0030-蜂の巣地下攻略戦
毒煙を地下に流すこと10分ほど、煙が少なくなってきた。
「そろそろいいかな?」
時間も経ったし、毒は低い位置に溜まっているはずだ。
「効果時間とか分からないから、急ごう」
俺は腰にランタンを付け、メイスを手に地下へと入っていく。
「中は、意外と広いなぁ」
地上部分と違って、地下は大分広い、やはり地下が本命の巣だったようだ。
しばらく進むと、地面に倒れてピクピクと痙攣しているフォレストビーを見つけた。
「毒のおかげで瀕死なのじゃ」
HPは1になっている、毒ではギリギリ死ななかったみたいだけど、軽く殴れば死ぬようなHPだ、やはり毒攻めは正しかった。
「今、解放してやるのじゃ」
俺はそう言って、フォレストビーの頭にメイスを振り下ろす。
[普通に容赦ないな]
[毒強くね?]
これ、金さえあれば誰でも攻略できるかも。
その後も俺は痙攣しているフォレストビーを何体か倒しつつ、先へ進んでいく。
しばらく進むと、大部屋に出た。
「お、真ん中にデカいのがいるのじゃ」
部屋の真ん中には大きな蜂が倒れている。
鑑定してみると、
フォレストエリートビーLv14(猛毒・麻痺)
HP 26/300
なんか強そうな敵なのに、既に瀕死だ。
「こんな強そうな奴も毒には勝てないのか…」
こいつはゴブリンでいうホブゴブリンみたいな立ち位置かな?少なくともボスでは無さそうだ。
[中ボス的な?]
[奥に更に地下への道ない?]
視聴者に言われて気づいた、このエリートビーの奥に、更に地下へと通じる道があるのだ。
「フロアボス的な感じかも」
ダンジョンとかで、階段の前には中ボスがいるのは基本だ。
あれ?
「てことはここ、もしかしてダンジョンだったりする?」
このゲームにおけるダンジョンの定義とかは知らないけど、少なくともただの蜂の巣では無さそうだ。
「まぁ、いいや」
とりあえず、目の前に倒れているエリートビーにトドメを刺す。
フォレストエリート 1体討伐
獲得経験値 80
獲得ゴールド 700
素材 森蜂の外骨格×1
レベルアップ
ステータスポイント10獲得
トマ Lv14
経験値 14/900
所持金 89280ゴールド
ステータスポイント20
HP 81/81
MP 34/34
STR 207+70
INT 3
VIT 49+10
MGR 69
AGI 124+20
DEX 21
LUK 33
「お、レベルアップ」
地面に瀕死で倒れてるモンスターにトドメを刺すだけで、サクサクレベルが上がる。
「金は使うけど、簡単にレベル上がるし、これを成金レベル上げと名付けよう」
[最悪だろ]
[明らかに強敵なのに、こんな簡単に…]
毒最高!街に帰ったら買い足そう。
「じゃあ、もっと地下に行ってみるのじゃ」
俺は更に地下への道を進んでみる、そして、地下二階?からは一筋縄ではいかなくなった。
「うわ、普通に動いてるし…」
地下に下ってすぐにフォレストビーが出てきたのだが、普通に動いていた。
フォレストビーLv9(毒)
HP 61/100
毒で弱ってはいるけど、上の階ほどじゃあないな。
「やっぱダメだわ、高い金払ったのに、中途半端な効果しかない」
しかも、通路が広いせいで微妙に飛んでいる、地上部分では空を飛ばないから雑魚だったけど、空を飛ばれたらそこそこ厄介だ。
「ようやく、ダンジョンって感じがしてきたなぁ」
もうこの蜂の巣は俺の中ではダンジョン認定されている。
「ここからは慎重にいくのじゃ」
まずは目の前のフォレストビーを仕留め、角や分かれ道などを一つずつクリアリングしながら進む。
そして、フォレストビーを倒しながら進むこと10分ほど、エリートビーを見つけた。
「はぁ、ここまで毒届いてなくね?」
エリートビーのステータスを見てみたが、毒にもかかってないし、HPは一切削れてない。
「ここからは普通の戦いか…」
[強そうな蜂だな]
[しかも、飛んでるぞ]
フォレストビーより一回り大きな体、硬そうな外骨格、しかも飛ぶ、これは厄介そうな敵だな。
「ま、キングを倒した私からすれば雑魚なのじゃ」
そんなに強くないだろうと高をくくり、戦いに挑む。
エリートビーは部屋の中心で飛行していて、こちらに気づいているはずだが、動きはない。
「こっちから仕掛けるか」
まずは俺から仕掛けるとする。
さっき上層でトドメを刺した感覚的に、外骨格は硬いが、俺のステータスなら全然ダメージは与えられる。
フォレストビーと同じように羽を潰して、まずは飛行手段を奪うとしよう。
俺はエリートビーに向かって走り、羽を狙う。
エリートビーはまだ動かない。
「ふっ!」
まだ動かないので、目の前まで行って急加速、後ろに回り込む。
そのまま羽に攻撃を仕掛けて…
「ちっ!」
毒針のカウンターが飛んできた。
すぐさま攻撃をキャンセル、カウンターの一撃を受け止める。
ギリギリまで攻撃を引きつけてからのカウンター、このモンスター分かってやがるッ!
「なかなかやるじゃないか!」
自分は中心に陣取り、自分から攻撃するようなことはないが、こちらの攻撃には的確なカウンターを放ってくる。
こんなに厄介なタイプは中々いないぞ…
「これはどうかな!?」
次は、フェイントを織り交ぜた攻撃を仕掛けてみる。
右から突っ込み、直前で左に跳ぶ、そして、左から攻撃…と見せかけて。
右方面から投げておいたメイスがエリートビーに直撃した。
俺の方に毒針でのカウンターが飛んでくるが、カウンターは来ると分かっていれば、躱すのは容易だ。
「我ながら完璧なフェイントだ!」
[フェイントか?]
[でも武器捨てたけど]
エリートビーのHPは全然減っていないが、問題はない、なぜなら羽を狙ったから。
「これで、空は飛べないだろ!」
狙い通り、エリートビーは地面に降りてくる。
すると、エリートビーはカウンター主体から攻撃主体に切り替えたらしく、その顎で攻撃を仕掛けてくる。
「甘いわ!」
顎での噛みつきを後ろに跳ぶことで回避し、顎に下から掬い上げるような蹴りをお見舞いする。
そして、エリートビーが怯んでいるうちに、さっき投げたメイスを回収する。
と、ここでエリートビーが立て直し、今度は顎ではなく毒針での攻撃を仕掛けてくる。
「弾くッ!」
エリートビーは体の構造的に、飛びながらでないとこちらを見ながら攻撃できない。
そのせいか、攻撃にキレがない。
俺は毒針を余裕で弾き、そのまま胴体にもメイスを叩き込む。
エリートビーは体の飛ばないと横を攻撃できないので、そこから殴り続けることで、討伐する。
「はぁ、疲れた」
[強かった?]
[飛んでるのが厄介だね]
「強いというより面倒臭い、まず飛ぶのを妨害しないといけないけど、飛んでる奴に攻撃当てるのは中々大変だ」
一対一の状況なら、よほど動き出しが遅れない限り、ほとんどの攻撃を回避できる。
更に相手は飛行している、上手く立ち回らないと最初の一撃すら当てられないだろう。
「しかも、別にボスとかってわけではないというね」
そう、こいつらはボスでもなんでもない、ただのちょっと強めのフォレストビーだ。
上位種って奴だろうか?
「まだまだ、先は続いてそうだし、どんどん進んでいきますかね」
一階層の広さからして、ここはまだ2階層の中間ぐらいだろう。
今日中にボスまで辿り着けなくても、せめて全部で何階層あるのかぐらいは確認しておきたい。
俺は、更に先へと進んでいった。




