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第5幕 第20話 白夜封じ
――最初の夕方。縄の鳴き、雨、既視。
ノートの先頭に周回4・初手を太字でなぞり直し、神社の広間へ。
「共有者は初日に同時COをお願いします」
俺の声に、わずかなざわめき。二人同時に手が上がった。長谷川 はやとと――民宿の女将。
「共有者です」
二つの声が重なり、空気が落ち着く。同票の穴が埋まった。
「続いて、白夜(置き提灯)を全没収します。詰所・本殿・民宿・直売所の灯りは夜間封印。犬の反応を見張りに付けます」
かぐらが頷き、鍵束を盆に置いた。「鍵は私が管理します」
初日の多数決は短い。票は散るが、共有2票が同票を割る形で収束。処刑は本殿の倉庫鍵の扱いが曖昧だった若者に落ち着いた。
霊媒は伏せ。夜へ。
――拍子木×2 → 鈴×1。
白夜はない。障子の下辺は白くならず、犬は一度吠えて黙る。
俺は鍵穴トラップ(細糸鈴)をそっと確かめる。鳴らない。
その代わり、床下で小さく一回だけ軋み。
十呼吸の闇が明け、灯りが戻る。
朝。点呼。「――宮守 たかお」返事はない。
俺はノートに丸を付ける。白夜封じ→床下一本。想定どおりだ。




