0042-VS炎獅子-1
俺は炎獅子のいる広場へと脚を踏み出した。
「さて、ガチでいくのじゃ」
乗り気ではなかったとは言え、ここで負ける=死なわけで、負けるわけにはいかない。
俺はスパスパ君を逆手持ちで顔の前に構え、炎獅子の攻撃に備える。
「いつでも来い!」
今の俺はどんな攻撃が来ようとも避けられる自信がある、それぐらい集中している。
そんな中、炎獅子が最初の行動に移った。
「グルルルァァルァ!」
「うるさっ!」
まずは咆哮、そして息を大きく吸い…
「絶対やばいッ!」
俺は炎獅子が息を吸うモーションに入った瞬間、俺は横に大きく跳んでいた。
俺が跳んだその時、炎獅子の口から炎が吹き出し、さっきまで俺がいたところを焼き尽くしていた。
「絶対やると思ったぁ!」
こんな明らかに火を吹きますよーみたいな見た目してるボスが息を吸ったらそれはブレスの予備動作と決まってるんだよなぁ。
[うぉぉ!]
[ナイス避け]
俺は炎獅子の最初の攻撃を上手く避けれたので、そのまま炎獅子に攻撃を仕掛ける。
「オラァッ!」
素早く接近して脚を斬りつける。
「ガァァァ!」
炎獅子は俺に攻撃されるとすぐにその場から動いてしまった。
「チッ!浅いな…」
攻撃は入ったが、あまりにも避けるのが早く浅く斬りつけることしかできなかった。
炎獅子Lv24
HP 586/600
いや、掠っただけでも結構削れてるな…
「これは勝てるかもしれないぞ!」
さっきの浅い斬りつけでもこんなにダメージが入った、ならもっと深く斬りつければ?もっとダメージが入るだろう。
だが、炎獅子が動いたことで、炎獅子と俺の間にまた距離ができてしまっているためこの距離をまずは詰めなくてはならない。
「1…いや2発は攻撃がくるな」
さっきの動きを見た感じ、こいつはそこそこ素早い、さらにこの距離ならそれだけの攻撃はしてくるだろう。
まずは慎重に距離を詰めていく。
ジリジリと一歩ずつ近づいていき…俺が炎獅子の間合いに入った瞬間、前足から鋭い薙ぎ払いが迫ってきた。
「あっ、ぶねぇ」
軽くしゃがむことで薙ぎ払いを回避、だが姿勢を崩したので次の攻撃が怖い。
「ッなんだっ!?」
炎獅子を見てみると、右足の爪を上に掲げている。
「あっ!?」
そして、次の瞬間その爪から炎が吹きでてきた。
その炎の爪は俺に向かってまっすぐ向かってくる。
俺は敢えて炎獅子の方へ転がることで炎の爪と追撃を回避、そのまま炎獅子の体の下へと潜り込む。
「てか、さっきのやばいな」
さっきの攻撃、地面に炎の爪が当たった瞬間に地面に炎が走った…つまりは範囲攻撃だ。
「まぁ、食らわなきゃ問題ないけどなぁ!」
炎獅子の下へ潜り込んだ俺はそこから攻撃を仕掛けた。
まずは腹に真っ直ぐスパスパ君を走らせ、その後前足を深く斬りつけておく。
「グァオォ!」
だが、ここで炎獅子が地面に炎を吐いた、これにより地面を伝って俺に炎が届く。
「あっつ!てか、燃えるぅ!」
俺は素早く炎獅子の下から飛び出し、地面を転がった。
火を素早く消すには地面を転がるのがいいのだ。
「流石にタダじゃやられないか…でも今のは効いたろ?」
なんせ腹に深い一撃、ついでに足も深く斬っておいたのだ、相当なダメージだろう。
炎獅子Lv24
HP 442/600
いや、あんまり効いてないな…結構深く斬ったんだが。
「どうなってんだ?」
あれだけの傷を入れてもこれなら、炎獅子は意外とタフなのかもしれない。
「まぁいい、ここからはラウンド3だ!」
2度の攻防を得て分かったことは2つ、息を吸う行動はブレスの予備動作、そして爪に炎を纏ったら範囲攻撃がくると言うことだ。
俺はできれば見たことある攻撃来い、と思いながら炎獅子に迫っていく。
が、次の炎獅子の攻撃はまだ見たことのない予備動作だった、なんと炎獅子は地面に爪を突き刺したのだ。
「なんだ!?」
最初は意味が分からなかったが攻撃されてようやく気付いた。
「これ、地面から炎が噴き出てくるッ!」
なんと地面を伝わらせて攻撃では飽き足らず、地中から攻撃してきたのだ!
俺は地面から噴き出てくる炎をどうにか避ける、だが避けているうちに炎獅子を一瞬だけ視界から外してしまった。
俺はまずいとも思ったが一瞬だし大丈夫だろうと軽い気持ちで再び炎獅子の方は目を向けた。
だがもう一度炎獅子がいた所を見た時、炎獅子はいなかった。
「なっ…どこ行った!?」
急いで周りを見渡してみるがどこにもいない。
だがその時、俺はある違和感を覚えた。
「なんか、さっきより熱いな?」
どうしてか不思議に思い、何気なく太陽の方を見てみた、そして見つけた、空中で馬鹿でかい火の玉を作っている炎獅子を。
いや、浮いてると言うのは正確じゃないな、正確にはこの広場の隅にある高い岩の上にいる、だ。
「あれ、絶対阻止しないとまずいやつだ!」
しかし、炎獅子の前にある火の玉はすでに大分大きなサイズだ、あれに当たったら即死は間違いない。
「どうにか阻止しないと、絶対どこかにギミックとかあるってぇ…」
俺は慌てて炎獅子を止めるべくギミックを探し始めたが、特に何も見つけることはできず、炎獅子の溜め技を止めることができなかった。
「グルルルォォァン!」
炎獅子は大きく咆哮してからボスフィールドの真ん中まで跳躍、巨大な火の玉をフィールドへと落とした。
その際俺は気合いで避けるべく隅っこで準備をしていた。
「クイックステップの、無敵時間に賭ける!」
無敵時間は0.2秒、みるからに爆発しそうな火の玉を0.2秒で避けれるかは謎だが、やらないよりはいいだろう。
巨大な火の玉がフィールドに落ちた瞬間、俺はスキルを発動させた!
「クイックステップッ!」
スローになった俺の視界を火が覆い、その次に衝撃波がきた。
そしてクイックステップにより俺は最初の火の波は乗り越えられたが、その後の衝撃波は無効化できなかったため、大きく吹き飛ばされた。
「うわぁぁぁぁぁ」
今の衝撃波だけで俺のHPは74/81から23/81にまで減った。
生き残れたのを喜ぶべきか、直撃を避けたはずなのにこの威力食らったと嘆くべきなのか…俺には分からない。
「だが、生きてる!」
そしてなぜか炎獅子が中央から動く様子がない。
「これはあれか?大技の後の硬直的な!」
だとしたらチャンスだ、今炎獅子HPを大きく削れれば勝ち筋が見えてくる!
「うぉぉぉ!」
俺はスパスパ君を手に、炎獅子に向かって走り出した。




