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第181話 美少女戦士たちの休日

 


 今日は久しぶりにキンリーの我が家に戻ってきていた。こんな言い方をしたら遠く離れた地からやっとの思いで帰って来たみたいだが、実際はサオリのワープで一瞬だった。今日はキンリーの冒険者ギルドに顔を出した後は完全にオフである。ちなみに冒険者ギルドに行く目的はアーリン達美少女戦隊2軍の昇格のためである。今日でめでたくD級になる予定である。個人的にはマームとエイミーも既にD級になっていたがチームとしての美少女戦隊2軍はまだE級のままだったからである。ちなみにオレ達美少女戦隊1軍がS級に昇格するにはポイントだけでなく各冒険者ギルド長の推薦がいるらしい。つまりはオレ達はS級のタロウ達絆に比べて冒険者ギルド長達をうならせるような実績が不足していると言う事だ。まあ、まだキンリーに来てから1か月も経っていないんだし、焦らずにやって行こうと思っている。


「今日はもうお休みだけどこの後みんなどうする?今日は完全オフの日だから、訓練と言うのは無しよ。」


 アーリン達2軍が無事D級冒険者に昇格したのを見届けた後に、オレは冒険者ギルドの外でみんなに聞いた。


「わたしはショッピングね。セナ、一緒に行こう。」


 サオリとセナのおしゃれさん達は着飾って町に出かけるみたいだった。


「私とエイミーも一緒に行って良いですか?」


「もちろんよ。おしゃれしてきてね。」


 アーリンとエイミーもおしゃれさんグループに加わった。


「私は、『リオ、あんたはオレと馬の遠駆けね。』


 オレはリオの言葉を遮って命令した。馬2頭は既にサオリのワープで家に連れ帰っていた。


「私もショッピングって答えようとしたのに、横暴だわ。でも馬にも乗りたいからアメリに乗ってあげる。」


「よし。オレとリオは馬で町の周りの視察ね。船長とマームは船で海上の視察をお願いするわ。」


「「はい。」」


「船?私も船に乗りたいかな。」


「リオ。あんた何言ってんのよ。せっかくオレが船長たちを二人っきりにしたのに。少しは空気を読みなさい。」


「え!二人はつきあってるの?」


「いや。わし達はそんな関係じゃ。」


「そうよ。私達はただのお友達よ。」


 エイハブとマームが揃って否定した。


「じゃあ、今からお付き合いしなさいよ。」


「そんな人から言われてするような事じゃないし。」


 オレの言葉にそう返しながらもマームは顔を真っ赤にしている。これはまんざらでもないな。


「そうね。付き合っちゃいなさいよ。お似合いよ。」


 リオも賛同してくれた。


「わしは恋愛とかそう言うのは苦手で。それにこんな姿になったのに今更。」


 エイハブはまだ煮え切らない事を言った。


「もうめんどくさいな。はっきり言うけど、二人は普通の人間との恋愛は無理でしょ。オレの使い魔になったのも何かの縁だから、そんな二人で付き合いなさいって言ってるの。」



「それは命令ですか?」


「ああ。命令よ。」


「命令じゃしかたないな。と、でも言うと思いましたか?いくらマスターの命令でもプライベートな事まで聞けませんよ。」


「じゃあ、嫌なのかい?」


「いや。嫌とは言ってませんよ。こう言う事は段階を踏まえてですな。」


 返す返すもめんどくさい奴。さすが頑固な明治男だ。


「じゃあ、改めて命令するよ。お友達として二人で仲を深めてきなさい。」


「はい。そう言う事なら、オッケーです。マームさん。一緒に釣りにでも行きますか?」


「はい。よろこんで。」


 やっと二人が一緒に遊びに行くのを了承した。オレもティマーとして一安心だぜ。決してオレに恋心を寄せているエイハブをマームに押し付けたわけじゃないから。純粋に二人はお似合いだと思ったからだ。


 そう言うわけでオレ達美少女戦隊は馬組のオレ達とショッピング組のサオリ達、釣り組のエイハブ達の3組に分かれて休日を楽しむことになった。


 馬組のオレとリオは着替える必要もないし、すぐに出発だ。オレが一郎に乗り、リオがフランソワーズに乗った。町中は二頭の馬をゆっくりと走らせ、門にまで来た。門番の兵士に冒険者の証明書である冒険者プレートを見せて門を出た。門の外は農地がずっと続いていた。


「それでどこに行くの?アメリ。」


「そうね。この道は地図によると海辺の村まで続いてるそうだから、海でも見に行くか。」


 リオの問いにオレは道の端を指さして答えた。


「オッケー。じゃあ、海まで競争ね。」


 そう言ってリオはフランソワーズを急に走り出させた。


「あっ。ちょっと。リオ。きたね。」


 そう言ってオレはリオをあわてて追った。全くリオは道も知らないのに後先考えずに突っ走って。まあ、一本道だから迷う事もないけど。


 道中抜いたり抜かれたりしながらあっという間に海辺の村オーリーにたどり着いた。


「へへーん。どうやら私の勝ちね。」


「なにがへへーんよ。リオ、オレはね。大事な一郎の事を思って手綱を緩めたのよ。無理させたらかわいそうでしょ。試合には負けたけど勝負には勝ったって所ね。」


「ふん。相変わらず負け惜しみがお上手だ事。」


「なにオー!」


「あのー。すみません。見たところお二人は冒険者じゃよね?」


 オレ達が馬に乗りながら口喧嘩していると、道端にいた年老いた村人が話しかけてきた。


「ええ。そうですけど。」


 オレが代表して答えると、


「実はのう、最近海に魔物が出るようになって困っておるのじゃよ。漁に出れないのでわしらはまんまの食い上げなんじゃ。頼みます。魔物を退治してもらえませんかの?」


 その老人が頭を下げて頼んできた。むう。今日は完全オフだから仕事したくないけど、オレは老人に頼まれると弱いんだよな。どうしようかなぁと迷ってると、


「わかりました。詳しくお話を聞かせてもらえますか?」


 即答かよ。さすがはリオさん。漢だね。報酬の絡みとかあるからなるべくなら冒険者ギルドを通さない仕事は避けたかったけど、困ってる人は助けないとね。仕方ないよね。


「おお。ありがとうございます。ここで立ち話もなんじゃからわしの家に来てもらえませんかの?」


 オレ達は老人(村長のマヒ)の家へと案内された。




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