第15話 ボアロード
ボアロードの体当たりをまともに受けてしまったオレは何メートルも吹き飛ばされた。目の前がかすんできた。やばい。
「サ、サオリ!」
オレが力なく叫ぶと。
「オッケー。まかして。アメリはしばらく休んでて。」
サオリがボアロードの背後からファイアーボールと突きの二段攻撃をかました。ボアロードはそれくらいではしずまなかったがダメージは与えられたみたいだった。ボアロードは怒ってサオリに突進したが、それよりも早くサオリがワープでこっちに戻ってきた。
「アメリ。大丈夫?」
「うん。大丈夫だけど、膝に来てるわ。ノックアウト一歩手前ね。ちょっと休まして。」
「わかった。」「ワープ。ゼロ式。」
体制を立て直してこちらに向き直ったボアロードの背後をサオリが再びとった。
「ファイアーボール。」「ファイアーボール。」「ファイアーボール。」
ファイアーボールの三連打がボアロードを背後から襲った。ボアロードが後ろを振り返った時にはサオリはワープですでに離脱していた。
「ファイアーボール。」
そのすきを逃さずにオレもファイアーボールを撃った。体はがくがくだったが魔法は撃てたのだ。
オレのファイアーボールが止めになってボアロードが沈んだ。
「や、やったー。」
オレは安心して気絶してしまった。
「ヒール。」
サオリの回復魔法で目を覚ました。
「アメリ。大丈夫?」
「もう、だめです。」
「うん。大丈夫ね。」
「ちょっとお。本当に大丈夫じゃないって。体は魔法で回復できても、揺らされた脳みそはしばらくもとに戻らないわよ。」
「え?そうなの?」
「うん。気持ち悪いです。ちょっと足がふらつきます。」
「わかった。魔物を回収したら外に戻ろう。今日はここまでね。」
オレ達は入り口近くにワープした。そこから歩いて何食わぬ顔をしてダンジョンを出た。冒険者ギルドに寄ってから甘味処に行った。
****************************************




