0006-初クエスト
「あいつを倒すのを目標にするとして、やっぱり強いスキルがあった方がいい気がするな」
さっきの感じSTRが足りないってのを感じた、そこら辺を強化できるスキルが欲しいな。
「とりあえず素材売りに行くか。」
素材を売りに行き、ついでに俺が覚えられそうなスキルでも確認してこようと思い、冒険者ギルドに向かった。
「買取金額いくらかなっと」
「ゴブリンの小角×2 ゴブリン剣×1 低回復薬×5ですね、合計2300ゴールドになります」
「これで合計3820ゴールド、鑑定は無理だし、短剣とか杖系のスキルはなさそうだなぁ」
見た感じここで覚えられるスキルは汎用スキルみたいだ、このスキルがあれば最強!とはいかないらしい。
「とりあえず武器探しに行ってみるか」
初期装備でボスを相手にするのは流石に厳しいだろう、そう思い街を歩きながら武器屋を探すことにした。
街をぶらぶら歩きながらふと路地裏を見てみると、奥に露店のようなものがあるのを発見した。
「こういうとこに強い武器とかあったりするんだよなぁ」
[路地裏の露店…怪しい]
[カモられる予感]
「すみません、いまやってますか?」
露店の奥に座っていた老人に尋ねた、すると思っていたよりもはっきりとした声で返事をしてくれた。
「お嬢ちゃん、運がいいねぇ実は今日は掘り出し物があるんだよ」
「掘り出し物!?武器?」
[あ…]
[絶対怪しいって]
「武器ではないんだけどね、これさ」
そう言って老人が俺に見せてきたのは古ぼけた紙切れだった。
「これは?」
「これはね、秘密の洞窟の地図さ、中には凶暴なモンスターがいるがとてつもないお宝が眠っているらしい」
「お宝!強い敵!」
「お嬢ちゃんは可愛いから特別にサービスさ、依頼を一つ受けてくれればこの地図をやろう」
「依頼?」
すると毎度お馴染みウィンドウがでてきた、
クエスト
街のどこかにある闇ギルドのボスに手紙を届けよう
報酬 秘密洞窟の地図
「闇ギルド…面白そう、その依頼、受けます!」
「ではこの手紙を届けておくれ」
「闇ギルドはどこに?」
「この街の地下、下水道のどこかに目印がある、それを辿ればつくはずだよ」
ここにきてクエスト発生!しかも報酬はなんともレアそうな宝の地図ときた、さらにさらに闇ギルド!これは取れ高満載だ!
「闇ギルド!いかにも短剣とかナイフ関連のスキル教えてくれそうな感じじゃないです?」
[教えてくれたとしても暗殺系な気が]
[闇ギルド、PK…なるほど]
[これは、闇落ちか?]
「闇落ちとは失礼な、今回はただ手紙を届けるだけです、そのためにもまずは下水道に入らなくては」
下水道か、どこかに入れる場所あったっけ?
[さっき川見えた]
[川の近くとか入口ありそう]
「川か、たしかにありがちかも」
おれはコメント欄を見て視聴者に導かれるまま川の方角へ歩いて行った、5分ほどかな?多少迷いつつも川辺に到着した。
「とはいえ、管理された川って感じで自然は感じないな」
とりあえず上流の方へ歩いて行く、この川結構長いし時間かかりそうだ。
「しかし、わざわざ下水道なんかに作る必要あるのかね、普通に地上に建ててくれよ」
[闇だからね]
[流石に人目につくとまずいでしょ]
お?なんか石のパイプみたいのが見えるぞ。
「あれか?下水道」
近づいて見てみると、明らかに下水道っぽくはあるのだが、入り口に鍵がかかっているようだ。
「鍵、どうしよ」
俺はとりあえず杖を手に持ち、周りを見渡して人がいないか確認しておく、特に理由はないが一応ね。
[完全にやるきだ]
[杖はバットじゃないんだが]
「………バキッ」
声を立てずに静かに杖をで鍵を壊す、そしてそのまま静かに下水道へ入ってゆく、下水道の中は薄暗いが苔が僅かに光っているらしく一応視界は確保できている。
「よし、これくらいくれば大丈夫でしょう、万が一人が見ていたとしても大丈夫!」
[大丈夫ではないよ]
[普通にアウト]
仕方がなかったのだ、鍵がない以上壊すしかない。
「てか、目印わかりやす、絶対あれやん」
目の前を見てみると骸骨にナイフが刺さってる絵が書いてあった。
「隠す気なくね?本当に闇ギルドかよ」
[めちゃくちゃわかりやすい]
[親切設計だな]
ものすごくわかりやすい目印を辿り歩いて行くとあからさまな扉を見つけた。
「ここやん……絶対にここ」
扉を開けると予想通り、冒険者ギルドのパクリみたいな見た目した内装が広がっていた、だが冒険者ギルドと明確に違うのはこちらを見てくる、明らかに悪役みたいなNPCの有無だろう。
「おい、ガキ、どうやってここにきた!」
「返事次第では生きて帰れないと思え!」
………これは本来冒険者ギルドのテンプレでは?
[めちゃくちゃモブ]
[絶対咬ませ犬的立ち位置だなコイツら]
とりあえずは穏便に済ませておこうと思う。
「えーと露店の老人から手紙を預かっているんだけど、ボスどこ?」
俺が答えると、モブAとモブB(仮称)はさっきとは打って変わって優しい態度になって言った。
「なるほど、ボスは奥だ俺が呼んでこよう」
「飴玉食べるか?」
[えー?]
[モブではなく案内役だったか]
「飴玉はいらん、手紙渡したらすぐに行く場所があるからな」
「行く場所?」
「森に行ってゴブリンを捌き回さないといけないんだ」
俺が答えるとモブBはいい情報を教えてくれた。
「悪いことは言わねぇ、夜は森に行くかない方がいい、夜の森は危険なモンスターたちがウヨウヨいる
からな」
どうやら夜の森は危険なようだ、昼間より強いモンスターが出現するらしい、非常に気になる。
「ちなみにどんなのがでるんだ?」
「近場の森だとスケルトンやホブゴブリンがよく出るな、運が悪ければシャドーウルフにも出会えるな」
シャドーウルフ!とてもいい名前だ、影狼、絶対強い、そして多分かっこいい。
そんな感じでモブB君と夜の森について話していると奥からモブAと露店の老人が出てきた。
「ん?ボスはどこだ、呼んできたんじゃないのか」
俺が問いかけると露店の老人が答えた。
「ワシがボスじゃ」
「は?」
「昼間の露店は趣味でこっちが本業なのだよ」
「じゃあさっきのクエストは?」
「ただの通過儀礼じゃ、だがもちろんこの地図はくれてやるぞ」
クエストクリア!
秘密洞窟の地図 獲得
……なんか釈然としないがいいだろう、元々の目的は武器屋でこのクエストはついでだしな。
「ところでお主、短剣使いじゃな?」
どうやらまだ会話は続くらしい。
「まぁ一応そうではあるが」
「ふむ、短剣術スキルの強化、進化がしたいときはワシのところへ来い」
なんと!どうやらスキルの進化や強化は誰でもできるというわけではないようだ。
「わかった、機会があれば頼む」
これはまた一ついいことを発見してしまった、他のプレイヤーがスキルの強化、進化ができずに戸惑う中で俺だけはこういう特殊NPCの存在と短剣術の進化が可能なのだ。
軽い寄り道のつもりだったし、実際クエスト自体はすぐに終わったが予想外の収穫だったな。
ちなみにこのクエストの発生条件は短剣で人型の敵をクリティカルで3体倒す、というものです、主人公の場合はゴブリンを2匹、あと魔法使い君を倒しているので条件を達成しています。また闇ギルドのNPCが主人公に対して優しかったのは主人公がPKをしたことがあるからで、PKすればするほど闇ギルドのNPCの好感度が上がっていきます。あとこんな感じの隠しギルドはいっぱいあります。