ。


「おい!燃えているじゃないか。早く助けないと!」


 あわてたアリが救出に向かおうとしたら、


「選手に手を出したら砂漠の狼の負けにしますよ!」


 男女アメリが手を広げて制したわ。


「バカな!死んでも良いんか?」


 アリは男女アメリを殴り倒さんばかりの勢いだけど、もちろん傲慢娘イサキの技のからくりを知っている私達美少女戦隊はあわてたりしないわ。


 代わりにアーシャとサリーの二人はあわてたみたいね。助けるつもりか、無警戒で燃える傲慢娘イサキに駆けつけたわ。二人は案外良い奴かもね。


 先に駆けつけたアーシャが傲慢娘イサキに蹴り飛ばされたわ。ちょっといい気味ね。あわてたサリーが石弾の杖を振ったので傲慢娘イサキも深追いはせずに距離を取ったわ。一人倒してももう一人いるから追撃は難しいのね。2対2の戦いって奥が深いわ。


「な!今燃えてたのにどうなってるの?」


 アーシャをかばいながらサリーが聞いたわ。


「ふん!言うわけないだろ!自分らで考えな!」


 傲慢娘イサキがそう答えたけど、私も前もってイサキちゃん2号を見せてもらってなかったら気づかなかったかもしれないわ。それだけイサキちゃん2号は傲慢娘イサキにそっくりなのよ。


「イサキー!」


 脳筋リオがハンドサインで傲慢娘イサキに泉に入るように促しているわ。なるほど火が弱点の傲慢娘イサキに水に入らせる作戦ね。脳筋のくせに頭良いじゃないの。


 もちろん傲慢娘イサキは勢いよく水に飛び込んだわ。これで二人の炎と石は封じられたわね。当然二人も分かっているから陸の上の脳筋リオに向って行ったわ。二人がかりで脳筋リオを潰す作戦ね。


「私に対して背中を見せるなんてなめてるの?水鉄砲!」


 ノーマークの傲慢娘イサキが無警戒のサリーを後ろから撃ったわ。私も撃たれたから知ってるけどこの水鉄砲はただの水鉄砲じゃないのよね。人間の体なんか簡単に撃ち抜くのよね。足を撃たれたサリーはもんどりうって倒れたわ。


「サ、サリー!」


 動揺したアーシャが一瞬、脳筋リオから目線を切ったわ。


「隙あり!ファイアーボール!」


 脳筋リオの魔法をまともに受けてしまった。


「そして突きー!」


 そしてお約束の突きまで見事にくらったわ。かわいそうにアーシャは泉までぶっ飛ばされたわ。


 派手に水しぶきをあげたアーシャには当然傲慢娘が襲い掛かるわね。


「ま、まいった!俺達砂漠の狼の負けだ!もう勘弁してやってくれ!」


 なんと降参したのは砂漠の狼のリーダーのアリだったわ。もっともアーシャもサリーも半分のびてるから自分じゃ降参できないみたいだけど。


「リオとイサキの勝ちで良いって事ですね?」


「ああ。降参だ。子分でもなんでもしてくれ。」


 男女アメリの問いに答えるとアリはサリーの救助に向かった。


「アーリン!ハイヒール!」


「はい!」


 男女アメリに命令された私もサリーの元に向かった。


 砂漠の狼の回復係のサリーがやられては誰もサリーを回復できるものはいない。サリーのケガした足を押さえておろおろしているだけである。


「じゃま!どいて!」


 私が王国語で言ったけど、空気を読んだアリがサリーから離れた。血が派手に出ているけど、これくらいはたいしたケガじゃないわ。


「ハイヒール!」


 私の魔法一発で傷跡一つ残さずケガは治ったわ。


「「「おお!」」」


 みんなびっくりしてる所を見ると、回復魔法に関しては我々の方がどうやら上みたいね。


 アーシャの方も脳筋リオの渾身のファイアー突きを受けて気絶して溺れそうになっていたのを傲慢娘イサキに助けてもらっていてたわ。


 とにかくこれで完全決着ね。まあ、私としては5対5の団体戦でけりつけても良いけどね。私もまだ暴れ切ってないからね。やるならやってやんよ!




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