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蒼太の箱根駅伝  作者: 先出しバウアー
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第十一話 代償 〜山梨国際大学編④〜

総合三位となった箱根駅伝の翌日。


山梨国際大学ヤマガクは慌ただしかった。


朝からクレームの電話やマスコミからの問い合わせが

後をたたない。


寮の周りにはカメラマンが

シャッターチャンスはないかと待ち構えていた。


当然、練習は中止。全部員に外出禁止令が出された。


そして、井之上とオツオリには

クレームのことは何も話すなと厳戒令も出された。



第十一話 代償 〜山梨国際大学編④〜



山梨国際大学ヤマガクの監督、植木にも

多数のクレームのメールや手紙が届いた。


「箱根駅伝で外国人を使うのは卑怯。」


「正々堂々と日本人だけで勝負しろ。」


なかには、当て字で

「害人は箱根駅伝から出ていけ。」と

いったものまであった。


また、マスコミが、あの日、井之上がキレたところを

テレビで報道したこともまずかった。


「ヤマガクはチンピラを育てているのか?」


「これ以上、箱根駅伝の歴史を汚すな!」


井之上へのバッシングは、

故郷である広島県の実家まで届いていた。


監督である植木は思った。


「箱根駅伝は、もう常軌を逸している。


本来、この大会は、関東地方の大学対抗戦にすぎないはずだ。


にも関わらず、テレビ局や新聞社が

スポンサーとなり、プロスポーツ並みの

万札が飛び交う。


そして、この少子化の中、ほとんどの大学が

効果的な広告戦略として、

箱根駅伝を利用している。


毎年発刊される選手名鑑は飛ぶように売れ、

普通の大学生がヒーローのようにもてはやされる。


その一方で、しくじれば、

一生かけても拭えないトラウマを

植え付ける。


もはや、箱根駅伝は、

健全な大学スポーツではない。」


井之上とジョン(オツオリ)を

こんなものの餌食にしてはならない。


植木の決意は固まった。

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