間話 運営side ①
日本某所 LOT運営管理室
九重薫がLOTからログアウトし、眠ろうとしていた頃
そこは地獄絵図と言っていいような光景あった
モニターを見ていたスタッフ—木下—は、呆然としながらその場を取り仕切っていると思われる人に声をかけた
「さ、三条さん‥‥」
「あ? この疲れてる時になんだ?」
「そ、それが…」
「なんだ、またあの野郎がやらかしたのか? 今度はなんだ?」
「それが、あの謎スキルが発動しました」
「な、なんだと…‥ あのAIが勝手に作ったやつがか…」
「は、はい…」
「それでどうなった?」
「そ、それが、スキルの反動かなにかで眠っています」
「そうか…。なら今のうちに全員叩き起こすぞ! 俺たちだけじゃとてもじゃ無いけど対処しきれん」
そうして二人は周りで眠りこけている他の人たちをおこしていった
他の人が眠りこけている理由は今から18時間ほど前に遡る
・・・・・・・・
そこには、明後日に迫ったLOTの第一陣に向け最終チェックをしている三条の姿があった
「AIへの引き継ぎ完了、バグ処理完了、第二陣招待完了、っと。
皆さんお疲れ様でした。以上で終了です」
「終わったー!!」
「室長、今からここでパーティするっすよ。この秋光、実はお菓子とかジュース買ってあるっす」
「おいおい、酒やつまみはないのかよ」
「まぁ、そう言わないでくださいっすよ。猿渡さん、職場で酒は流石にまずいっすよ」
「チッ、しゃあねえな。まあやるか。じゃあ室長、乾杯の音頭を頼むぜ」
「う、うん。では、LOTの無事スタートを祈りま…『室長大変です。何かあったらしくて社長来ました』…せんでしたね」
木下が慌てて部屋に飛び込んできた。それに続いて社長がゆっくりと入ってきた
「やあ、みんな。元気かい?」
「は、はい。信じられないほどに問題が少なく、2日間前に全て完了いたすことができました。それで上松社長、本日は一体どういうご用件で?」
「ああ、なんと楽しみなことにあの隠しイベントが達成されたんだ。」
「え‥…、あのー私たちと社長がお遊びで作ったあの?」
「ああ、それだ」
「そうですか、あれがですか…って、マジですか?」
「もちろん、ガチだ。えっと、三条君、口調が戻ってるけど、いいのかな?」
「あ、失礼しました。しかし、そうですかあれが‥」
「さっき対応してきたのだが、本当に達成してたよ。まあ、つまり、これからまた忙しくなるということだ。確か作った時に、第二陣と同じ時期に他のプレイヤーと同じとこに移動する様に設定してたからそこまで頑張ってくれ」
「そ、そんな……」
「前もって決めていた通り、チートみたいになっても止めてはいけないからね。じゃあ、私はこれで失礼するね」
………
「し、室長どうするんですか? 確か、隠しクエストってただでさえチートじみてるのに、さらにその先につながっていくようになってましたよね?」
「ああ…。だが、難易度がありえんぐらい高いからな、流石に大丈夫だろ」
「ところで、達成された隠しイベってなんなんすかね?」
「聞くの忘れてたな‥。まあ、いいどうせ明日にはわかることだ。」
「くそが、また徹夜じゃねえか」
「まあまあ、明日の9時からが本番っすから6時ぐらいに終わらせて仮眠取ったらいいじゃないすか」
こうして、夜が明けるまでぶっ通しで準備がされていった