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0010-謎の店と情報

盾持ち改め、ホブゴブリンを倒した俺は夜になる前に一度街に戻ろうと思い、街に向かって歩き出したが、街まであと少しと言うところで完全に夜になってしまった。


「ゲーム開始から6時間…朝と夜の周期は6時間ごとなのかな?のじゃ」


せっかくだから夜のモンスターを少し見てから街に戻ることにした、門まで走れば1分とかからないし、いざという時はすぐに逃げよう、そう思ってしばらく待機してみることにした。


視聴者と雑談しながら待つこと10分ほど、森の方から何かが近づいてくるのが見えた。


「ん?なんかきてるのじゃ」


遠目からではよくわからないが、多分プレイヤーではない、見た感じ四足歩行っぽいし。


「夜は強いモンスターが出てくるらしいけど、今の俺がどのくらい通用するのか試してみるのじゃ」


とりあえず敵がどんな行動をしてくるのかわからないので短剣を構えて、いつでも動けるようにしておくすると、敵がこちらに走ってくる、とりあえず躱そうと思って避けようとするが…


「ッッ!?動けない!」


なぜか、動くことができない、そしてそのまま敵はこちらに突っ込んできた、最後に見たのは大きく口を開けてこちらに噛みついてくる狼の姿だった。


そして、俺は死に、街の広場でリスポーンした。


「まじか…?なんか動けなかったのじゃ」


[ワンパンされた?]

[狼っぽかったよね]


「もしかしてあれがシャドウウルフかな?なんか闇ギルドのモブが気をつけろ的なこと言ってたよねのじゃ?」


[それよりも語尾が不自然すぎるw]

[つける時とつかない時ぐらいわけなよ]


確かに…少し不自然だったかもしれない。


「わかったのじゃ」


結局あれがなんなのかは分からないがこれだけは分かった、今の俺に夜の狩りは速い。


「とりあえず素材とか売って、鑑定覚えられそうなら覚えておくのじゃ」


夜の間はできることをやっていく、とりあえず素材を売るためにギルドへ向かう。


今回売る素材はこちら

ゴブリンの小角×9

ゴブリン剣×4

ゴブリンの中角×1

合計で5300ゴールド、所持金は6400ゴールドになった。


「これで鑑定覚えられるのかな?」

受付に5000ゴールドを払いクエストボードを見ると『鑑定獲得クエスト』なるものが増えていた、どうやらこれを受ければいいらしい。


『鑑定スキル獲得クエスト』

街の鑑定士ラザンに会い、頼み事を全て終えることでクエストクリア


クエストクリア報酬 鑑定スキル(汎用)


お金払えば教えてくれるわけでは無いっぽいので、とりあえずラザンとやらを探すことにする。


「というか、そろそろ3時間か……一旦やめたほうがいいかな?」


[あくまで3時間は目安、6はいける]

[3時間程度じゃどうにもならん]


うーん、まぁ大丈夫か?本当にやばくなったら警告出るはずだし。


「まぁいいか、とりあえずラザン氏を探すのじゃ」


探すといってもそこら辺のNPCに話を聞けばすぐに見つかる、でもそれだと面白く無いので昼間みたいな突発クエストがないかゆっくり探して回ることにする、夜は長いしね。


「魔法教えてくれるNPCとかいないかなぁ〜」


街をぶらぶら歩いていると色んな発見があったりして結構楽しい、例えば路地裏と戯れたり、NPC同士の会話を聞いてみたり、隠しNPC的なのがいないか探してみたり。


そんなこんなで1時間ほど街を回っていると信じられないものを見つけた。


ここは、昼間訪れた雑貨類が売っている方の通りでそこの一角に昼間は無かった店があるのを見つけた。


「看板的なのは出てないけど、なんのお店なんだろ」


中に入ってみるとなんと、そこにいたのはプレイヤー!


「いらっしゃーい」


どうやらここはプレイヤーのお店みたいだ、まだ始まって数時間なのに、50万貯めるなんてすごいな。


「ここはなんのお店なんですか?」


とりあえずなんの店かわかんないので聞いてみる。


「ここは、一応情報屋的な?感じの店です」


ふむ、情報とな。


「ちなみにどんな情報があるんですか?」


なんかクエストの情報でも無いかな。


「今は、めぼしいものだと森にでる幼女型モンスターの情報と、攻略組のレベル情報とかがあります」


ん…幼女型モンスター?森…いや、まさかね。


「攻略組のレベル、気になるなぁ、何ゴールドで売ってますか?」


それは置いといて、攻略組のレベルとやらは気になるな、俺はゆっくりやってるから全然差があるとは思うけど一回目標にしたい。


そう思って聞いてみると残念そうに話す店員君。


「すみません、しばらくは情報同士のトレードしかしないつもりなので……」


だから看板もなかったのか…しかし俺には情報がある、しかも貴重な情報が。


「ちなみにゴブリンが出る森の奥の情報ってあります?」


俺がそれとなく匂わせてみると店員君の目が輝いた気がした。


「森の奥……すみませんちょっと奥で話せますかね?」


どうやらまだゴブリン集落はだれも見つけていないらしい、まぁ大分奥の方にある上、ゴブリンを尾行しないと気づかないような位置だし、当たり前か。


「もちろんです」


店員君の後を追って店の奥へと入ってゆく。


[おい、モンスター呼ばわりされてるぞ]

[なんか間違った情報流れてるな…]

[語尾つけろ…]


店の奥に入ると、こちらを向く店員君。


「えーと、改めて確認なんですけど、森の奥の情報

持ってるんですか?」


「えぇ、直接確認したので間違いありません」


「なるほど、ではぜひ情報を交換しませんか?」


「えぇ、でもその前に自己紹介でもどうです?」


情報屋の店員君とは面識を作っておいたほうがいい気がするので自己紹介を進めてみる。


「あぁ、これは失礼を、私はこの情報屋の店長やっているケーシーです、よろしく」


「私は魔法使いやってるトマです、よろしくなのじゃ」


語尾つけろと言われてしまったので、仕方なくつける、すると店員君改めケーシーに変なやつを見る目で見られてしまった…


「なのじゃ?」


「すいません、ロールプレイ的な感じで、ちょっと語尾がへんなのじゃ」


俺がロールプレイだと説明すると納得したのか特に追及はなかった。


「それでは改めて、情報を交換しましょう」


どうやらゴブリン集落の情報が早く欲しいらしい。


「えぇ、攻略組のレベルと交換ですよ?」


「もちろんです」


確認も取れたのでサクッとゴブリン集落について話した。


「なるほど、20分ほど尾行を…特殊条件か?…いや…」


なんかぶつぶつ言い始めた、長くなりそうなので一旦止める。


「えぇと、そしたら攻略組の情報おしえてください?」


「ぁ…すみません、今見せますね」


見せる?一体どういうことだ?

どう言うことなのか考えていると目の前にウィンドウが出てくる。


ケーシー Lv16


HP 150/150

MP 50/50

STR 100

INT 50

VIT 50

MGR 50

AGI 100

DEX 20

LUK 80


「これは、どう言うことなのじゃ?」


いきなりステータスを見せられても…


「あぁ、すみません、言葉が足りませんでしたね、私は今現在唯一最初のエリアボスを倒した攻略組の

一人です」


なんと!ケーシーは今現在もっとも進んでいるプレイヤーの一人らしい。


「唯一ってなぜわかるのですか?」


「じつは私と仲間達でつい先ほどエリアボスを倒したのだけど、その際称号を貰えたのさ、最初の討伐者ってね」


なるほど…いやしかし、俺のステータスと意外と差はないな、平均的に振るとこんなものなのかもしれない。


なんて考えているとケーシーがもう一ついいことを教えてくれた。


「これはおまけなんですけどね?エリアボスは東西南北、全てに存在してるみたいで、私たちが倒したのは南のボスです」


南というと…チュートリアルエリアの方か?気になったので聞いてみることにした。


「あっちはチュートリアルエリアなのでは?」


「えぇ、そうですよ?ボス相手でも簡単に勝てました」


「なるほど」


だとするとこの程度のステータスでボスを倒せたというのにも頷ける、さすがにゴブリンキング程強いボスにこのステータスで勝てるとは思えない。


これはいい情報を手にできたな、最前線でも俺は戦えるらしい。


[あなたよりSTR強い人が目の前にいますよー?]

[現在最強よりもパワーがあるのか…]


俺はいい気分で情報屋を後にして、再び鑑定士探しを続けるのだった。

ケーシーが弱そうに見えるかもしれませんが、ステータスは特化しないならこんなものです。

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