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あれ、なんか国間違ってない?
我が生涯に一片の悔いなし。
俺はただ、そうでいられたかった。
今までそうしてきて、これからもそうしていくように、悔いを残さず、真っ直ぐ行きたかった。
実際、俺は悔しいこととか、やり直せばいいと思ったこととか一つとしてもないつもりだ。
けれども、あの日、俺は知ってしまった。俺の人生は最初から間違っていることを。
それは初めて京都に遊びに行ったときのこと。
悔しさや絶望、そして人の力ではどうにもならない無力感が、一気に襲って来て、危うくその場で気絶するくらいだった。
事件自体はいたって普通な出来事、ただ制服姿の可愛い女子高生を見かけただけ。
しかし可愛い女子高生を見ると、ああこの子可愛いなぁより、あれ、なんか俺、一生日本の高校生として女子高生鑑賞ができないではっていう考えのほうがよっぽど強い。
そう、俺は今年二十歳の男子大学生。
そして、日本人じゃないんだ。
わが生涯一片の悔いなし?
ご冗談。
最初から、国が間違っているじゃねぇか!生まれたとこぐらいちゃんと選べよ俺!