0024-蹂躙
「ハーピィもゴートも苦戦するような敵じゃないし、山岳は簡単って本当だったのじゃ」
[ワンパンだからそう思うだけじゃね?]
[ゴートは耐えてたやん]
ハーピィはホークと違って素早くないから、攻撃を当てるのが簡単だし、ゴートはノーマルボアと違って攻撃を弾いてはこないし。
山登りがスタミナを削ると言う点以外では完璧なエリアだな。
「どんどん登ってのじゃ」
敵が弱いから強気に行けるし、どんどん登ることにした。
そこからとにかく山を登りまくった、定期的に広場に出て、そこで敵が待ち構えてるが、ゴートとハーピィ、どちらも雑魚なので、サクッと倒して先に進む。
山はだんだん険しくなってきて、もはや敵よりも山の方が強いまである。
そして、4つほどの広場を通り、数十体の敵を倒し、ついに山頂付近までやってきた。
「はぁはぁ、真の敵は山だったのじゃ」
[敵は瞬殺するのに]
[山は流石に倒せないな]
「でも、そろそろ山頂だし、この山との戦いも終わりかな?」
もう少しで山頂を覆っている雲の中に入る。
「流石にここまできて死にたくないから、危なくなったら逃げるのじゃ」
俺はゆっくりと雲の中へと踏み込んだ。
雲の層は意外と薄くて、すぐに通り抜けることができた。
雲の中は巨大な鳥の巣があって、中心に卵が3つ置いてあった、卵といっても一つ一つが人より大きいサイズだが。
「鳥の巣、卵、近づいたらボスが出てくるやつなのじゃ」
[ボスは鳥か]
[山の山頂が丸々巣ってデカ過ぎだろ]
なんか、卵に近づかないとボス出てこなそうなので少し近づいてみる。
が、中々ボスが出てくる気配がないので。
「そーれ」
とりあえず卵を一つ、メイスで砕いてみた。
[ふぁっ!?]
[え?まじかよこいつ]
「あーメイスが卵で汚れたのじゃ」
まだ、ボスは出てくる様子がない。
「えいっ」
もう一個壊したら流石に出てくるでしょ。
「まだ、出てこないの?」
[鬼畜すぎる]
[道徳って知ってる?]
仕方がないので、最後の一個も壊してみる、これで出てこないならここはボスエリアではなかったと言うことだろう。
「そいやっさ」
最後の一個を壊したらその時、上空から大きな鳴き声が聞こえてきた。
「ギェェェエェェエェァ!」
「なんか怒ってる?」
[当たり前だろ]
[逆になぜ怒らないと思ったのか]
出てきたモンスターを鑑定したのがこちら
マウンテンバードLv38(激高)
HP1800/1800
「なんか、強くない?」
第一エリアのボス達と比べるとレベルからして違う、なんでこんなに強いんだろ、一番簡単らしいこのエリアでこれじゃあ、他のエリアは恐ろしいことになってるのでは?
「まぁいい、かかってこい、マウンテンバード!」
俺の声が理解できているのか、俺が来いといった次の瞬間にはマウンテンバードがこちらに飛びかかってきていた。
その速度はホークとは比べ物にならないほどの速さで、さらに遠目では分からなかったが、かなりデカい、トラックぐらいの大きさがある。
「おわぁぁ!」
かなり上空からの攻撃で、距離があったからなんとか避けられたが、それでもギリギリだった。
次は当たる、間違いなく。
「逃げるしかねぇ!」
このままだと絶対負けると思ったので、雲の層の外に向かって走る。
だが、マウンテンバードは逃すつもりはないらしく、翼を動かす音が徐々に近づいてくる。
音だけではどのくらいの距離にマウンテンバードがいるのか分からないので、一瞬確認のつもりで後ろを見てみた、そして俺が見たのは、すぐ目の前まで近づいてきている爪の鈍い輝きだった。
なんとか避けようとしたが、この距離から避けられるはずもなく、マウンテンバードの爪は俺の身体を切り裂いた。
そしていつもの感覚ののち、俺は街の広場に戻ってきていた。
俺は地面にゆっくり座り込みながら言った。
「あれ、勝てるわけないのじゃ」
[瞬殺だったな]
[最初の攻撃避けられたのすら奇跡]
「急にボス強くなりすぎなのじゃ、運営にクレーム入れてやる!」
流石に難易度調整をミスったとしか考えられない。
[攻略組はあんなボスと戦ってないぞ]
[他の人はあんなの出てきてない]
はい?なにを言っているんだ視聴者達は。
「どゆこと?ボスがプレイヤーによって違うってありえないでしょ」
[卵壊したからじゃない?]
[他の人はデカいハーピィと戦ってたぞ]
「はぁ?じゃああれか?俺が卵壊したせいであんな化け物が出てきたと?」
[そうだよ]
[そう言ってんだよ]
いやいや、ゲーマーなら普通壊してみるって。
「もしかして、あれは罠なのでは?ゲーマーならあんなあからさまに置いてある卵、壊すしかないはず!」
[??????]
[壊すしかないは意味不明すぎw]
「はぁ、運営の卑劣な罠にはハマっちゃうし、もう夜になっちゃうし、最悪なのじゃ」
頑張って山登ったのに……
「はぁ、区切りいいし、ここら辺でちょっと一旦休憩するのじゃ」
本当はボスに勝って気持ちよく終わるはずだったのになぁ。
まぁ、終わったことを言っても仕方ないか…
「続きは夜7時からやるのじゃ」
[はーい]
[1時間半しか休憩しないのか]
「昨日より強くなってるし、夜の探索もしてみたいのじゃ」
[なるほどね]
[夜の探索!楽しくなりそうだな]
「じゃあ配信一回切るよ、おつー」
配信終了。
「はぁ、疲れた」
やっぱり長時間やってると体に違和感があるな、急に大きくなった感覚だ。
すぐに慣れるからいいけど、やっぱゲームはほどほどが一番だな。
「しかし、あの鳥強かったなー、何レベぐらいになったらあれ倒せるようになるんだろ」
俺の予想では50レベくらいないと厳しそうなんだが。
俺は次の配信の枠を立てるべくチャンネルを開いた、ついでにチャンネル登録者の増加数と同接も見ておく。
「お、同接は相変わらず3000人台をキープしてる!でもチャンネル登録者数が増えてないや」
配信を始める前は1820人だったのだが、今は1830人、6時間で10人しか増えてない、昨日までの伸びと比べると明らかに減っている。
「まぁ、流行りに乗ってるだけだし、ここまで行っただけでも御の字か」
こればっかりは俺の配信を見て、面白いと思ってくれないと登録はしてくれないと思うからな。
面白い配信にできるようにもっと頑張らなくちゃいけないな。
それにあれだ、バトルロイヤルイベントで上位入れれば、もっと多くの人が見てくれるかもしれないし。
今は頑張る時期だ!とにかく配信をしていこう。
だが、いい配信をしていく為にも休息は取らないと。
「仮眠しよ…」
俺は目の疲れとかもあるので、1時間ほど仮眠をとることにした。
本来なら山岳のボスはハーピィクイーンで、卵を狙うハーピィクイーンを倒すというものになっていて、強さとしてはマウンテンバードの10分の1もないくらいです。




