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第192話 真空斬り

 



「ちょうど3対3だし、タイマン勝負と行こうじゃないか。」


「うん。アメリ。賛成だけど誰がオークエンペラーとやるの?」


「わたしは遠慮しとくわ。二人で決めて。」


「サオリは弱気だな。よし!リオ。じゃんけんで決めよう。」


「良いわよ。じゃあ。じゃんけん。」


 じゃんけんはリオが勝った。しかしオレ達の事情などお構いもなく2匹のオークロードが剣を振りかぶりながら突進してきた。


 ちっ。しかたない。オレはリオに向って来たオークロードの前に出るとその剣を剣で受け止めた。オークロードは2メートルをゆうに超える巨体だがオレの方が強いぜ。オレは剣でオークロードを押し返すと


「へい!大将リオ雑魚は引き受けたから、ボスを頼むぜ!」


「おう!まかしとけ!」


 オレの激を受けてリオが後方に構えるオークエンペラーに向って駆け出した。


 ハッキリ言ってオレ達はオークごときとなめていた。オークエンペラーでもリオ一人で楽勝だと思っていた。楽勝のはずが、簡単に斬り伏せるはずのリオが逆にオークロードの剣を受けて宙を舞っていた。


「リ、リオー!」


 オレはリオに駆け寄りハイヒールをかけた。不思議な事にリオはどこも出血していなかった。


「だ、大丈夫。斬られたわけじゃないから。でも気をつけて。あいつ(オークエンペラー)変な技を使うよ。」


「ああ。見てたよ。剣戟だね。ちょっと厄介だね。リオ一人だけじゃ荷が重そうね。」


 オレはリオをさがらせると代わりにオークエンペラーの前に躍り出た。


「これでも喰らえ!」


 アイテムボックスから出した革袋をオークエンペラーに投げつけた。オークエンペラーが剣を一閃すると剣が触れてもいないのに革袋が斬られた。


 やっぱりそうか。オークエンペラーは剣戟と同時に風魔法のウィンドカッターを撃っているんだ。頑丈なリオはウィンドカッターじゃ傷は受けなかったけどその代わりに吹き飛ばされたって事か。しかし種が分かった所で簡単に攻略とはいきそうもないな。オレはアイテムボックスから今度は盾を出した。オレはリオみたいに頑丈じゃないからね。乙女の柔肌に傷をつけられるのはごめんだぜ。


 盾を構えながらオークエンペラーに向って行った。オークエンペラーの剣が一閃されるとオレは衝撃で宙を舞った。良かった。盾を装備していて、体は無事だぜ。


「「アメリー!」」


 リオとサオリの声が同時にかかる。ありがとう心配してくれて。でもあんたらは目の前の敵に集中してくれ。


 オレは足から着地すると再びオークエンペラーに向って行った。今度は吹き飛ばされなかった代わりに足を斬られた。オレが膝をつくと同時にオークエンペラーはここがチャンスとばかりに斬りかかって来た。


「サンダービーム!」


 悪いな魔法を使えるのはお前だけじゃないぜ。サンダービームでオークエンペラーが怯んだすきに距離を取った。


 素早くハイヒールを唱え自分で自分を治療した。


 盾を構えてない所を狙う頭と技能を持っているのか。やばい。これは厄介だぜ。本気の本気を出さないとやられるぜ。


 オレはアイテムボックスから今度は瓶を取り出すとオークエンペラーの頭上高く投げつけた。


 オークエンペラーは剣を一閃した。放物線を描いてオークエンペラーに向って来た瓶は見事に砕け散った。


 しかしオレの投げた瓶は一本だけではなかった。もう一本の瓶がオークエンペラーに当たって砕け散った。そしてオークエンペラーが当たった瓶に気を取られている隙にさらに何本もの瓶が飛んできた。オークエンペラーはそれをことごとく斬って見せた。


「お見事。でもさすがにこれだけの瓶はウィンドカッターでは斬れないみたいね。それがどうしたって顔ね?残念ながらもうお前は詰んでいるんだよ。じゃあ。そろそろ行くよ。特大ファイアーボール!」


 オークエンペラーに特大のファイアーボールが襲う。オークエンペラーは剣を一閃してウィンドカッターでファイアーボールを斬ったが斬られたファイアーボールは二つに分かれオークエンペラーを襲った。オークエンペラーに着弾したファイアーボールは勢いよく燃えだした。そう瓶の中身は油だった。瓶をいくつも斬ったオークエンペラーは油まみれになっていたのだ。


「そして突きー!」


 炎に包まれ隙だらけになったオークエンペラーにオレは得意のファイアー突きを繰り出した。


「さすがオークエンペラーね。突き一発ぐらいじゃ死なないわね。じゃあ。面!胴!籠手!」


 炎に包まれ視界の悪くなったオークエンペラーはサンドバック状態だった。オレにタコ殴りされてさすがのオークエンペラーもこと切れた。


「お見事アメリ。」


「やったね。」


 すでにオークロードを倒していたサオリとリオはオレを褒めてくれた。


「ありがとう。」


 オレは二人とハイタッチをした。しかし勝利の余韻に浸っている暇はない。火の手はオレ達3人を飲み込もうとしていた。


「サオリ!脱出よ!アーリン達の助太刀に行くよ!」


「ラジャ!」


 オレとリオがサオリにしがみつくとサオリはオレ達を連れてワープした。




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