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名前の消える村 — 昼は多数決、夜は人狼 —  作者: マルコ


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23/29

第5幕 第23話 静かな朝

夜。

白夜封印/床下蓋/鍵穴トラップ――布陣はそのまま。

 拍子木×2 → 鈴×1。停電なし。

 床下は鳴らず。鍵穴も鳴らず。

 犬が一度だけ庭へ向かって吠え、すぐ黙る。

 十呼吸のない夜は、音が薄い。雨筋だけが残る。


 朝。点呼。

 誰も欠けていない。

 広間の木目が明るく見えた。共有の二人が短く息をつき、かぐらが紙を配る。


「霊媒は伏せ。……昼は多数決で進めます。鍵道具の出入りと昨夜の庭の足跡だけ、先に確認を」


 庭の砂に軽い踏み。足幅は狭い。床下でも鍵穴でもない。

 俺は紙に三行で書く。“白夜封印下の夜は、外周からの探りだけ”。

 古谷が膝で袴を整え、低く呟く。


「名は呼べるうちに呼べ、じゃったな……」


 昼の票は静かに集まり、処刑は一人に落ち着く。

 同票は起きない。共有票が盤面を確実に運び、夜の十呼吸は鈍くなっていく。


 この幕は、静かな朝で閉じる。

 “仕掛け”は整った。最終幕で、名と手に決着を付ける。

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