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理解できない日常
5/20こちらの前書きを増やしました
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【女装】【幼馴染】
私には奏斗という名前の幼馴染がいる。頭が良くて活発で、人気者の男子…のはずだった。
「よう幸ー」
数日ぶりに見た彼の姿に、私は驚愕した。
「お邪魔しまーす。なんか無いの? 喉渇いた」
「………れ、冷蔵庫」
「おうよ」
たどたどしく答えた私を放っておいて、彼はさっさとキッチンへと向かっていった。今のは誰だったのだろう。その言葉だけが頭を駆け巡って、私は玄関に立ち尽くしていた。
「幸? なにやってんだ?」
一向に居間に現れない私を不思議に思ったのか、奏斗が玄関に戻ってきた。私は恐る恐る振り返った。さっきのは何かの見間違いで、きっといつもの奏斗がいると信じて。
「どうした、幸? 具合悪いのか?」
心配そうに私を見つめる彼は、私の望んでいた彼ではなくて、私は頭の中を占めるたった一言を言わないように言わないようにと押し込めようとした。けれど意識に反してそれはみるみる内に膨らんで、ついにそれは口をついて出てきてしまった。
「なんでスカートなの?」