F1wor L Ranunculus memory ラナンキュラスの記憶
私は、F1worウイルス感染者の間に生まれた子供で親の顔は見たことがないし、見たくもない。そもそも人工交配だから、誰かわからないしたぶんもう殺されてる。そういう施設だった。
私も毎日のように実験を行われていた。薬物実験から回復力調査実験など、様々だ
「今日は、銃弾をうっていくよ」
はぁ、いやだなぁちょっとは痛いんだからね
「いくよ」
パァン!
銃声が鳴り響く。私は腹部を撃たれ、血を流していた。
「いたた」
もう最近ではこのくらいだ、最初の方はまだウイルスに、順応できていなくて、かなり痛みがあったけど、もう慣れた。
「素晴らしい!やはりこの回復能力は著しい!どのようになってる?いや、そもそもこの子が再生能力が高いのか?」
こうやって、いっつもぶつぶつ言っている。
何言ってるのかはわかんないけど。
私は、脱走する気なんてなかったし、できるとも思ってなかった。そもそもできたとしても、命に保証があるとは限らない、なぜなら私たちは存在してはいけない生物だから。
はぁ、いつもと何ら変わらない日常…退屈だ
今日もいつもと変わらない日常が、でも今日は雨が降っているいい天気だ。
なんだか、外が騒がしいが気にせず、そのままボーっとする。いつも私はボーっとしていた。まぁやることがないから仕方がない。
「おい、ラナンキュラスよく聞け、今この施設は攻撃を受けている、我々はこの場所から撤退する。そのため、我々を護衛しながら逃げてくれ」
今日は、雨だしいつもよりも面白いことが起きそうだ。
もちろん、こいつらを助けはしないむしろ、奇襲攻撃を仕掛けている側に着き、復讐する
またとない、チャンスだ
「行きましょう、外に案内してください」
初めて出る、外界。私は施設から出たことはなかったので、とても楽しみだ、もちろん復讐できるという理由もあるが。
外に出ると、射撃音や悲鳴や様々な音が飛び交い、窓の外から見えていた綺麗な庭園も今は戦場と化している。
「それでは、私は敵の方に行って足止めをしてきます」
もちろん嘘。でもそのまま相手の方に行ったら攻撃されるリスクがある。戦闘を見ていたところ相手は私と同じF1worウイルス感染者のようだ。男の人と女の人がいる。それに対してこっちは銃を持って100人くらいで相手をしていても、二人にダメージは一切与えられていない。
私は、手を大きく上げ、降参のポーズ?かは知らないけど、まぁやってみる
「私は、戦闘をする意思はありません!あなた方のお手伝いをいたします。射撃を行わないでください!お願いします」
相手も戸惑っているが、私へ攻撃してくることはない。
相手の方に駆け寄り、施設の人員を皆殺しにする。
「ありがとうございます。私はラナンキュラスと申します。施設へ復讐するためお二方に着きます」
私は、初めて人間に攻撃をした。もちろんF1worウイルス感染者に攻撃をすることはあった、けど人間を殺すということは初めてだ。
なぜだろう、いつもよりも楽しい。復讐だからだろうか?それとも人間だから?もうわからない
恐らく、お二方の仕事なのだろう、でもそんなこと気にしない私はこいつらを皆殺しにするだけでいい、それが私の存在意義だと、これでたくさんの子供が救うことができる。
「ラナンキュラスちゃん、この施設の施設長は殺さないで!そいつはひっとらえて、話を聞かないといけないんだ、じゃないと全員すくえない」
施設長?だれだっけ?そんな人いたっけ?もうわからない、何人殺したんだろう…私の服こんなに赤かったっけ?もう真っ赤だ
「ラナンキュラスちゃん!くそっ仕方ない!」
『情熱』
次の瞬間私は、さっきの男の人の方に引き寄せられ、首にチクッと痛みを感じ、意識が遠のいていく。
恐らく、睡眠薬か何かを使ったのだろう。あぁ、私の復讐が終わってしまう…
「はっ!ここは…」
知らない部屋だ、真っ白の空間で何もない。入り口と思われる場所もないし出口もない。
「私、死んだのかしら…」
少し遠くからガチャっと扉の開く音が聞こえた。誰か入ってきた
「すまない、こんな部屋しかなくて。いま施設長に尋問している。尋問が終わったら君の指揮にしてもらって構わない。それと君にはF1worで一緒に、戦ってほしい君たちみたいな人たちを救いたいんだ」
あぁやっぱり、ここはもちろん、救うのはいいが今までと同じように実験をされるのかもしれない、だとしたら、こいつは殺した方がいいのかもしれない。
私は拳を振りかぶり、目の前の男に攻撃をする。が、私の拳は掴まれ、動かせない。
「すまない、説明不足だったね。もちろん今まで受けてきた悲惨な実験は行わない、この建物の中だったら自由に暮らしてもらって構わない。もちろん、F1worで暮らしたくないのであれば、精一杯の援助をしようと思っている。君には、復讐と救助を手伝ってほしいんだ」
そんなことがあるのか?私は人じゃない、きっとそういって同じようなことをするつもりなのだろう。でも、今分かった私はこの男に勝てない。だから、少し生活して考えてみよう。
「わかったわ、少しここで生活させて、それから考える」
「君、見た目によらず知能が高いなぁ!僕よりも頭がいいかもしれないな?そうだね、君の部屋はもう準備できている。そこで自由に暮らしてくれ」
ちょっとだけ、見て回ろうかな。
それにしても広い!私がいた施設の10倍くらいはありそう…なんかハイテクな施設もあるし…
さっきもらっ地図によると、私が今いるのが事務所棟で、体調管理とか施設の管理とかをするらしい。
んで、これより南に行くと、訓練棟で
その東側が、寮になってると
こんな大きな建物を建てるお金はどこから出ているのだろうか…
とりあえず、訓練棟に行くとしよう。そこでここの実力も見れるし。もちろん私たちと同じような人たちばっかりだから、めちゃくちゃ強いとは思うけど。
まじで、迷子になりそうな広さだな…
やばい本気で迷ったかも…嘘なんで?地図のとおりに進んでただけなのに…
「大丈夫?迷っちゃった?」
はっ!こんなところを見られてしまうなんて!
「いえ、訓練場に向かおうとしていたところです」
流石に迷子なんて言えないよね、恥ずかしいし、何より使えないと判断されたら、もう終わりなんだから
「あらそうなの、私もちょうど行こうとしてたから一緒に行きましょ」
確かこの人は、施設襲撃のときにもいた、女の人
「あの、お名前をお聞きしても」
そういえば、名前を知らない流石にそれくらいは知ってないと
「私は林檎よ、よろしくね!ラナンキュラスちゃんは、まじめだねぇ…」
よかったぁ、迷子だってばれてなかった…それに、一緒に行ってくれるってことは、私もとうとうこの迷路から脱出できる!
にひひ…うわっちょっと顔に出てかも
「それにしても、なんでこんなところにいたの?訓練場に行きたかったんだよね、こっちの方はもう駐車場とかしかないよ?」
ギクッ!やばいばれる!えーと、なんかいい感じのいいわけないかな…あっ
「ちょっと、車見たくてこっちの方に来てたんですよね」
これでいいんじゃない!いい感じに言い訳できたでしょ!
「ふーん、まぁこっちに駐車場なんてないけどね~」
はっ!罠だった!私としたことが…もう完全にばれてるよね…
「迷子になっちゃったんでしょ?まぁ広いし入り組んでるもんね」
くっ…何たる屈辱…
「迷子じゃないですよ、ちょっと道に迷っちゃっただけで…」
「世の中は、それを迷子というんだよなぁ」
完全に私遊ばれてない!?いい人だと思ったのに!
「はい、着いたよ。んじゃ私は、射撃場に行ってくるから、わからないことがあったら係員さんか、近くの隊員に聞いてね」
うわぁ、ここが訓練場なのかぁ…広すぎて端っこまで見えないや…
何にもわからないし、係員さんに話でも聞こうかな
「あの、訓練ってどこでやればいいですか?」
うわー、怖そうな係員さん…
「おぉ、かわいいお嬢ちゃんごめんね、びっくりしたよね、訓練にも種類があるけど、射撃訓練に運転訓練、総合訓練とあるよそれぞれ場所は…」
なるほど…銃は私は使わないし運転はそもそもまだできる年じゃない、じゃぁ総合訓練しかないかな…
「じゃぁ総合訓練場に行きたいのですが、こっちであってますか?」
「そうだね、がんばってね」
強面だけど、いい人だったな。やっぱり人は見かけによらないんだなぁ
えーと、ここかな?すごい…部屋一帯がホログラムになってる
「あの、総合訓練場はここであってますか?」
「はい、こちらで受付しております」
なるほど、ホログラムになっている理由は、戦闘フィールドを選択できるのね、野原、オフィス、研究所、コンテナ、街中と…
私は、今まで研究所で暮らしてたから、研究所が一番戦いやすいかな。
それに、私の武器がはさみだから、狭いこういうところの方が戦いやすいかも
「受付お願いします」
「はい、承りました。ただいま混雑しておりますので1時間待ちですがよろしいですか?」
まじかぁ…まぁここまですごい施設だったら人気だよねぇ
「分かりました、大丈夫です」
しょうがない、射撃場で訓練でもしようかな、何気に初めての銃だね
「射撃場は空いてますか?」
見た感じ、空いてはいるけど
「はい、受け付けておりますが、銃はお持ちですか?」
あぁ、持ってないなぁどうしよう、1時間暇になっちゃうなぁ
「持ってないんですけど借りられますか?」
「もちろんです!ラナンキュラスさんの体格ですとルガーLC9sがいいですかね」
へー、こんなにかわいい銃もあるんだ
やるだけやってみよう、あんまり銃は好きじゃないけど。私にとっては撃たれるだけのものだったから。撃たれる痛みも知ってるし
「よいしょ」
あれ、ちょっと待って身長が足りないかも…結構ギリギリだなぁ
パァン!
すごい、大きな音施設ではサイレンサー?とかいうやつを付けてたから比較的静かだったからね
あと、すごい反動、腕がびりびりする。
でも、全然的から外れてる…へたっぴだな
パァン!
あっやばっ…
反動で腕がしびれて銃を投げちゃった…
取りに行くか、面倒だけど…
「もうちょっと…とれた!やった!」
あっ、またまたミスった
パァン!
「痛っ!いてて」
なんだろう、私って撃たれる運命なのかな?
「あぁ、ごめんやばい!人殺しになっちまった!頭はもう助からないよな…」
あっあの私元気です…
「落ち着いてください、大丈夫ですむしろ私が悪いので…ごめんなさい」
「えっ!?大丈夫なのかいすごいなぁ再生能力持ちのF1worなんて、いるんだなぁ」
全員持ってるわけではないんだ、知らなかった…
でも、射線上に私が立ってしまったのが悪いんだし、ここはしょうがない
「本当にすみませんフィールドに入ったのが悪いので」
「大丈夫だよ、君も頑張って銃の腕上げるんだよ、それじゃ」
今日今ここから、私はラナンキュラスとしてF1wor Lで過ごすことが決まった、みんなのやさしさで