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最終幕 第25話 黒、もうひとつ
広間で、かぐらが静かに手を上げる。
「占いを出します。黒――古谷 清」
空気が張る。共有二票が即座にかぐら側に寄る。
古谷は目を細め、低く言った。
「名は呼べるうちに呼べ、と言った。名を呼ぶ朝を守ろうとした」
「名簿から“名”を欠かせていた側の理屈です」
俺は、黒鉛粉の筋が付いた朝、鍵道具の棚の出入り、“白いのに犬が吠えない夜”の演出、そして昨夜の外周――全部が古谷線で繋がることを、三行×四枚で示す。
多数決。
票は集中。同票は起きない。
鈴が一度、昼が終わる。
夜。
拍子木×2 → 鈴×2。停電。
鍵穴トラップは無反応。床下も鳴らない。
犬は吠えない。庭砂の線も増えない。
十呼吸が明け、灯りが戻る。
朝。点呼――全員応答。




