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名前の消える村 — 昼は多数決、夜は人狼 —  作者: マルコ


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第4幕 第17話 封鎖

午前。床下の狭窄を決める。

 木片のくさびを通路の真ん中に打ち、針金の輪を楔の先にかける。

 輪が切れたら侵入、鈴が鳴れば通過。

 提灯は詰所前に偽物を置き、犬の反応をテストする。


 かぐらが短く言う。


「夜の十呼吸で二つは無理。床下を通るなら、置き提灯の演出はできない。……どちらを捨てるか」


「なら、こちらが“白夜”を作る」

 俺は頷く。「白いのに犬が吠えない夜をこちらの都合で一度だけ。狼の動線を床下へ誘導する」


 昼。

 処刑はひとり。共有票が最終で寄り、死者は静かに出る。

 霊媒は出ない。

 長谷川は詰所の鍵を預かり、俺たちは提灯の仕込みを終える。


 夜。

 拍子木×2 → 鈴×1。

 白夜をこちらで作る。障子下辺が白。犬は吠えない。

 十呼吸――床下の鈴がちり、楔の針金が切れる音が、耳の骨に乗って伝わる。

 戸口下で軋み。

 白夜の演出を中断。詰所前は暗に戻す。

 鈴が二度。夜が終わる。


 朝。

 床下の楔が欠け、針金輪が切断。粉の筋が外通路へ続く。

 点呼――不在は一人。本殿側ではない。


「進路は床下。白夜に寄った」

 長谷川が短く言い、俺はメモに丸をつける。“誘導は通る”。

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