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勅命強制悪党主人公スカルダー  作者: 桃井ルルール
2/10

2『夢見るスカルダー』

「おいっ、魔法バカっ、何寝てんだよ、ドラゴンだ、黒いドラゴンだ。王都で転げ回っている、早く何とかしろ、城の方へと近づいているんだぞ」


「今日は一段と面白くない。都市部や砂漠で転げまわるのは幼体の証。竜の里からはもっとも離れている我が国まで来て転げ回るなどありえない。ましてや黒竜が幼体で発見されるなど笑止」


「外を見ろっそっちじゃない、早く来い」


「鼻垂れデブ殿下が偉そうに、わたしは王宮魔導士だぞ。私がいなければこの国などとうに終わっているというのに」


「何を転げ回っているのだ近衛兵たちは、無様だな」


「あれだ、あれを何とかしろっ、僕は逃げる」


「はぁー、全く最近あのデブッドゥワアアアアアア 、ド、ドラゴンではないかっ、幼体でもこの、王都が潰れている。あわわわわわわ、なんじゃぁ」


漏らしていた。体が恐怖で硬直しているのに、前からも後ろからも排せつ物がもれだしていた。近衛兵達はまだましなほうだった。


「よし、よーしっ、もう恥も外聞もねぇ、上等だ窓を開けろベランダに出るっ」もはやこの場には誰もいなかった。自分でベランダを開け放ち外の空気を吸い込んで吠えるっ。


「焔ぁ」


黒竜の幼体は転がるのを一度やめると、その大きくも激しく迫ってくる焔を吸い込んだ。そしてお返しとばかりに短くだが大きく、


「ぐあっ」


そう吠えた。吠えたと同時に宮廷魔導士後方の玉座近くまで飛ばされた。本人は衝撃波がかすって行った事には気づかず、直撃を食らったと思っていた。


「おのれーーーーー、吹雪ーーーっ」


今度はドラゴンは直撃を受け止め王都のとある一角が凍り付いた事に喜び激しく転がりまくる。嬉しそうにじゃれあった後は大きく吠えて帰って行った。


「で、でかした―――――っ、さすがは宮廷魔導士だ。でも臭いからよるな」


それからというもの最初の一月は城下へと出て行っては竜の残滓を探し、研究しを繰り返したがそれ以降は宮廷に引きこもり、竜の姿や大きさあるいはどんな魔法が効いていてどんな魔法が効かなかったのかを選別し王都から郊外へと実験しに行ったりとアグレッシブに魔法を楽しんでいた。実際は何一つとして効いた魔法はなかったなど知る由もなく。その研究は長いこと続いた。


「おい、役立たずのくそったれ、本日付で宮廷魔導士は5人体制とし、貴様は宮廷5位魔導士となる」


「お前誰だ、宮廷魔導士は私一人いれば十分だ」


「貴様、忘れたか、私は王になったのだぞ、2年前に」


「知らん、ん…お前、鼻たれデブ殿下か?でかいデブになったな」


「部屋を移れ、ここは新たな筆頭魔導士が使用する」


「トイレが近くにあるとなおよい」本音であった。


「す、素直だな」


「研究が続けられれば良い」


トイレ横の掃除道具置き場が20年前の黒竜撃退貢献者に与えられた部屋だった。


さらに時がたち、


「おいっ、おまえっ」


「ん?なんだ鼻垂れデブ殿下ではないか、ん、鼻垂れデブ殿下は大きくなっていたような気がするが、どうした」


「貴様は解雇された。これまでの働きに対して給金は出そう。城から出ていけ」


それはそれで受け入れてしまう宮廷魔導士だった。


「おおお、この湖畔はいいな林の中に家を建ててこの湖畔の西に広がる地を実験場にしよう。御者、ここに家を2軒立てるよう 王宮に要請しろ。それと飯係が必要だ。男でも女でも家族でも何でもいい金なら出す」


そうやって研究室と名付けた小屋にこもる日々が続いた。そうかと思えば次は小屋の外へと出て、ずーっと外で空を見上げていたり、ずーっと地面を眺めたり、湖を見つめたりする毎日を春夏秋冬何度も続けた。


 ある雨の日に彼は稲妻を見た。それは大木を直撃した。これだと思ったのだろう。それからは稲妻の研究に従事した。原理は全く違うが似た現象を引き起こす事に成功した。一気に体中の魔力を使い果たしたのだろう。その場で倒れた。気が付いた時には、もお愛いしいていたあ。ちがう、家の中であった。一度も会話をしたこともない老夫婦が安心していた。温かいスープに映る自分の顔は彼らよりも年老いて見えた。礼を言いよろめきながらそれほど離れていない研究所でぐっすりと眠った。


そうして小雨が降るその日はやってきた。2倍ほどに大きく成長した黒竜が湖畔の開けた場所で老人を待っていた。黒竜がこの日ここに来るまでは、里に近いところから2つの国が滅んでいて、そこは黒竜の庭と呼ばれるようになっていた。そして今日は唯一自分と遊んでくれた国の王都を破壊し、国中を壊しまくって都合3国を滅ぼした邪竜と呼ばれるようになる。


「ハハハハハッ久しいな黒竜会いたかったぞ」足が震えているのは気のせいだ。


「グワオオオン」開幕一発目はあの日の衝撃波だった。それを「壁」と叫び土属性と風属性の混合魔法で防ぐはずだったが、この日は直撃だったためにこれぞ魔導とばかりの混合魔法事吹き飛ばされた。が、この老人のどこにそれだけのエネルギーがあったのか、即座に泥まみれで起き上がりながら純魔法やその組み合わせの魔導、そして長年の研究によって完成させた数々の魔導を叩き続ける。


いくつかのダメージを受けながらもどこか喜んでいるような雰囲気の黒竜。黒竜の攻撃はいくつかの魔法で和らげてから受けるようにして、一見対等に戦っているようにも見える。そしてまるでこの日のために準備して来たとでも言う様に、数々の国で練習を重ねてきた重力を伴うブレスを放つ。老人の体は射線を躱したかのようであったが、右足が圧縮されたかのように潰れていた。その時老人はカウンターで「稲妻みたいなっっドーン」と叫んでいたことが功をなす。稲妻もどきは重力に引かれたのか黒竜に直撃した。大きくえぐられたかのようであった湖畔の広原には湖の大部分が流れ込んできた。2者ともに気を失っていた。その後その国の跡地は魔の森に吸収されるように魔の森特有の木が繁殖しまくっていった。


「ああ、あれからどれくらいたったのだろう」元宮廷魔導士で元老人で元スケルトンで前リッチロードのスカルボーグは101階層分の地下から穴の開いたダンジョンの上空を見続けていた。


「あの小さな黒は夜だろうな。随分と久しいではないか」それも二日すぎ三日たつ頃には穴はふさがっていき空は見えなくなってすぐ上から聞こえていた何かを作っているだろう音もやんでいた。


「ん?私はずーっと勘違いしていたのか?見える、聞こえる、しゃべれる。すべてが核だったのか?」


ならば動けるのではないだろうか。そう、思いついたら即実行がこの者の研究者魂を揺さぶる。


結論、右のつや消し黒の骨半身は魔力が通った。そんな風には見えないがオリハルコンを材質にしたはずだった事が、この骨部分を己の半身と考えると腑に落ちた。まだぎこちないが動く。それに比べて左半身はあのお方達のように、魔素が逃げるという感覚はないが動かせない。自分達の知らない何かの働きに違いない。核のコーティングは手を使わずに6感で行われ2号さんがセットしたため蛍光オレンジの美しさが映える。それと本人も気づいていないが、目の奥に小さな光が宿っていた。


「上にいた骨ドラゴンはお前の相棒なんだろ?お前と同じオリハルコンハートにしてきた。あーそれとメカドラゴンになってしまった。下手するとお前より強いかもよ、なんせお前は2号さんに瞬殺されたからな。2号さんの強さをお手本にすればいい。あれ、お前、その目はどうした?なんか光ってるぞ。まぁいいや、そういう事もあるんだろう。ちょっと森の奥にでも行ってくるからよ動けるように頑張れ。勅命悪党戦士スカルダーの第1話には呼べよ、しっかりと見学するからな、じゃぁな」


呼べよって言っても、叫べばいいのか?などと動かすことを実行しようとしていたのに別のことを妙な角度から考えだしたスカルダーであった。


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