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理解できない日常6

「いらっしゃい、(かなで)ちゃん」

「こんにちは~」

 店員さんとは随分と親しいらしく、当然のように入店した彼は当然のように挨拶を返していた。店員さんの奏ちゃんという呼び方を聞いて、そういえば彼がこういう恰好をしているときは奏斗ではなくて奏だったっけ、と彼の設定を思い出していた。

「あら、お友達?」

「そうなんです。本当は先週一緒に出かけるはずだったんだけど、私の学校で講習会することになっちゃって。友達に誘われて断れなかったんですよぉ」

 その喋り方、語尾の伸ばし方、喋るときの仕草…。全部が女の子で、通常では異端なはずの彼がまるで正当であるみたいだった。そしてまるで私が要らないみたいに。

「つい話し込んじゃった。今日は幸に一緒に選んでもらうつもりで来たのに」

 てへっ、という言葉が似合うような言い方をした後、奏斗は私の手をひいて店の奥へ歩き出した。

「幸が本当に似合うって思ったときだけ似合うって言ってね?」

 奏斗の弾んだ声に頷いて、私は所狭しと並ぶ服の中から、彼の雰囲気に合うような服を探し始めた。

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