表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/373

第161話 脳筋軍団

 


「それで、今日はなんでみんなこっちに来るんですか?」


 アーリンは霧の草原に来ると言う美少女戦隊1軍のメンバー4人を見ながら聞いた。


「うん。オレ達(美少女戦隊1軍)の所はボス部屋まで行っちゃったからね。とりあえず今日は休みみたいなもんだし。アーリン達も毎回毎回落とし穴のとこから始めてたら、永久に前に進めないでしょ。そこでサオリの投入よ。サオリがいれば今日進んだところから明日は始められるでしょ。」


 リーダーの男女アメリが代表して答えた。驚いた。ここよりはるかに難しいはずの迷宮をもう攻略したのかこの4人は。そして、行っては戻りを繰り返していたら永久に前に進めないってのは私も思ってた事だ。自分達の事だけでも大変なはずなのに私達の事まで考える余裕があるなんて。昨日の幽霊マームの事と言い、この男女アメリは何て凄いんだ。脳筋だなんて馬鹿にしていた自分がはずかしい。


「でもそれだったらサオリさん一人が来ればいいですよね?」


「そうだよね。アーリンもそう思うよね?」


「なに言ってんのよ。わたし一人だけ働かせる気?わたしが仕事するって事はアメリ達も当然働くって事よ。」


「というわけでオレ達おまけも強制参加ってわけさ。」


 黒髪サオリ以外の3人が手を前に出してとほほっと言うジェスチャーをした。


「そ、それじゃあ。戦闘とかどうするんですか?」


「あ、それは大丈夫。オレ達は離れて歩くからアーリン達の邪魔はしないよ。」


 邪魔をしないって、あんた達の存在自体が邪魔だわ。


「そんな。アメリさん達が後ろから付いてきたら私達緊張しちゃいますよ。」


「いやいや。オレ達はたまたま同じ方向に進む事になった見知らぬパーティだと思ってくれたらいいから。もちろん呼んでくれれば何時でも助っ人に駆けつけるけど。」


「わ、わかりました。」


 それから私は2軍のメンバーの前で今日の作戦を話した。


「みんな。今日はアメリさん達がいるから帰りの心配もないし初めからガンガン飛ばして行きましょう。マームさん。魔法全開よ。」


「わかったわ。ファイアーボールをばしばし撃ってやるわ。」


「わしも昨日アメリさんに習ったから撃ってみるわ。」


 いや。エイハブは普通に剣で斬って欲しいんですけど。


 そういうわけでエイハブ幽霊マーム、私の順番で歩き始めた。視界の悪い霧の草原だ。すぐにアメリ達4人の姿は見えなくなった。


「ウィンドストーム!」


 アメリの魔法の呪文が突然聞こえた。するとまるで嵐のような突風が吹いた。風が収まった後には辺り一面を覆っていた霧が消し飛んでしまった。一瞬で迷宮がただの草原になってしまった。な、なんてでたらめな。風で霧を吹き飛ばす発想は私にもある。けれどこれだけの風を起こすにはどれだけの魔力がいる事やら、思っていてもできない事である。それをこんな簡単に成し遂げるとは。さすが男女アメリ私が目標とする冒険者だけの事はある。


「あそこに2匹猪ビッグボアがいますな。」


 そう言うと剣を抜いたエイハブ幽霊マームが走り出した。ちょっと待ってよ。二匹固まってるし、見通しも良いし、これは魔法での先制攻撃のチャンスじゃないのよ。それを剣を抜いて大声で喚き散らしながら走って近づくってどういう事。あんたらは脳筋リオか。案の定気づいたビッグボア二匹がエイハブ幽霊マームめがけて突進してきた。


「「ファイアーボール!そして突きー!」」


 おいおいダブルファイアー突きですか。仲のよろしい事で。


 後ろを振り返ると脳筋リオが一人で3匹のレッドボアを相手にしていた。あんたらも魔法を使おうよ。後の3人は座ってるし、魔物なめすぎ。


 なんか私も慎重にやってるのが馬鹿らしくなったわ。次の魔物のエンカウントの時は私も負けずに突っ込んでいくわ。もちろん大声でファイアーボールの呪文を唱えながらね。




 ****************************************





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ