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第233話 イサキ加入

 



「ハイヒール!」


 サオリの呪文でイサキは目を覚ました。


「は!わ、私、気絶してたの?負けちゃったってわけね。でもどうして?雷魔法を使えるの?普通魔法は一人一系統しか使えないんじゃないの?」


「「え?」」


 なんでもジパンでの魔法と言う物は魔法を撃つ人の属性によって決まっていて水の属性のイサキは水の魔法しか撃てないと言う事だった。だから火の魔法を撃てる火の属性のオレが火の魔法以外を撃てるのはおかしいと言う事だった。オレ自身の属性何て考えたことも無かった。そう言えば火の魔法が得意かな、どちらかと言えば。オレは火の属性なのかも。しかし相反する水の魔法だって撃てる。なぜならオレ達の魔法に自身の属性は関係ない。いや、少しはあるのかな。オレ達の魔法は精霊に命令して精霊の力を借りて撃つ物だからだ。


「えっとー。たぶんイサキさんの魔法は自分の体内から魔力を絞りだしてるんだと思うけど、オレ達のは外にいる精霊に命令して精霊力を借りているんだ、と思うよ。オレの考えだけど。」


「え!そうなの。そしたらアメリ達に習えば私も水魔法以外を撃てるようになるって事?」


「ええ。たぶん。」


「やったー。すぐにでも仲間にならせて。」


 そう言って目をキラキラさせたイサキはオレの手を握ってきた。


「そう言えば私のイサキちゃん軍団はどうしたの?」


周りを見渡してイサキが聞いた。


「ああ。全滅したよ。」


「え!どうやって?」


「イサキさん。あなたと一緒よ。雷魔法を受けたのよ。」


 イサキの問いにサオリが代わって答えた。


「雷魔法って?アメリも一緒にいたんじゃないの?」


「そうよ。このバカは自分に向って雷を落としたのよ。」


「そしたらアメリも気絶していたんじゃないの?それで私を後から起こしてアメリの勝ちって言う事にしたんじゃないの?」


 イサキはそう言って今度は審判のサオリに詰め寄った。


「あー。それは絶対にないわ。その証拠にこの脳筋には魔法と言う物がほとんど効かないから。サンダガ!」


 そう言ってサオリはいきなりオレにサンダガを撃ってきやがった。


 いくら効かないと言っても全くってわけではない。ちゃんと効いてはいるんだ。ただ人よりもちょっとだけ効きにくいて事なんだ。だから当然のごとく、痛いし苦しい。


「サオリー!」


「ギャー!」


 オレは帯電した体でサオリに抱き付いて電気のおすそ分けをした。


「要するに我慢強いって事で良いんだね(笑)」


「そうだよ。イサキさんもすぐにこれくらいは耐えれるようになるよ。」


 感電したサオリが息も絶え絶えに答えた。




 *




「オレ達は今二人しかいないけど、祖国の王国では一応美少女戦隊ってパーティを組んでいるんですけど。」


「ああ。私もそれに入れって事?別に良いわよ。」


「え!でも年上の方がオレ達のパーティに入るの抵抗ないですか?」


「年上?年上ってあなた達いくつなの?」


「オレとサオリは14歳ですけど。」


「なんだ。同い年じゃないの。」


「「えー!」」


 イサキはどこからどう見ても二十歳以上に見えた。それでオレとサオリは自然に敬語で話していたんだが。


「ちょっとイサキさん。」


「イサキで良いよ。同い年だし。」


「じゃあ、イサキ。イサキはたった14でジパンで一二の冒険者になったの?」


「うん。自称だけど(笑)」


「イサキって天才?」


「うん。アメリに負けるまではそう自分でもそう思っていたよ。でもその私を負かすあんたはいったい何者なの?絶対に只者じゃないわね。」


「ああ。オレとサオリは神の使いなんだよ(笑)」


「真面目に話してるんだけど。」


「いや、それがあながち冗談でもないんだ。」


 そう言ってオレは女神様の事、オレとサオリのギフトの事を説明した。混乱を招くと思って異世界人であるのはとりあえず伏せておいたが。


「それって勇者様って事?あんた達は勇者様なの?」


 ジパンにも勇者伝説はあるのか。


「イサキの会いたがってたタロウさんが勇者様だよ。オレとサオリはただの冒険者。」


「だから只者じゃないって(笑)。そしたら凡人の私でもあんた達みたいに強くなれるかな?」


「ああ。それは大丈夫だろう。強さの目安の一つでレベルって物があって、イサキ、あんたは今LV40なんだけど、これは人類の限界値なんだよね。オレの能力でいろんな冒険者を見た限りでは。あんたは限界値を極めてるの。」


「それでどれだけ修行しても強くなれなくなったのか。じゃあ、私はもう出がらしのお茶じゃないの。」


「話は最期まで聞いて、オレのパーティの一員であるリオとセナはLV50近くあるよ。」


「LV50って事は私より強いの?」


「う、うん。たぶん強いと思う。」


「じゃあ、アメリ、あなたはいくつ?」


「60。」


「60って何それ?40の私が敵うわけないじゃない。ていうか。40が限界値って今言ったばかりだよね。おかしいじゃないの。」


「うん。おかしいね。たぶんこれも神様からもらった能力の一つなんだろうね。オレと組んだ人は人類の限界を突破できるみたいなんだよ。」


「じゃあ。私もアメリ達と組めばLV60になるのも夢じゃないって事ね。」


「まあ。そう言う事ね。」


「そしたらそのタロウと言う人より強くなれるかな?」


「ああ。ちなみにタロウさんはLV70だけど。」


「そ、そうなんだ。世界は広いって事ね。」


「あ、でも強さはLVだけじゃ決まらないから。実際うちのパーティのメンバーでLV30代でもオレと互角の魔法や剣の腕を持ってる者がいるからね。イサキ、あんただってオレと互角の勝負したじゃないの。」


「そ、そうだね。とにかくアメリとパーティを組めば強くなれるんだね。」


「そうだよ!オレと一緒に最強を目指そう!」


「おう!」


「二人で盛り上がってる所に水を差すみたいで申し訳ないんだけど、イサキは急いでどこかに向ってたんだよね?」


 サオリが会話に割り込んできた。


「あ、そうだ。私は冒険者ギルドに向ってたんだ。」


「え!オレとサオリもそこに向ってたんだよ。」


「じゃあ。一緒に行く?」


「うん。自己紹介しながらゆっくり歩いて行こう。」


 こうしてオレ達はお互いの事を話しながら冒険者ギルドまでの道を歩いた。イサキは若くして頂点を極めたためかちょっと生意気な所があるが、同い年の女の子である。すぐにオレ達は打ち解けた。




 *************************






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