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最終幕 第26話 護りの朝
落ち着いた朝。
共有の二人が視線を交わし、長谷川が短く言う。
「狩人は名乗らない。だが――昨夜は通っている。十呼吸の間にどこにも踏みが出なかった」
かぐらがうなずく。
「黒は二人とも出揃った。昼の圧で終わらせたい。投票内訳は非公開のまま、時刻×場所×他者名を最後にもう一度」
紙が巡り、民宿・神社・詰所の動線が三点で噛み合う。
昼は短い。“名を呼ぶ朝”を守るための手が、昼の言葉で完成する。
夜。
拍子木×2 → 鈴×1。停電なし。
床下/鍵穴/外周――どこも鳴らない。
十呼吸のない夜は、ただの雨になった。
朝。点呼。
誰も欠けていない。




