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第5幕 第22話 金属音
鍵穴トラップを強化する。
細糸鈴+薄紙円盤+黒鉛粉。外側からピッキングすれば、黒鉛が指先と道具に付く。
昼の議論で、俺は詰所周辺の金物の貸し借りを洗う。直売所の工具棚、青年団の備品、神社の古い鍵道具。
神谷 勝が肩をすくめる。「誰でも触れる。指に粉なんか洗えば落ちる」
「黒鉛は爪の隙間に残る。今夜だけ、朝いちで手を見せることを提案します」
共有の二人が頷き、かぐらが短く付け加える。「朝の点検は私が仕切る」
夜――拍子木×2 → 鈴×2。停電。
床下、無反応。鍵穴トラップが二度、ごく小さく鳴る。
十呼吸の闇が上がる。
朝。
点呼は全員応答。
かぐらが手の爪と指先を見せてもらい、布で拭く。黒い筋が二名の指に残った。
青年団の棚に出入りしていた神谷 勝。そして――古谷 清。
広間の空気が凍る。
古谷は目を閉じ、低く言う。
「手伝いはした。夜の“十呼吸”の中で何かを開けようとする手があれば、止めようと思った」
「止めようとして付く筋は二度じゃない」
長谷川が淡々と言い、共有票が静かに固まる。
多数決。
同票は起きない。紙の束が揃い、神谷 勝の札が多い。
共有二票が最後に寄り、勝が選ばれた。
鈴が一度。昼が終わる。




