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0033-進化と短剣

俺は冒険者ギルドまで来ていた。


「この裏手に教会があってそこで進化させられるっぽいのじゃ」


いつも通り中に入り奥に進んでみる、奥の扉を開けるとそこには教会があった。


「なんか、ギルドの一部なのじゃ」


別の建物というわけではなく、冒険者ギルド内に併設されている感じだ。


「ここの神父が杖術の進化をさせてくれるらしいんだよね」


教会の一番奥に天使?の銅像があってその前に神父が立っているのが見える、多分あの人だろう。


「すみません」


とりあえず話を聞いてみることに。


「はい、なんですか?」


優しそうな雰囲気のお爺ちゃんって感じだ。


「杖術スキルの進化できるって聞いてきたんですけど」


俺がそう伝えると、神父は言った。


「進化となると、杖術は失われますが、宜しいですか?」


使わないし、使えないから、もちろんOKだ。


「問題ないのじゃ」


「では、こちらに触れてください」


そう言って神父はポケットから光る石みたいなものを取り出した。


俺がその足に触ると、ウィンドウが出てくる。


『スキルを進化させると元に戻すことはできません本当によろしいですか?YES/NO』


イエスを押すと、選択肢が出てきた。


戦棍術(せんこんじゅつ)

槌術(つちじゅつ)


戦棍は多分メイスだよな、それは分かる、俺メイス使ってるし。


でも槌術ってなに!?おれハンマーなんて使ってないし魔法使いっぽくないんだけど…


まあいいや、今メイス作ってもらってるし、戦棍術にしよ。


ウィンドウを操作して戦棍術をセレクト。


『戦棍術』


ストロングアタック

強撃

消費MP10

基礎ダメージ1.2倍


インパクトスイング

攻撃にノックバック効果を付与

消費MP 10

吹き飛ばしの効果がつく


「うぉぉお!」


めちゃくちゃ使い勝手が良さそうなスキル達だ。


シンプルな攻撃力強化は強いし、ノックバックはいざという時に使える。


「大当たりだぁ!」


[魔法使いだろ?]

[完全に物理アタッカー]


杖術とかいう足手纏いが化けたな。


俺がスキルを確認して喜んでいると、神父が話しかけてきた。


「そちらのスキルはもう杖術ではないので私は進化させられません、また別の道士を見つけてください」


道士…それがスキルを強化できるNPCの総称かな?


「はい、あざしたー」


もうここに用は無いため、その場を後にする。


「さて、次は武器屋に行ってみるか」


今は12時15分、昨日モーマンは明日にはできると言っていた、そしてもう明日になった。


「流石に深夜にできてるとは思わないけど、ゲームだしできてそうではあるのじゃ」


ゲームによっては0時が1日の境ではなく、4時とか5時とかの場合もあるが、このゲームはどうだろうか?


冒険者ギルドから武器屋がある通りまでは僅かな距離しかないので、すぐに着いた。


「モーマン、いる?」


俺が店の奥に呼びかけると、店の奥からのっそりとモーマンが出てきた。


「あぁ、丁度いいところに来てくれた」


「どうしたのじゃ?」


「いやな、短剣がもう少しで完成なんだが、持ち手のサイズを微調整したくてな」


なんともうほぼほぼできているらしい、だがその上で俺に合わせるために持ち手は敢えて手をつけていないんだと。


「私は何すればいいのじゃ?」


「短剣を振ってみて、違和感とかあれば教えてくれ」


そう言ってモーマンは一度奥に引っ込み、次出てきた時は手に短剣を持っていた。


「おぉ!カッケェ!」


見た目は緑っぽい色で、少し輝いて見える、それに刃の部分はとても鋭そうだ。


「だろ?コイツは傑作なんだ」


手渡された短剣はとても軽く、尚且つ振りやすい、そんな一品だった。


「うーん、でも少し軽すぎない?」


確かに振りやすいんだけど、軽すぎて手応えがあんまりないような気もする。


「その短剣は斬れ味が凄いからな、軽い方がいいんだ」


斬れ味?そんなに凄いのかな?


「なんか、試し切りできるものある?」


試しに何か切ってみたいな。


「なら、裏に試し切りようのスペースがあるからそっちに行こう、着いてきてくれ」


試し切り用のスペースなんてあるのか、便利だな。


モーマンに着いていくと、裏まで連れて行かれ、そこには木材が台の上に固定して置いてあった。


「なんか、適当だな?」


思ったよりも雑な作りの試し切り用スペースだな。


「その木を試しに切ってみな」


はぁ?モーマンめ遂にとち狂ったか?


「短剣で木が切れるわけないだろ」


短剣がどれほど鋭くても、流石に木は切れないだろ、壊れるぞ?


「一回試してみな、一回試せば分かるぜ」


モーマンは一才の曇りなき眼でこっちを見てくる。


「そこまで言うなら…」


仕方ないので一回試してみることにした。


俺は万が一にも探検が壊れないように木の表面をなぞるように短剣を振った。


そして、俺の目の前で試し切り用の木材は真っ二つになった。


「え?」


[マジか!?]

[木が切れた!]


今、軽く表面を切りつけただけだぞ?一体どんな斬れ味してたらこんなことになるんだ…


俺が驚愕していると、モーマンが自慢げに言ってくる。


「元々の素材の耐久力がすげぇからな、とにかく研いで、鋭さを限界まで高めてみたんだ」


てか、よくよく考えたらそうか…あのフォレストキングビーの素材で作った短剣が、これぐらいで壊れるわけないんだ。


「すげぇよモーマン!まじで!」


このクオリティの武器を1日で作れるとは、流石だぜ。


「振ってみておかしなところは無かったか?」


「全然ない、完璧なのじゃ」


「そうか…なら最後に名前をつけてくれ」


名前?


「おまえさんの相棒だぜ?名前ぐらいつけてやれよ」


確かにそうか…ボス素材で作った武器だ、しばらくは使い続けるだろうし、名前つけた方が愛着とか湧くか。


「じゃあ、スパスパ君で」


「ん?今なんて言った?」


「だからスパスパ君だって」


「武器の名前だぞ?」


「そうだよ、何度も言わせないでくれ」


「…………」


何故かモーマンは絶句している。


[えぇ……]

[ネーミングセンスェ……]


「よく切れる擬音と言えばスパスパだろ?」


「な、なるほどな?まぁお前さんがいいならいいんだ…」


何故だ、こんなにも素晴らしいネーミングだと言うのに…


「おう、これからよろしくなスパスパ君!」


俺はもう一度スパスパ君の詳細を見てみる


・スパスパ君(短剣)

耐久値 3000/3000 AGI+90

必要ステータス AGI100以上


「速度特化って感じでいいな」


これからは物理特化のメイスと、速度特化の短剣、この二つを上手く使い分けて行こう。


「てか、斬れ味が鋭いのはステータスには影響しないのか…」


まぁ、そりゃそうか、武器が鋭くて自分が強化されるのは意味わかんないしな、武器が軽くて俺の速度も上がると言うならまだギリギリ納得できる気がする。


「メイスは明日できるからまた取りに来てくれ」


明日…そうかもうそんな経ってるのか。


明日が5日目なら、もうイベントまで3日しかないじゃないか。


いや今は深夜だし、3日半ってところか?


「なんにせよ、レベリングを進めないとな…」


急がないと、イベントでいい結果を残せないかもしれない。


蜂の巣は現在これ以上進むことが厳しそうなので、おとなしく第二エリアボスを倒しに行こう。


「モーマン、ありがとな、またくるのじゃ」


俺はモーマンに礼を言ってから店を出る、そして南の門へ歩いて行く。


「さて、巨大樹の森のボス、倒しに行くとするのじゃ」


[今から?]

[初見討伐いくの?]


「もちろん、一発で突破してやるのじゃ」


第二エリアのボスくらいサクッと倒せないとな。


俺は新しい武器、スパスパ君を手に巨大者の森へと向かった。

―――――――――――――――――――――


現在のステータス(メイス装備時)

トマ  Lv14

経験値 14/900

所持金 89280ゴールド

ステータスポイント20


HP 81/81

MP 34/34

STR 207+70

INT 3

VIT 49+10

MGR 69

AGI 124+20

DEX 21

LUK 33



(スパスパ君装備時)


トマ  Lv14

経験値 14/900

所持金 89280ゴールド

ステータスポイント20


HP 81/81

MP 34/34

STR 207

INT 3

VIT 49+10

MGR 69

AGI 124+110

DEX 21

LUK 33


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