0035-新しい街と面倒事
ヒュージボアを倒し、更に奥へと進んでいくと、だんだん木が少なくなっていき、平原のような場所に出た。
「あっちに、壁が見えるのじゃ」
前方に壁が見える、もしかして第二の街かな?
「行ってみるのじゃ」
近づいてみると、予想通り街だった。
「うおぉ、第二の街だ!」
第二の街って言い方もおかしいかな?多分他の方角にも街あるだろうし、第二エリアの街ってところか?
「最初の街と何か違うところがないか見て回るのじゃ」
街の中に入り、軽く見て回ることにした。
今回は衛兵に冒険者カードを見せたら止められるようなことはなく、普通に中に入れた。
「うっわ、雰囲気全然違うのじゃ」
最初の街は中世チックな建物が多くて、レンガ系の建材が多かったけど、この街は木材でできた建物が多くて、自然を感じる作りになっている。
「最初の街よりこの街の方が好きかも…」
シンプルな作りの建物が多いが、雰囲気が落ち着いていて、自然を感じられる。
「次のエリアに行く時はここで補給とかしていくのかな?」
大通りとか店の中とかも色々見て回ったけど、店の数とか品揃えは大して変わってなかった。
「もしかしたらこの街限定クエストとかあるかもしれないし、もう少し見て回るのじゃ」
まだ路地裏とかまで見て回った訳ではないので次はそっちを見て回る。
この街は最初の街に比べて路地裏が多い気がする、その分道幅は狭くなってるけど。
「何か面白そうなクエストとかないかな?」
しばらく街の路地裏をうろうろ歩いていると、なんだか前の方が騒がしいことに気づいた。
「なんの音だろ」
何かが壊れる音とかが聞こえてくる、何かのクエストとかかもしれないから行ってみるか。
聞こえてくる音を頼りに狭い路地裏を歩いていくと、子供がガラの悪そうな男たちに囲まれてるのを見つけた。
「これは、どういう状況なんだ?」
もしかしたらガラの悪い5人の男たちが子供を保護しようとしてる可能性もあるので、一応確認してみる。
「お頭、もう一人ガキが来ましたよ」
「見られたからにはそいつも連れて行け」
これ、絶対一般人じゃないわ、チンピラだ。
[ヤンキーだ]
[誘拐か?]
だっさい服を着たチンピラAが近づいてくる。
「そこのガキ、殴られたくなければ大人しく来い!」
こっちに手を伸ばしてくる。
「これは正当防衛なのじゃ」
俺はベルトからスパスパ君を取り出し、チンピラAの手を斬り飛ばす。
「え?」
チンピラAは自分の手が斬られたということが信じられないのか、自分の手を確認している。
「そいや」
万が一にも暴れられると困るし、多分一般人じゃないので、暴れられる前に首を刎ねておくことにする。
[一切の躊躇なくて草]
[過剰防衛だろ]
それを見ていたチンピラBが叫ぶ。
「リーダー!このガキ只者じゃないぞ!」
「チッ!」
こいつのせいで残りの3人もこっち向かってきているのが見える。
とりあえずチンピラBはサクッと仕留め、残りの3人を警戒することにする。
「ガキがぁ!」
多分一番奥の偉そうなのがリーダーで今叫んでる体がでかいやつはチンピラCとしよう、そしてその横で杖を持っているのがチンピラDだな。
「詠唱準備っ!」
リーダーらしきやつが号令を出すと、チンピラDが何かを唱え始めた。
そして、それと同時にチンピラDが持っている杖の先端が光っていく。
「おぉ、魔法か?」
なんだが面白そうなので、発動するまで待ってみる。
「リーダー!いつでも行けますッ!」
5秒ほど待ってると、チンピラDが言った。
「撃てぇ!」
そしてチンピラDが魔法を放った。
「炎弾」
バレーボールぐらいの大きさの火の塊が真っ直ぐ俺に飛んでくる。
威力がわからないので、攻撃を喰らいたくない、でもこの狭い路地裏だと避け切れないかもしれない、なので俺は迎撃を選択した。
スパスパ君をしまい、メイスを取り出し、炎弾をメイスで殴る。
メイスに当たった瞬間爆発する炎弾。
「流石に無理かぁ…」
俺のイメージでは綺麗に打ち返せるはずだったんだが、普通に無理だった。
でも今ので威力を抑えられたのかダメージは7しか食らわなかった。
「次はこっちのターンだぜ!」
まずはチンピラCの顔にメイスを投擲、ノックダウンする、そしてもう一度魔法を使われるのを回避するべく、チンピラDの喉をスパスパ君で搔き切る。
「後はあんただけだぞ」
これで残るはリーダーのみとなった。
「ッッ!化け物め!」
[それはそう]
[化け物ではあるよね]
「そうか…俺が化け物…ふふふ」
嬉しいな、それはつまり俺が強いということだ。
「何笑ってやがるッ!」
リーダー君はいいことを言ったので痛くないように殺してあげよう。
おれはリーダーの首をスパスパ君で刎ねた、この際即死できるようにしっかりと斬る。
「さて、さっきの子供どこ行ったのじゃ?」
あの子供を助けるために戦ったのだ、これで連れ去られてましたとかだと意味がない。
さあ思って周りを探してみると、隅っこで蹲っている子供を発見した。
「そこの君?詳しい話聞いてもいいかな?」
「う、うん」
意思疎通はできるみたいなので、話を聞いてみる。
すると衝撃の事実が分かった。
「悪魔召喚ねぇ…」
さっきのチンピラたちは悪魔崇拝してるヤバい奴ららしくて、この少年と仲間たちはたまたま悪魔召喚の話を聞いてしまったから襲われていたそうだ。
「実は、僕の友達はもう既に攫われちゃったんだ…姉ちゃん強いし、僕の友達を助けてよ!」
ここでウィンドウがでてくる。
クエスト
悪魔崇拝団体から子供達を救い出し、悪魔召喚を阻止しよう。
報酬 ???
面白そうだし、受けてみるか。
「私に任せるのじゃ」
悪魔か…強さが気になるなぁ。
でも多分召喚するには生贄とかいるよなぁ、流石に子供たちを生贄にするのはゲームとはいえ気が引けるんだけど。
「ちなみにどこに連れてかれたかわかる?」
「街の外れの墓地だよ、そこにあいつらの拠点があるんだ!」
街の外れに墓地なんてあるのか…やっぱ最初の街とはちょっと違うな。
「じゃあサクッと片付けるとするのじゃ」
[悪魔ねぇ、ファンタジーっぽくなってきたじゃん]
[悪魔、絶対こんな序盤に戦っていい相手じゃなくない?]
「召喚を阻止したら戦えないけどね」
もしも、生贄とかいらずに召喚できるなら是非戦ってみたいものだけど。
でも今はそれよりもクエスト報酬の『???』の方が気になるかも。
「でも、 NPC倒しても経験値は貰えなかったから、レベル上げには向かなそうなのじゃ」
犯罪者を倒しまくって経験値稼ぎはできないらしい、残念だ。
前プレイヤーを倒した時は貰えたから、狙うならプレイヤーだな。
「お姉ちゃん?早く行こうよ」
「あぁ、ごめんごめん今行くのじゃ」
考え事をしていたら少年に急かされてしまった。
色々考えるのはとりあえずクエストを終わらせてからにしよう。
まぁ、このクエストがどれぐらい時間かかるのか分からないけど…
俺は走る少年の後に着いていって、街の外れの墓地へと向かって行った。
魔法は基本的に物理攻撃で相殺することができません、武器に魔力を纏わせられれば話は別ですけど。




