4月 入学式5
ババババババ…
霧ノ森学園遥か上空を何故か飛行している機体、そう…ヘリコプターである。ご丁寧に霧ノ森というロゴまで入っている。
「ちょっ、なにあれ!?」「ヘリッ!?うっわすげえぇ!」
登校する生徒たちが驚きの声を上げ空を仰ぐ。
その視線の集まったヘリコプターの乗り込み口から整った無表情で真下を見下している女の子。前髪ぱっつんのやわらかい茶髪をサイドで二つのおだんごにしている。
爆風のせいでバタバタとゆれる女子ネクタイは深緑。一年生らしい。
「琴吹…きてるかな…?」
彼女の名前は霧ノ森 卍里。
そう、霧ノ森学園理事長の孫娘である。あんまり気高くは見えないが…。
卍里はスカートのポケットから薄ピンクのケータイをとり出すと電話帳の「こ」を開いた。
「……じゃ…田川、いってくるね…」
「行ってらっしゃいませ、お嬢様」
カコカコカコ……ピルルルル…
ピルr「おっはよーっすぅ、卍里ちゃぁん!入学おめでとッ」
「おはよう琴吹。今どこ…?」
「んー?今ー?…校門前かな」
通話相手は真下の男子生徒、琴吹円。チャラいにしてはめずらしい真っ黒のツーブロに、時折キラッと光る赤い小さなピアス。長めの方の前髪はヘアピンでとめてある。
青いネクタイも、腰パン(なんか左だけまくってある)も飛び向けて目立つ。
二人はみわくの関係…………つまりすっぱいいなのである。
「オレずっと卍里ちゃんの制服みたいなーって思「私…今から落ちるから…拾ってね…?」エエェェッッ!?!?えっちょ、イヤッ卍…」
卍里は円の言葉を遮って一方的に電話を切ると…
一瞬の躊躇いもなく機体から飛び降りた。
ひゅるるるる…
まさかの展開。こんなギャグ的なこと起こっていいのだろうかいやいいんです。
とりあえずホントに空から落下してくる卍里を見つけると円はラブコメ風に卍里をだきとめた。ギリギリで。
「ありがとう…」
「はぁ…パンツ見えなかったし……」
「……………見る?」
「や、ダメ。じょうだん!冗談だっていやホント!!裾持つなぁぁぁあ!」
二人共時間とか気にしないのだろうか。




