4月 入学式8
「………」
予想以上に長かった入学式を終え、とりあえずあくびをつく卍里。どこからか取り出したのかキャンディーをくわえている。
周りは彼女が通るたびにがやがやと騒ぎだす。おおよそ今朝のヘリ騒動だと思われる。
卍里はそんなことを気にも留めず上の空で歩いていた。
が、そこにもうダッシュで向かってくる男が一人。
「ばぁーーんっっりちゃぁあーーーーーんっ」
「琴吹…」
後ろから重い衝撃。いきなりだきつかれて倒れそうなのをなんとかこらえながら問う。
「…琴吹……重いの…どいて」
「えーそんなこと言わない言わなぁーいっっ、ちゃんとお話あってきたんだしさあ」
「お話…?」
いぶかしげに卍里は繰り返す。そうそう、と笑う彼を見て怪しく感じる卍里。なぜならいつも琴吹円のお話というのはだいたいどうでもいいことにかぎっているから。ゲーセンとか、昨日のご飯とか、卍里とか、卍里とか……。
「なんか考えてること予想つくけどさー今回はちげえよ??」
円は今にも逃げ出しそうな卍里の両肩をがしっっとつかまえて言う。
「オレさー生徒会入ってるんだけどさー、卍里ちゃんも入んない?」
「…それはさっき生徒会長のまこっておんなのこが行ってたや「入るっしょ?入るよね?よし、OK!放課後生徒会室で待ってるねーっばいばい卍里ちゃーんっっっ」あ…琴ぶ………行っちゃった」
有無も言わさず一気に円はまくし立てた後疾風のごとく廊下をかけていった。
「…………せーとかい…」




