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第103話 リオVSゾンビ剣士ロン

登場人物紹介


・アメリ 主人公、体は女心は男よりの女。まさに性同一障害。


・リオ  力も魔法も超一流。ただし頭は三流。


・サオリ チート技の持ち主。こっちが主人公?


・セナ  賢者のはずが剣を鍛えさせられた魔剣士。


・ロン ゾンビ剣士。元名のある剣士。


 


 対峙するリオとゾンビ剣士ロンの間には何もなかった。二人を捌く審判すらいなかった。当たり前である。決闘だから。よって試合開始の合図もない。


 ゆっくりと歩いていたリオが突然叫ぶ。


「ファイガボール!そして突きー!」


 ファイアーボールの上位魔法であるファイガボールを無詠唱で撃ち、同時に突きをたたきこむリオの必殺技が、いきなりの試合開始の合図になった。そして試合終了の合図にも思えた。完全に虚を突かれたロンは喉元にリオの必殺剣を受けた。喉が串刺しになる凄惨な姿でロンの動きは止まった。勝を確信したリオも動きを止めた。


「バ、バカ!リオ!まだ!」


 オレは叫んだが、一瞬遅く、リオが蹴り飛ばされた。


 リオが剣を離さなかったため、ロンの首から剣が抜けた。


 しりもちをついたリオをロンの剣が襲う。


 カキーーン!


 しりもちをつきながらもリオが剣で受けた。パワーファイター同士のつばぜり合いだが、圧倒的にリオの体勢が悪い。このままではリオがやられると誰もが思った時。


「サンダー!」


 リオが全身に電気を流した。電気はリオの体からリオの剣を流れ、つばぜり合いをしているロンの剣にも流れた。そしてそれを握るロンの体にも当然流れた。


「ギャー!」


 不死身のゾンビ剣士と言えど、魔法がまったく効かないわけではない。それなりのダメージは受ける。ロンが思わずのけぞった。その隙にリオは立ち上がった。


「完全に喉を突いたのに死なないなんて、本当に不死身なんだ。」


 距離を取りながらリオが独り言ちる。


「ああ、おかげさまで負ける気がしねえな。」


 リオの独り言にロンが返した。


「リオー!首を落とすか、丸焼けにしないと死なないよ!」


 オレは大声でリオにアドバイスを送った。一対一の正当な対決に助言は卑怯かもしれないが、向こうは不死身なんだこれくらいは許してもらいたい。


「わかった!」


 リオは返事をすると呪文を唱え始めた。


「させるか!」


 魔法を阻止すべくロンがリオに切り込んだ。ロンの剣をリオは華麗に受け流した。剣を受け流しながらもリオは呪文の詠唱を止めない。なんどか切り結んだあと、リオが縮地で距離を取ったため、二人の間に間ができた。


「よかろう。撃ってこい!」


 ロンがリオを挑発した。


「じゃあ、遠慮なく。ファイガボール!」


 特大の火の玉が至近距離でロンを襲った。これだけの至近距離で特大の火の玉が来ればいくら達人でも避けれない。


「そして突きー!」


 リオの追撃に備えて喉をガードしたロンの左腕が切り飛ばされた。


「そして突き!突き!」


 ついには右腕も切り飛ばされた。


 剣を持った腕を両方とも切り落とされて丸腰になったロンの首をリオは切り落とした。ロンは光の球になって消えた。後には大きな魔石を残して。


「見事だ。二本めの突きは刃を水平にしてしかも剣を引くときに横に引いたな。」


 ゲランが手を叩きながらリオを賞賛した。しかしあの一瞬でリオの技を完全に見抜くとは、オレはゲランの底知れぬ実力を思い知らされた。


「仲間がやられたのに、ずいぶんと余裕ね。」


「まあ、わしらはダンジョンの魔物だから、じきに復活するからの。死ぬのは全然怖くないんじゃよ。」


 オレの皮肉に笑って返したゲラン。こいつらはほぼ不死身の上に復活までするんだ。何というチートな存在なんだ。オレ達の命がけの勝負はこいつらにとってはただの暇つぶしか。


 だんだん腹が立ってきた。


「おまえらと違ってこちらは簡単に死ぬし、復活もできないんだ。必死の力と言う物を見せてやろうじゃないか。」


 オレはゲランに切りかかろうとした。


「待って!ゲラン対アメリは最後の楽しみよ。その前にわたしの出番よ。」


 セナがオレを制して前に出た。リオとロンの戦いを見て、珍しくセナが燃えていた。


「さあ、美少女戦隊一の美女のセナ様が相手をしてやるわ。そっちの死にぞこない軍団は誰が相手してくれるのかしら。」


 セナがゾンビ剣士を挑発した。




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