0009-強敵
喋り方が見た目と合ってないと言われ、ルーレットで合いそうな喋り方を決めた結果、語尾がのじゃになってしまった。
「見た目ロリで語尾がのじゃ、それだけ見れば別に特段おかしくはないと思うけど、中身が成人男性だと考えると…キツイのじゃ」
[草草草]
[見た目にぴったり!]
どうしてこうなった……俺は普通にゲームをする予定だったのに、気がつけば魔法使い(物理)系のじゃロリに…
「ちなみにこれはいつまでやればいい……のじゃ?」
[ずっと]
[いつまでもだろ]
「人と話すときとか、NPCあいての場合もなのじゃ?」
[もちろん]
[独り言も全部つけてね]
終わった…キツすぎる。
「気を取り直して、ゴブリン狩りの続きにいくのじゃ…」
多分きっとそのうち慣れるだろう、慣れてもらわないと困る。
「さっきのゴブリンたちで試し切りはできたから次からは集団相手でも戦いを仕掛けてくのじゃ」
[さっきは完勝だったしね]
[全部急所に入れてた]
体感、さっきぐらいの数なら楽に倒せそうな感じがする、なんならもうちょいいてもいけると思う。
「とりあえず、森の中を走り回って敵を探すのじゃ!」
さっきは音とか立てないようにゆっくり探していたから時間がかかったが、ゴブリンなんて探せばすぐに出てくるはずだ。
予想通り、1分ほどで2匹のゴブリンを見つけた。
「とおっ!なのじゃ」
まずは挨拶がわりに一閃、一体の首を掻き切る、そしてそのままもう1匹に攻撃を仕掛ける。
流石のゴブリンも反撃しようと剣を振り下ろす、だが俺の方が速い、剣を避けるように反対側は回り込み、後ろから一突き。
ゴブリン を2匹倒した!
獲得経験値12
獲得ゴールド100
素材ゴブリン剣×1
これで獲得経験値は25/80
ゴールドは520
「ゴブリン2匹なんて瞬殺だ……のじゃ」
[本当に瞬殺だな]
[今の5秒切ってたろ]
どれぐらいステータスがあればあのゴブリンキングにダメージを入れられるかわからないので、できるだけレベルは上げておきたい。
「とりあえず後一レベルはあげたいですね…のじ」
[あまりにも不自然な語尾w]
[ワンテンポ遅れてる]
意識してても普通に忘れそうだ…ちゃんとしなくては。
「しばらくは多めに見てくださいのじゃ」
[慣れるまでは仕方ないか?]
[くださいのじゃってなんか変だな]
[しょうがない]
「ありがたいのじゃ」
はぁ…気を取り直してゴブリン狩りの続きといこう、心なしか先ほどよりも暗くなってきた気がするし、きっと夜が近い、急がないと。
「できるだけ死なないようにしたいから、夜には街にかえるのじゃ」
俺は夜になる前にできるだけゴブリンを倒すため、全力で森の中を走り回った。
「いた!しかも大量にいるのじゃ」
見つけたのは8匹ほどの集団、だが1匹だけ他のゴブリンとは見た目が違うやつがいた。
なんか、他のやつよりちょっとでかいのと、盾を持っている、リーダー的な感じなのか?
「あれ、経験値多かったりするのかな?のじゃ」
強そうだし、まずは周りの取り巻きを倒しておこう。
先頭にリーダー(仮)その後ろに3匹のゴブリンがいて、少し離れて2匹、最後尾にも2匹いる、最後尾のゴブリンから片付けていきたい。
「2匹なら3秒で十分じゃ」
前のゴブリンたちに気づかれないようにゆっくり近づいて、最後尾のゴブリンの首を切る。
最後尾にはもう1匹いるので、素早く2匹目にも攻撃をする。
「まずは、2匹撃破なのじゃ」
無事前のゴブリンたちに気づかれずに2匹を倒せた、この調子で真ん中の2匹もサクッと倒す。
「あとは一番前の盾持ちとノーマルが3匹か…いけるかな?」
[魔法使いじゃなくて暗殺者だろこれ]
[不意打ち強ぇぇ]
前の4匹は固まっていて、これ以上ゴブリンの数を減らすのは厳しそうだ、もうこのまま行ってしまおう。
いつでもスキルを発動できるように準備しながら先頭集団に近づいていく。
まずは一番後ろのゴブリンの首を切りつける、その勢いのままもう1匹切りつけようとしたところで、盾持ちが反応してきた。
「うおっ」
次のゴブリンの首に短剣を叩き込む寸前で、盾持ちに阻止されてしまった、しかも、短剣を弾かれたせいで大きな隙ができてしまう。
そこを狙ってゴブリンが剣を振ってくる、普通には避けられなさそうなのでスキルを使う。
「クイックステップ!」
普通のゴブリンの攻撃を避け、カウンターで首に短剣を叩き込む、これで普通のゴブリンが残り1匹、盾持ちと合わせて2匹。
残りMPは24、あと4回スキルが使える。
「危ねぇ、まさか弾かれるなんて思わなかった……のじゃ」
[不意打ち阻止された!]
[こいつ、強くね?]
最後のノーマルゴブリンは馬鹿なのか普通に突っ込んできたので、サクッと首を刎ねておく。
「これであとは盾持ちだけ!一騎打ちなのじゃ」
相手は俺よりも大きい、多分160センチくらい?それに盾と剣を持っている、多分体格差があるから顔を狙いづらいだろう、上手くスキルを使っていかないと。
「カウンター狙いで行く…のじゃ」
先に動いたのは盾持ち、盾を持っているからか、積極的に距離を埋めてくる、俺は細かく動き、距離間を測っていく。
「危ねっ!」
だが思ったよりも盾持ちは速かった、少し距離ができたと思った瞬間、いきなり詰めてきて、危うく攻撃に当たるところだった。
「が、チャンス!」
俺がなんとか攻撃を躱したため逆に攻撃のチャンスとなる、盾が厄介なので盾を持っている方の手首を狙い、短剣を振るう。
俺の短剣は確かに手首に当たったはずなのだが、あまり手応えが無い、先ほどのゴブリンキングほどでは無いが、だいぶ硬いらしい。
「全然効いてねぇ!硬すぎるのじゃ」
俺が攻撃している間に盾持ちは体勢を立て直している、どうしたものか。
[効いてない?]
[全力の戦闘中に急にのじゃとか言い出すと笑う]
表皮が硬いのか斬撃はいまひとつのようなので、ここは杖で撲殺しようと思う。
「オラァ!」
まずは撹乱のため短剣を投げる、そして短剣を防いでいるうちに杖を装備、そのまま殴りかかる!
「フルスイングなのじゃ!」
俺の杖は盾持ちが構えた盾を捉えて、盾ごと殴り飛ばした、幸いSTRは俺よりも低いらしく、耐えられるということはなかった。
杖で殴れば、盾を無効化できるということがわかったので、そのまま杖で、殴り続ける。
何十回か殴ったとき、盾を手から弾き飛ばすことに成功する、これでもう攻撃は防げない!
「あとは顔面にぶち込めば終わりぃ!」
盾を拾われないうちに近づき、倒す!
「ふっ!」
俺の渾身の一撃は盾持ちの顔面を捉え、そのまま吹き飛ばした。
「どうだ?」
今の一撃で倒せたようでウィンドウが出てきた。
ゴブリン を7匹
ホブゴブリン を1匹倒した!
獲得経験値72
獲得ゴールド680
素材ゴブリンの小角×6 ゴブリン剣×3 ホブゴブリンの中角×1
レベルアップ!
ステータスポイント10獲得
トマ Lv5
経験値 17/150
所持金 1100ゴールド
ステータスポイント40
HP 81/81
MP 24/34
STR 187+5
INT 3
VIT 49
MGR 69
AGI 94+20
DEX 21
LUK 33
「今のやつホブゴブリンって言うのか、たしか夜の森に出てくるって話だったけど…夕方?にも出てくるのかも」
[戦闘よかったけどところどころ語尾つけ忘れてたな]
[戦いの途中ののじゃで笑ってしまったw]
「もう夜みたいだし、一回街に戻りますのじゃ」
俺はさっき投げた短剣を拾ってから街に向かって歩き出した。
モンスターはレベルが上がれば進化します、今回出てきたホブゴブリンはゴブリンの上位種の一種です。