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0043-VS炎獅子-2

俺は素早く炎獅子に接近して攻撃を仕掛けようとするが、あと少しと言うところで炎獅子は動き出してしまった。


「でも、一撃は入るッ!」


だがここまで近くまで来れば一撃は入れられる。


俺は素早く炎獅子の顔に飛びつき、炎獅子の左目にスパスパ君を突き立てた。


「ギャァォォォ…」


流石の炎獅子も目を刺されたら無反応ではいられないみたいだ。


だが、流石はボスだ、すぐに爪を俺に向かって振るってくる。


「ナイスカウンターだけど、甘いぞっ!」


今俺がいるのは炎獅子顔の上だ、そこにいる俺に爪を向けるってことは自分を攻撃するのと同じことだぜ?


俺は攻撃が当たる寸前までスパスパ君で炎獅子の目を抉り、攻撃が当たる瞬間にスパスパ君を目から引き抜き、その場から飛び去った。


俺がギリギリで避けたことにより、炎獅子は自分で自分の顔を攻撃してしまう。


「よっし、狙い通りぃ!」


この攻撃により炎獅子のHPはここまで減った。


炎獅子Lv24

HP 274/600


やっぱ目を狙ったのが大きかったのか、大分HPを減らせた気はする。


「でもやっと折り返しってところか…」


こんだけ攻撃してまだ半分、やはり短剣では攻撃力不足感が否めないな。


「それに、まだ第二形態もあるだろうし…」


そう、今までのボスは全員第二形態があったし、炎獅子にも、もちろんあるだろう。


「ここからはスピード勝負だな」


第二形態に入ったら攻撃される前に速攻でHPを削り切る、それなら第二形態がどんなに強くても関係ないしな。


[後半分、がんばれー]

[やっちまえー]


「よーし、いくぜッ!」


俺は再び炎獅子に向かって走り出す、そしてさっき左目を抉っておいたので左側から回り込めば炎獅子に近づきやすい!


俺は左から大きく回り込み、炎獅子の近くまで行く。


そして横腹にスパスパ君を突き立て、そのまま横腹を引き裂いていく。


「ギャァルルルルル!」


だが流石に黙って攻撃を受けるわけもなく、炎獅子はその場から大きく跳び回避する、しかもその際空中から炎を放ってきた。


「クイックステップ!」


いきなりで、流石に避けられなそうだったので仕方なくスキルを使う。


「これで残りMPは24!できれば温存しておきたい」


今のは仕方なかったがスキルを使わされたのは痛いな…


しかし、炎獅子は見た目近接戦闘っぽいのに、遠くから炎を撃ってくる行動もあって厄介だな。


「また、距離空いたし…シャトルランやってる気分だよ…」


炎獅子はフィールドを右へ左へ動き回るため空いた距離を詰めるだけでも大変だ。


「これで決めてやる!」


もう走るのも疲れたのでこの一撃で終わらせる気持ちで攻撃を仕掛ける。


まずは真っ直ぐ炎獅子に向かって走り、爪での攻撃を誘発する。


そして炎獅子が狙い通り爪での薙ぎ払いを放ってきたので、下へスライディングして躱す、そしてそのままの勢いで起き上がりつつ前脚を斬っておく。


もちろんここで炎獅子は大きく飛び上がりその場を離れようとするが、そうはさせない。


「離さねぇ!」


俺はとは上がる炎獅子の後ろ脚にスパスパ君を突き立て、それを掴みながら耐える。


ロデオみたいな感じで炎獅子は暴れまくるけど、俺は気合いで捕まりつつ、少し揺れが収まったタイミングでスパスパ君を一度抜いて、また刺す。


「グルルゥォォォォン!」


「はっはー!後ろ脚はもうズタズタだぜ!」


[よく耐えられるな…]

[こんなに動いてるのによく掴んでられるな]


そして、そのまま攻撃を続けるが、炎獅子のHPが100を切ったとき、異変が起きた。


「あっちぃ!熱い、熱い!」


突如炎獅子の体が炎に包まれたのだ。


俺はたまらずスパスパ君を引き抜き、大きく後退していた。


「まじかよ…それは予想してなかった」


俺の視線の先では炎獅子は炎を纏っていた。


「これ、攻撃したらダメージ受けないか?」


体に炎を纏っているんだから攻撃する際にはその炎に触れないといけないわけで…


「これ、詰んだか?」


[遠距離攻撃は…ないよねぇ]

[おわた]


えぇ、ここまできてこんな終わり方ってありかよ…


「グゥァァァァァァァァァァ!」


まぁ、もしかしたら勝てるかもしれないし、最後まで抗ってみるか!


「諦めるのはカッコ悪いしな」


しかし、炎をどうにかしないと勝てないよなぁ。


今できそうなこととしては3つ、まずはスパスパ君を投げ、回収してをくり返す、次にできるか分からないけどポーションぶっかけて炎を消せないか試してみる、そして最後に相打ち覚悟で一気に攻撃する。


「いや、悩むまでもないか」


もうそろそろ疲れたし、集中力が完全に切れる前に片をつける。


「特攻じゃぁぁあ!」


俺は炎を纏っている炎獅子に向かって走り出した。


炎獅子の残りHPは94、顔をスパスパ君で斬りまくればワンチャンある。


俺はそのワンチャンに賭けることにした。


まずはポーションを飲み、HPを回復させる、これで俺のHPは29になった。


さっき一瞬炎獅子の炎に触れたが、1秒でHPを2持ってかれた、つまり今の俺のHPではもって14秒だ、その間に倒すしかない。


「うぉぉぉ!」


俺は雄叫びを上げながら炎獅子の顔へと飛び乗り、攻撃を仕掛ける。


「死ねぇ!早く死ねぇ!」


俺は炎獅子の顔に傷をつけまくるが、すでに俺のHPは残り19、そして炎獅子の残りHPは61だ、このペースでは倒す前に俺が焼け死ぬ。


「くっそ!」


さらにここで炎獅子は顔を大きく上に振った、それにより俺は上へと吹き飛ばされる。


「うっ!」


今の吹き飛ばしではダメージを食らわなかったが、下を見れば炎獅子が大きく口を開けて待機している。


「これ終わっ…いや、まだだ!」


俺は最後の閃きに賭けることにした。


大きく口を開ける炎獅子、俺はあえてそこに落ちていく。


炎獅子の牙に噛みつかれたら死ぬのは確定だが、口の中に入り込めば?そして口の中も炎を纏っているのか?試す価値は十分にある。


俺は自分から加速するように炎獅子の口目掛けて落ちていく。


「うぉぉぉ!」


[何やってんだ!?]

[諦めたか?]


そして、口に下半身が入った瞬間、炎獅子は口を閉めようとするが、そうはさせない!


「クイックステップッ!」


スキルを使い一瞬のスローへ入る、そして足の裏で炎獅子の牙を蹴り、自ら口の中へ入っていく。


さらにスパスパ君で口内を切り付けるのも忘れない。


「やっぱり口の中には炎ないぜ!」


そして狙い通り炎獅子も口の中には炎は纏っていなかった。


「後は中から攻撃すれば…」


その時、炎獅子が大きく息を吸う音が聞こえた。


そして、喉の奥に光が見える。


「だが、俺の方が早い!」


俺はスパスパ君を炎獅子の口内の上の方に突き立て、そのままグリグリと動かす。


「ここが脳だろ?脳やられたら流石に死ぬだろ!」


俺はさらに奥へと短剣を潜り込ませていくが、ついに炎が俺の方へと流れてきた。


「速く死ねぇぇぇぇ!」


そして俺のことを炎が包んだ瞬間…


「グゥえっ………」


炎獅子は死に、俺は地面に投げ出された。


(ボス)炎獅子(えんじし) を1匹倒した!

獲得経験値800

獲得ゴールド24000

素材 炎獅子の討伐証×1

炎獅子の爪×1

スキルオーブ×1(初回討伐報酬)


トマ  Lv17

経験値 1194/1400

所持金 129690ゴールド

ステータスポイント50


HP 2/81

MP 19/34

STR 207

INT 3

VIT 49+10

MGR 69

AGI 124+110

DEX 21

LUK 33


「いや、HPあっぶな!」


[うぉ!勝ったぁ!]

[まじか!ギリッギリじゃん]


マジでギリギリの勝利だったなぁ。


「しかし、またスキルオーブかよ、これ何に使うかよく分からないから貰っても嬉しくないんだけど」


まぁ炎獅子を倒したのは俺が初めてだと考えると悪い気はしないけど。


「はぁ、激闘だったのじゃぁ…」


そうして俺は地面に倒れ込み、しばらくの間勝利の余韻に浸るのであった。

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