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第4幕 第18話 白夜
午前。逆用計画の第2段。
白夜をもう一度作り、床下に“止め”を入れる。
針金輪の位置を戸口直下に寄せ、鈴を二段にする。
提灯は詰所前と神社小道に囮を置き、狼の視線を揺らす。
昼。
議論は短く、票は散る。共有票で同票は回避。
霊媒は出ない。
かぐらは白だけ伏せると繰り返し、黒が出たら出るとだけ言う。
夜。
拍子木×2 → 鈴×2。停電が落ちる。
白夜の演出――障子下白。犬は吠えない。
床下の鈴が一度、二度。針金輪が弾ける。
――戸の鍵がごくわずかに回りかけて止まる。
内側の薄紙が破れず、鍵は完全には回らない。
床下が軋む。退く気配。
白夜を消す。十呼吸が明け、灯りが戻る。
朝。点呼。
相馬 みなと――返事がある。
宮守 かぐら――返事がある。
長谷川が床下の針金輪の切断面を見せる。
「工具だ。噛み切りじゃない。線を挟んで切ってる」
「狼は二人じゃないかもしれない」
俺は口に出してしまう。「夜に“協議”があるなら、別の手で白夜を作って、床下はもう一人。……**足音の“二→一”**が、ずっと気になってた」
かぐらが短く頷く。
「今夜は白夜を作らない。床下だけ見ましょう」




