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第18話 ワープ戦法の弱点

 「ワープゼロ式。」


 試合開始の合図とともにサオリが消えた。


 サオリが消えると同時に、オレは急いで回れ右をした。そして、目の前に現れたサオリに渾身の突きを決めた。


 再びサオリは気絶した。オレのヒールで目を覚ますと、


「もう一回お願いします。」


 サオリが再び土下座しようとした。


「今日の所はもう、やめよう。これ以上はケガしかねないわ。」


 オレは土下座を制して言った。


「何。勝ち逃げするの。」


 サオリは納得しない。


「サオリ、あなた、後ろにワープすると見せかけて今度は前にワープするんでしょ?」


「うっ。」


「どうやら、図星のようね。前に出てたら、またわたしの突きをくらってたわよ。だから、もうよそう。ワープは出現の瞬間にスキができるから、出る場所が相手にばれたら終わりよ。」


「ふん。前に出るとは限らないじゃない。」


「そうね。だけど、わたしみたいに相手に山を張られたら、二分の一の確率で負けるって事よね。」


「そんな、弱点があったなんて。」


「まあ。どんな凄い技でも返し技があるからね。」


 サオリはやっと再戦をあきらめてくれた。


「アメリ。凄い、良くあの攻撃を破れたわね。」


 メアリー師匠が褒めてくれた。


「ええ。ワープは縮地と違って、現れた瞬間にすぐ攻撃できないので、スキができますから。それで、わたしがやったみたいに山を張られたら二分の一の確率で負けてしまうんですよ。」


「そうなんだ。じゃあ、ワープを知らない相手にしか必殺にならないわね。」


「ええ、だから、サオリのワープは絶対に他の人に言わないでください。リオもよ。

 サオリの命に関わる秘密だから、他の人に知られたら、知った人はもちろんの事、教えた人も消さなくっちゃならなくなるので。」


「もちろん、言わないわよ。でも、アメリにわたしを消せるの?」


「ええ。消す力はあります。師匠にまだ見せてないギフトの力で。」


「おお、怖い事。でも、アメリはそんな冷徹な事ができる子じゃないよね。」


「まあ。そうですけど。」


 絶対の自信を持ってたワープ戦法が必殺じゃなかった事がわかり、サオリは呆然としていた。


「しかたないな。サオリ。良い事教えてあげる。敵の真上に現れて上から攻撃したら、確率は三分の二になるよ。」


「あっ。そうか。そうだよね。アメリ。ありがとう。」


「それに、物陰にワープして魔法で遠距離攻撃すれば、絶対に避けれないじゃん。」


「アメリ。天才。でも、敵のわたしにそんないろいろと教えて良いの?」


「敵って?わたしはサオリの事を一度だって敵と思った事ないよ。」


「ごめんなさい。強敵と書いて、ともと読むのよ。」


「北斗の〇かよ!まあ、良いわ。要するにライバルって事よね。あと、これから、ワープは人前で使ったらだめよ。見せてもいいのは仲間と殺す相手だけよ。二人には絶対に他言しないように言っといたから。」


「うん。わかった。」


 オレがサオリをなだめて今日の稽古は終わった。




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